ドラマ

ドラマみたいだ

今日は台風凄かったなぁ。いつも台風ってのは、来るぞ来るぞの前振りが凄いだけで拍子抜けなパターンってのがお決まりな気がしていて。今回は台風の名前に恥じない立派な台風だった。交通機関を全てストップさせたし。ここまでは全てブラックジョーク。安全が第一。でもこんな日には大事な人と一緒にいたい、誰もが一度は抱く感情なのではないだろうか。

ドラマみたいな恋に入る前の話について

埼玉在住の22歳の私はエンジニアのような仕事上、地方に飛び回ったり、1泊2日の遠征などが多い。友達からは、会社のお金で色んなところ行けて羨ましいとか言われるが、慣れない場所で22歳の私にとって慣れない仕事をするのはストレスだ。

いつもいつも怒られてばかりのこの職場。動くチームも日によって流動的に変わるため、人間関係の構築も難しい。最近働いているチームでは、朝7時〜深夜1時まで現場で仕事で、深夜2時〜朝4時までデスク作業などザラだ。これが台風が来る昨日までは2週間以上絶え間なく続いていた。

辛い。しんどい。でも辞められる環境にもないし、逃げたくもない。そう思えば思うほどに身体と精神はどんどんと疲弊して行った。

そんな風に思っていた6月の初旬、私はある人と出会った。

そのドラマみたいな恋について

私は、金沢に出張で訪れた。金沢といえば海鮮が有名なイメージで、前乗りして美味しいものを沢山食べて、日本酒を沢山食べてやろうと意気込んでいた。あの日は天候も食べログのリサーチも完璧だった。

が、漆黒の会社に勤めている僕にそんな猶予もなく、気がつけば深夜0時になっていた。お目当ての料理屋は全て終わっており、泣く泣く近くの金沢名物と謳っていた太巻きを食べながらお店を探していた。

『ウチに入ってきなよ!』

同じ道をウロウロしていた僕を見透かした言葉をかけられた。彼女はどうやらこのお店で働いているらしい。髪が短く顔は少し幼いが、どこか気品溢れる大人な女性。そんな女性に誘われ、東京でいうHUBのようなバーで飲むことになった。

3軒目の彼女はすでにベロべロで呂律が回っていなかった。普段はこのお店で働いている彼女は 自分のことを語るのを拒み、僕の話ばかり引き出そうとした。僕は自分の悩んでいる事を誰かに言っても意味がないと悲観的になるタイプだから、何も隠さず言えた時この人はとても上手な人だなぁ 素敵な人だなと感じた。

夜中の3時ごろ、僕の仕事が明日も早いとの事で解散になった。僕は物寂しそうにその場を去ったが、彼女はまだまだ飲むぞーと意気込んでいた。別の友達にこの人は、明日仕事なんだってと説得されながらも、ああお仕事頑張ってくださいなとの一言を残して去って行った。角を曲がり、ホテルに入ろうとしたその時、このままではダメだと思い、後ろを振り返り 全力で彼女を探したが、そこに彼女はもう居なかった。初夏らしい生ぬるい風だけが残り、『まあ、そんなもんだよな』と悟りながら帰ったのも今だに覚えている。

次の日の事。僕は朝起きて思っているよりか彼女の事が好きなことに気がついた。あの時、連絡先を交換しなかったことを未だに後悔している、、そんな自分がいたことにまず驚きを覚えた。しかも金沢という少し遠くの街で。

僕はすぐメモに自分の思いの丈を募り、東京来た時は連絡してくださいと残して、LINEのIDと電話番号を書き記し、彼女が働いているバーのポストに投函した。バーのマスターからしたら えらく迷惑な話だとも考えたが、猪突猛進な気分な僕には関係ない。届け!の一点張りだった。

結果その想いは届いた。17時ごろに連絡が返って来て、なんとも面白い関係はスタートした。

よくよく聞いてみると、彼女にとって当時の事はあまり覚えてなく、すごく悩んでいてかつ少し小生意気な男だなと感じていたらしい。27歳のしっかり者の彼女からしたらそれはしょうがない評価だと思う。思うだけだけど。

その2週間後、東京にきた彼女と新宿で飲むことになった。彼女はやはり綺麗な方でよかったーーってなったのを未だに覚えている。彼女は僕と近い好きなジャンルの音楽を聞いており、知らずしても聞けば好きという曲が多かった。そんな彼女が新宿では少しずつ心を開いてくれている気がして嬉しかった。

その後、東京ディズニーシーなどにも行った。おもえばあの日は台風の予報だったのに、嘘みたいに晴れた。そして、夢の国でも飲酒を止めない彼女に、世紀の大酒豪味をかんじた。最後に初めて二人で撮った写真も逆光が凄くて、顔が全く見えないお蔵入り写真となった。(撮り直さないところがなんとも僕ららしい)

仕事が忙しい中、連絡も取り続けた。ラインというアプリは不思議で、金沢と埼玉の距離を微塵にも感じさせなかった。

二千文字以内で、納めたかったのと、文を綴ることに飽きてしまったので、この続きは来週。では。


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