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それでも大丈夫なんて開き直るのは大人になってからでいい

ブローチは、きれいに元通りになっていた。


中を明けてみると、たくさんの円が配列されており

それぞれが、宝石のようにきらきらと光っている。


「ねぇ、ぺぺ。ブローチのひとつの円が光らないの。ホントに直ったのかしら?」

「それは、つぎの色というしるし。取り戻すエネルギーの色だよ。」


私は、しらないことがもう少しでわかる興奮で高まっていた。

とにかく、はやくそのエネルギーを取り戻して

この目に、色をうつしてほしかった。

理由なんかどうでもいい。


ヤンキーにつれられて、あっちの校舎の屋上へ向かう。

私の校舎は、燃え広がりたくさんの消防車が火を消していた。

どんどん真っ黒になっていく。

こっちもあっちも大差ないわね。


「なんだか、物騒だなぁ。あちこちで火事が起きているっぽい。」

「そうなの?」

「LINEニュースで、めっちゃやってる。」


どうやら、全国各地で火事が多発しているようだった。


「ユミ。特技はなに?」

ぺぺが手をつきだして、のびながら言った。


私は、昔から絵を描くことがすきだった。

なにかをつくることが好きだ。

ポケットにはいった、手帳をだして広げて見せた。

いろいろなタッチの絵がそこには描かれていた。


「この絵には、色がない。まだ、ユミにも色がない。

まず相手を戦うときは、今の自分で勝負するんだ。」


今の自分


これからの自分に希望をもっているけれど

今の自分には、自信もなにもない

からっぽな状態だった。

私を救ってくれるのは、本と絵だけだった。

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