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より必要になる「生演奏」の力

「生演奏のすばらしさを届けよう!」をモットーに活動してきた太宰府市民吹奏楽団。これからの時代、それは単なるキャッチフレーズではなく、重要な意味を持つメッセージとなると思っています。

近年You Tubeなどの発達により、クラシックや吹奏楽もスマートフォンで聴く、という人は格段に増えました。自分たちの練習・本番以外で、生演奏はほとんど聴かない、という吹奏楽部員もたくさんいます。

自分はフリーランスとして仕事をしていますが、ここ数年、吹奏楽環境以外でも、コミュニケーションマナーですら「電話は面倒、メールも長文不可、できるだけSNSの短文で…」と、どんどんIT仕様になっていきました。

元々テレワーク的に孤独?にPCと向き合う毎日の自分にとって、団員の方々や中学生との生演奏、練習、本番でのたくさんの人とのコミュニケーションこそが、自分らしさ、心身の回復の大切な時間だったことを思い知らされます。

今回のコロナの影響で、ITコミュニケーションは劇的に進化するでしょう。しかし「アナログ中のアナログ」である楽器の生演奏のエネルギーは、その反作用として、今後、多くの人が求めるようになると確信しています。

人との密集、息を吐くという行為…。感染症対策が難しい吹奏楽という音楽形態が、今後、どうなるか誰にもわからない。もしかしたら演奏者も、お客様も、生演奏に触れる機会が減ってしまうかもしれません。

でも、だからこそ、コロナの収束の後、生み出す演奏の全ては貴重で、尊くて、そして必要なものとなり得ます。来るべき次の機会が素晴らしい音楽になるよう、私たちは準備したいと思っています。

次のステージに立った時、きっと泣いてしまうかもしれませんね(笑)

太宰府市民吹奏楽団 常任指揮者 飯田信也

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