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どうする?アフターコロナの吹奏楽【演奏会編】

緊急事態宣言も延長がほぼ決まり(20.5.1現在)活動のめどがとても立たない吹奏楽団。練習もそうですが、コンサートホール、演奏会場はいわゆる3密。そこで本番についての可能性を考えてみました。

客席の安全対策は?

根本的に演は、奏会場の客席の設計を変えるしかないと思います。自分たちでできることは、これまでより集客数を2分の1、3分の1に減らして、観客のソーシャルディスタンスをできる限りとる。後は宝塚歌劇などで行われた「マスク着用」「入場の際の体温チェック」「手の消毒」「休憩時間の換気」などが基準になるでしょう。

現実問題として、ワクチンや薬が担保されないと、ホール練習は解禁されても、満席前提でお客様を招く大規模コンサートは困難だと思います。客数を限定した保護者・関係者のみの演奏会から再開されるような気がします。

屋外コンサートの発展があるかも

日差しが強く多湿な日本は、楽器を大切にする?観点から屋外演奏があまりスタンダードではありません。演奏をマイクを通すのも好まず、騒音問題もあり、音漏れを気にする3密スタイルが基本です。

ですが、客席間隔の自由度、何より換気の問題を考えると、気候のよい時期に屋外でメインコンサート、というやり方が、吹く方も聴く方も安心なのは間違いありません。

音響はホール。よりも落ちますが、ベルリンフィルのヴァルトビューネのように、1年の集大成をピクニックコンサートで開催するというスタイルを、特に市民楽団は模索すべきだと思います。

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無観客動画配信コンサートは告知が課題

多くの楽団が取り組むであろう無観客コンサート。吹奏楽の場合、演奏会をDVDにするのは、コロナ以前から盛んだったので、コンサートを撮影し編集するノウハウは問題ないと思います。

ポイントは、配信だけの演奏会を今までのようにポスター告知するのは難しいということ。どう一般のお客様に周知するかが課題です。特に地域密着楽団は年配のお客様が多いので、SNS中心の告知ではただ配信するだけで、聴いてもらえない可能性がありますね。

【解決策】QRコードの普及を利用する

太宰府市民吹奏楽団の客層は60歳以上中心で、スマートフォンは持っていてもHPやツイッターをチェックしている人はまずいないでしょう。そこで使いたいのがQRコード。NHKで左上に延々と表示されていることもあり、認知度は格段に上がったと思います。これを利用して…

❶ QRコード付きの告知はがきを制作、これまでの常連さんに郵送。無観客コンサート特設サイトを作成し、届いた日から配信日まで楽しみに待ってもらう仕掛けをする。

❷ 市の広報に交渉して、配信日の告知とQRコードを回覧板や市報に掲載させてもらう。

❸ 名刺サイズのカード風チラシを大量に作って、人海戦術でポストに投函していく。クリスマスコンサートの場合は学校で子供に配ってもらう。

コンサートは生配信+客数限定のハイブリッド型に

編集された演奏会動画を後から見るのも悪くないですが、ライブの熱は演者とお客様が同じ時間を共有することで生まれます。生配信は難易度が高いですが、You Tubeの発展や、必要な機器やソフトの値段もかなり安くなってきました。現在でもコメントを書き込めたりと、なかなか楽しいですが、新しい生配信限定の仕掛けが、これからどんどん出てくるでしょう。

もしお客様のソーシャルディスタンスを確保できれば観客を入れてもよし、という基準になるとするならば、生配信と組み合わせて多くの人に吹奏楽の魅力を伝えることができるかもしれません。

吹奏楽を含むエンターテイメント業界が、満場の拍手をもらう状況になるのはまだ遠い先かもしれませんが、音楽はやはり人の聴いてもらって始めて成立するもの。その新しい方法論を今こそ模索すべき、と思っています。

太宰府市民吹奏楽団 常任指揮者 飯田 信也

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