見出し画像

作品内に無断転載通報用QRコードを埋め込む

無断転載はクリエイターの敵です。

一方で、クリエイターが無断転載と戦う方法はそれほど効率化されていないように思えます。
今回は、作品内に通報用QRコードを埋め込み、無断転載を発見しためっちゃ良い人に通知してもらう仕組みを考えてみました。
なんら訴訟における実績のない、アイデアに過ぎないものですが、クリエイターの皆様に叩き台として参考にしていただけると幸いです。


無断転載を通報するためのフォームを作る

Googleフォームにログインする

上のページの「フォームに移動」を選択します。
Googleアカウントでログインしていない場合、ログイン画面が出ますのでログインしてください。

Googleアカウントを持っていない場合、Googleアカウントを作成してください。アカウント一つでGメールやYoutubeチャンネル、15GBのクラウドストレージ、仕事で使えるさまざまなクラウドアプリ(Microsoft  Officeに似たソフト)が無料で使えます。最高です。

フォームのタイトルと説明を入力する


初期画面

2箇所に「無題のフォーム」と表示されていますが、どちらを変更してももう一方も自動で変更されます。
「無断転載を通報するフォーム」とでもしておきましょう。
「フォームの説明」の欄には「QRコードを読み取って無断転載を通報してね!」などと書いておくとわかりやすいと思います。

作品名を入力する欄を作る

初期画面

初期画面にはひとつだけパネルが用意されています。
「無題の質問」を「無断転載されていた作品名を選んでください」と変更しましょう。
「選択肢1」のところにQRコードを埋め込む予定の作品名を入力してください。
あるいは、入力モード時に右側に表示される四角いアイコン(上の画像で「無題の質問」の下に表示されているアイコンと同じです。)を選択することで、画像も挿入できます。
そうすれば無題のイラストでも対応できます。
フォームはあとからでも変更できるので、QRコードを埋め込む作品が増えるたびにここに作品名の選択肢を追加することができます。

下の「必須」の横の丸いアイコンを選択して、色付きの状態にします。

Q:どうして自由記入にしないのかね?
A:このフォームはあとでスプレッドシート(Excelに似たアプリです。)で管理するように設定します。
その際作品名が自由記入だと、通報してくださる方によっては表記ブレが起き、スプレッドシート上で並び替えるのが面倒なことになってしまう恐れがあります。
そのため、選択式にして管理しやすくするねらいがあります。

無断転載されていたページのURLを入力する欄を作る

パネル作成メニュー

次の質問をするために、新しくパネルを作ります。
画面のどこかに表示されている、上の画像の一番左の丸十字のアイコンを選択します。
新しく出現したパネルの「質問」を「無断転載されていたページのURLを入力してください」に変更します。
下の「ラジオボタン」と表示された枠を選択して、「記述式」を選択します。

下の「必須」の横の丸いアイコンを選択して、色付きの状態にします。

追加の欄を作る

通報してくださった方に感謝の意を示したい場合、限定公開イラストなどをプレゼントすると良いのではないかと思いつきました。
そこで、そのイラストを送るためのメールアドレスを入力してもらう欄を作ります。
ただしこれはやってもやらなくてもいい手順です。

先ほどと同様に新しいパネルを作り、「質問」を「メールアドレスを入力してください」に変更します。
「ラジオボタン」を「記述式」に変更します。
下の「必須」の横の横にある、縦に3つ並んだ点を選択して、「説明」を選択します。
すると「記述式」の下に「説明」の欄で現れるので、ここに「通報していただいたことに感謝の意を表したいので、限定公開イラストを贈ります。そのために送り先のメールアドレスを入力してください。」などと入力しましょう。

通報してくださった方の中には、メールが嫌なので𝕏のIDを書くなどする方がいるかもしれません。通報件数が少ないうちは対応できると思いますが、対応できないと思う場合は「メールアドレス以外は受け付けられません。ご了承ください。」など追記するのがよいでしょう。

このパネルは「必須」にはしません。メールアドレスを伝えたくない方もいるからです。「必須」の横のアイコンが無彩色になるようにしましょう。

Q:なぜメールアドレスなのかね?
A:スプレッドシート上からメールアドレスをまとめたCSVファイルを作成して、Googleコンタクトというサービスでメールグループを作成し、お礼と限定公開のメールをBCCで一斉送信することを目的としています。
最低限の手間で一斉送信できるのですが、やったことがない方、自信がない方はやっぱりこの項目をスキップしてもいいかもしれません。
やり方はそのうちnoteで書こうと思います。
メールアドレスは個人情報である場合もあるので、取り扱いには注意が必要です。
特にBCCで送るべきところをTOやCCで送ってしまうと、送り先同士でメールアドレスが確認できてしまい、悲惨な情報漏洩となってしまうので、気をつけなければいけません。

スプレッドシートに回答をリンクする

質問自体の作成は終わりました。
次はこのフォームの回答を管理するためのスプレッドシートを作ります。
ページの上部に「質問」「回答」「設定」と並んでいる部分があるので「回答」を選択します。
「0件の回答」の横に緑の十字のアイコンがあるので選択します。
「新しいスプレッドシートを作成」にチェックが入っていて、フォームのタイトルに(回答)が追加されて入力されていると思います。
そのまま右上にある「作成」を選択します。

これで管理用スプレッドシートの作成は終わりです。

フォームの短縮URLをコピーする

ページの一番上に「送信」ボタンあるいは紙飛行機のアイコンがあるので選択します。
「送信方法」の横に3つ並んでいるアイコンのうち、真ん中のUSB-typeC端子のようなアイコンを選択します。
「URLを短縮」にチェックを入れます。
右下の「コピー」を選択します。

QRコードを作成する

QRコード作成サイトに移動する

どこでもいいのですが、とりあえずGoogleで検索して一番上に出てきたこのサイトを利用します。

URLをQRコードに変換する

「データ入力」の「URL」の欄に先ほどコピーしたURLをペーストします。
ペーストできない場合はもう一度フォームのタブに戻ってコピーしなおしてみてください。
下の「作成する」ボタンを選択します。

QRコードの画像を保存する

下にQRコードが表示されます。
スマホ、タブレットなら長押し、パソコンなら右クリックで「画像を保存」を選択します。

作品内に埋め込む

画像編集ソフトでQRコードの画像を読み込む

お使いの画像編集ソフトを開き、先ほど保存したQRコードの画像を読み込みます。
clipstudioなら「ファイル」→「読み込み」→「フォトライブラリから読み込み」でQRコードの画像を選択します。
作品内の好きな位置に配置してください。
ただし、QRコードの外側の白い枠は読み取るのに必要なものなので、「輝度を透明度に変換」などはしません。
加工して馴染ませる場合も、ある程度白い幅を確保してください。
また、小さすぎると無断転載された際にJPEGノイズなどで読み取れなくなる恐れがあるので、ある程度の大きさは確保してください。
僕はこのようにしてみましたが、もっと小さくても大丈夫だとは思います。

ウンコブリブリ ブリザえもん

スマホならQRコードの上を長押しすることで、そのURLに直接跳ぶメニューが出ます。
数年前のようにわざわざQRコードリーダーを通したりしなくていいので便利になりました。

回答を確認する

Googleドライブ、GoogleスプレッドシートのどちらかをGoogle検索してログインすることで、タイトル(回答)のスプレッドシートファイルを見ることができます。
内容は質問と回答、回答された日時がセルごとに分かれて記録されていくので、通報されればされるほどファイルが大きくなっていきます。
必要に応じて作品名の列でソートなどすることもできます。
訴訟をしよっかな〜という際に役立てましょう。

このアイデアの意義

無断転載を通報したい、しかしどこに通報すればいいの?
そう思いながら善良な人々は生活しています。
DMCAによる削除申請などは著作権者本人か正式な代理人しかできませんし、かといって本人のSNSアカウントに直接リプライとかDMとかするのもちょっと躊躇われます。
そういう時、こういう手軽なフォームがあると気軽に通報できるような気がします。
少なくとも僕は気軽に通報してほしいなと思います。

作品内にQRコードを埋め込むことで、無断転載されていろいろな情報が抜け落ちている場合でも、無断転載ページにある情報だけで通報できます。
作者が誰かすら知っている必要がありません。
作品タイトルが隠されている場合も考えましたが、その場合通報用QRコードも当然隠されると思ったので、対策はしていません。
ただし、いざ裁判となった際、通報用QRコードを隠す行為は悪質性を高めるとして判断されるだろうな、と期待します。

出版社や販売プラットフォームによっては、WEBクローラというbotを用いて、無断転載を検知する取り組みを行っているところもあります。
しかしbotによるアクセスはさまざまな理由・方法で拒絶されてしまうことがあり、検知精度は完璧ではありません。
無断転載サイトにアクセスする人間に協力してもらうことで、botが検知できない無断転載にも対応できる可能性があります。

以上、作品内にQRコードを埋め込むアイデアとその解説でした。
長々とお読みいただきありがとうございました。

文責:DYR
2024/07/31 初稿公開


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?