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[NeosVR]作品コンペ「MMC23」用にゼロから1か月でゲームを作った話

2023年2月の1か月間、NeosVRでMMC23という作品コンペが行われました。
ルールは大雑把に「チーム結成、アイデアを考える以外の事前準備一切禁止」で1か月でゼロから作品を作り上げるというものです。
詳細はこちらから
https://docs.google.com/document/d/1CNAxTvV78ML-GTYQRCcerqOJmATyzhK20LqqR5qCrbw/edit

今回私は「ゲーム(個人/5名以下のチーム)」部門に参加しましたのでどういうコンセプトで何を思って作ったのかなどを、制作後の感想も交えて書きました。
こういうガッツリ製作者寄りの記事が1個や2個あっても良いんじゃないかな?という軽い気持ちで書いてますので気楽に読んでください。

作った作品について

BarrageSprites(バレッジスプライツ)

ジャンル:対戦型シューティングゲーム
プレイ人数:2人プレイ専用(セッション内人数も2人を推奨)

ワールドURL(NeosVRをインストールして下記をクリック)
http://cloudx.azurewebsites.net/open/world/U-e1ght3/R-23ee9533-b908-45d9-9c6c-ed499a4a6f59

遊び方
https://qiita.com/e1ght3/items/6d22b9e26c4152db9894

作品コンセプト

「ティンクルスタースプライツ」のゲームルール、「スペースハリア―」の疾走感+ステージスクロール、「出たな!ツインビー」の世界観(ビジュアル)を目指して作りました。
つまり過去の名作を踏襲しつつ、自分なりに新しい形にしてみようというよくある発想です。

制作メンバー

まずは音楽を制作とデバッグをお願いした英 涼太さん、
そして音楽以外の全部を担当したe1ght3(私)
以上!2名です!!

ゲームシステム

参考用プレイ映像(後日、もっといい映像が見つかり次第入れ替えます。)

今回は「ティンクルスタースプライツ」を出来るだけ再現しつつ、3Dにするにあたっての問題点を潰していく方向性で実装しました。
ティンクルスタースプライツ自体は1996年と大分昔のゲームなのでWikiなどゲームの仕様がまとまったサイトはなく、仕様の調査には苦労しました。
しかしゲームセンターの大会の動画などが結構残っていたことと、やりこみプレイヤーたちによる日記やHP等を根気強く調べることで、制作に必要な部分の仕様はほとんど知ることが出来たため、それなりに本家に近い物が再現できたと思います。

VRの視点では後ろからの攻撃やほぼ真横から弧を描いて飛んでくる弾などは、そのまま実装すると回避がほぼ不可能となる為削除しています。
つまり基本的には敵も攻撃も真正面方向から飛んで来て確実にプレイヤーが視認できるようになってます。
また1か月では制作時間が全く足りないため、本家にある要素をかなり削ることにしましたが、対戦として成り立つ必要最低限の要素は何とか実装出来たといった感じです。

このゲーム独自要素としてVR・デスクトップ両対応の3Dゲームである事以外に、死神の代わりにサドンデスを導入しています。
今回はエキストラアタックをゆっくりと直進する巨大な火球(性質はなんじゃもんじゃのエキストラアタックに似たもの)に固定しており、サドンデスに突入するとそれがステージギミックとしてどんどん飛んでくるといった感じです。時間が経つごとに頻度が激しくなり決着を早めるようにして、原作でよく言われる「上級者同士だといつまでも決着がつかない」という弱点の解消を狙ってます。
公開後にプレイした方の状況を見ている限り、現状そこまで勝負がもつれる事はほぼなさそうですが、今後プレイヤースキルが上がっていくと活躍することになるかもしれません。

背景周りの制作

スペースハリア―っぽい無限スクロールを作るにあたって、
どうやってVRで実現しようか色々考えました。
最初はそのまま原作通り、板オブジェクトでも生成させて疑似無限スクロールさせようかと思いました。
しかし試してみるとVRでは奥や側面が必要以上に遠くまで見えてしまう為ため、その分作りこみが必要になることが判明。建物などで隠す手もあったが閉塞感が出てしまうように思えましたし、NeosVRだとユーザー自身が前に進まない限り地面だけが動いても歩きモーションにならないことが分かった為、結局没に。

その後、このゲームに決める前は惑星をテーマにしたゲームアイデアを没にしてたこともあり「よく考えたら人間って超巨大な球の上に居るんだよな」
という発想になり、それなら超巨大な球体を回しても疑似無限スクロールが実現できるのではと気づいて今回の実装に至ってます。
海と陸は同じ速さで、雲はわざと遅くしつつさらに2つの速度の物を同時に回転させています。陸と雲の並びはランダムです。
こうすることで回転の仕方や風景が単調にならずにより立体感・疾走感・世界の広がりを表現することが出来たと思います。
現実の尺度を敢えて無視して風景を作りこむ考え方は2Dゲームにも通じるところがあり、昔のゲームの手法を上手くVRに取り込めたと思います。
突拍子もない閃きでしたが、個人的にはかなり気に入ってる手法です。


苦労したところとか

一言で言えば「ティンクルスタースプライツ」というゲームを舐めていた。に尽きると思います。
これを題材にすることに決めた時は、まさかあんなに複雑な仕様が絡み合ったゲームだとは全く思ってなかったため最初は射撃、撃ち返し周りを実装出来れば行けると高を括ってました。
調べていくにつれパーフェクトボーナスの仕様や敵の体力や爆発の仕様など、知れば知るほど「ティンクルスタースプライツ」というゲームが見た目からは想像もつかないぐらい細かく作りこまれてることを理解し、途中であきらめることも頭をよぎりましたが何とか最後までやり切ることが出来ました。
因みにボスアタックやフィーバー、ゲージを使ったチャージ攻撃などは最初から間に合わないと思ってたのでそもそも手を付けてすらいません。

最後に

細かな点で粗は多いですが素人が1か月でゼロから作ったにしては上出来すぎるゲームが出来たと思います。むしろ、なまじ良く作れてしまったせいで負荷対策が期限内に間に合わなかったことがかなり悔しいというのが今の感想です。
動くものをきっちり作れただけでも十分満足ですが、欲を言えば一人でも多くの方がこの作品を楽しんでもらえたらとても嬉しいです。

何もないゼロから「ティンクルスタースプライツ」のゲームシステムを作り上げた偉大な先人たち、同じく「出たな!ツインビー」や「スペースハリア―」を作り上げた先人たち、無茶としか思えないこの計画に即答で協力してくれた英さん、制作には直接かかわっていないものの細かな箇所で協力してくださったNeosの日本コミュニティの皆さんに感謝と敬意を表して文章の締めとしたいと思います。

2023/03 e1ght3


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