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図書室の窓側


朝になって、雪がなくなっていた。

秋晴れ。

制服の上から薄手のコートを羽織る。

ん〜。なんか、違う気がする…。

なんだろう。去年は毎日着てたのに。

そんなに体系ってかわるかしら…。

他に、ちょうど良いコートも持っていないので

しょうがなく、羽織って家をでた。

起きると、ペペがいなかった。


ホームルームは、8時20分から。

あと、20分もあるのに学校へ着いてしまった。

雪解けで濡れたグラウンドで、朝練をしているサッカー部がいる。

ちょっと、このコートだけだと寒いなぁ…。

新しいコート買わないとな。


毎日読み続けている、冒険ものの小説がもう架橋を迎えている。

持ち歩くとカナリ重たいんだけど、気になって気になって学校の休み時間でも読んでしまう。

最近、コレに夢中すぎて他のことに集中力がまわらない。


1時間目、2時間目、3時間目…

いつも通りの生活が過ぎて行く。

昨日、私は男性にフラれた。

中学生の時、好きな人がいて付き合っていたけれど

なんだか、よくわからなかった。

中学生の時、唯一仲良しだった女の子と

この高校でも、いつも一緒にいる。

クラスは、隣。

「ユミーーーー。」

「オッサンーーーーー!!!」

オッサンっていうのはあだ名ね。

理由は、まぁ…しょうもないから省略。

オッサンは、オシャレで明るい女の子。

高校に入ってから少し、あか抜けた。

隣のクラスでは、きらきらした女の子の友達がたくさんいるのを

この前、目撃した。


「どうしたの?なんかあった?」

オッサンは、突然私を訪ねてくる事は少ない。

なにかあったんだろうと、私は思った。

すると、オッサンは手をぶんぶん振り回し

「なにかあったじゃないよ!!!!!!!!!!!!!」

結構、声がでている…!!!!!!

二人で目を合わせて、笑った。


「昨日、先輩に言うって言ってたじゃん!!」

「あーーーーー。」

なんか、もうこの話題話すのもめんどくさい。

そもそも、なんでこんなことになったのかも自分でわからなくって

なんて言えば、収まり良いだろうか。

私は、ダメだったの。と笑って答えた。

オッサンは、また大声で叫んだんだけど

オッサンのクラスのきらきら女子が廊下にでてきた。

「はるなちゃ〜ん。次、移動教室〜〜。」

「いまいく〜〜〜〜〜。」

またねと、口だけぱくぱくしてオッサンはきらきら女子の元へ走っていった。


お昼休み、私は必ず図書室のお気に入りの場所に行く。

そこで、朝つくったお弁当を食べながら外を眺める。

そのお気に入りの場所は

誰にもしられてない。私しか来れない。秘密の場所。

その秘密の場所に、読もうと思い溜めている本が5冊ほど置かれている。

冒険の本を、読み終えたら必ず読もうと決めている本がある。

表紙は、いろいろなコントラストのイラストがあって

どうやら、70年も前に発刊された本みたい。

今、読むとこの世界の人間には読み取れない

情報がちりばめられている。

個人的に、ネットで調べてはみるけど

見えないから。本当かはわからないし確かめようがない。


「ユミちゃん」

突然だったので、誰かに呼ばれて本を落としてしまった。

どこから誰が入ってきたのかしら…。


「ユミちゃん、いつもこんなところにいるんだね」

白い影は、帽子の下で不適な笑みを浮かべて私に近づいてきた。

いつもの先輩じゃない。

足が震える。なんだろう。昨日から、もうこの人に近づきたくない。

触れてはいけないものに触れたんだ。

私の未来はこの道じゃなかった。

何も変わりはしない。

こんなことでは。

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