漫画『そこにいるのか?(いてくれ)』のプロット

漫画『そこにいるのか?(いてくれ)』

登場人物

・ソウタ
高校生男子。ミユキの幼馴染で恋人。ミユキを交通事故で亡くし非常な悲しみに襲われる。

・ミユキ
高校生女子。ソウタの幼馴染で恋人。交通事故で死亡した数日後、事故の現場で目覚める。物語の語り手で視点。

・住職
明雲寺の住職。ソウタとミユキが明雲寺に訪れた際、彼らに直接教え導くことになる。


あらすじ

幼馴染だったソウタとミユキは、ついに恋人として付き合うことになった。しかしその後、ミユキは交通事故で死んでしまう。悲しみに暮れ、学校を休んでいたソウタだったが、その死の数日後、突然ミユキの存在を肌に感じとる。
ミユキは事故の数日後、その現場で目覚めていた。初めはわけが分からず混乱していたが、自分の家の状況や家族の態度などから、自分が事故で死んだことを悟り、悲しむ。ものに触れることはできないが、それゆえに壁をすり抜けられるため、恋人だったソウタの部屋に入ることができた。その時、ソウタが「そこにいるのか?」と呟く。
ミユキはソウタが自分の存在に気づいていると思い、必死でアピールするが、ソウタはミユキの言葉や動作には気がつかない。しかし、肌にゾワゾワくる感覚だけは鋭敏に感じ取っていた。
その日以降、ソウタはミユキがいるかいないかを肌で感じとれるようになっていた。しかし、コミュニケーションできないのでは意味がない。ソウタはミユキと意思疎通をするため、まずミユキがそこに確かに存在することを確かめようとする。写真やボイスレコーダーには何も反応しなかった。そこで、彼はマイクロコンピュータに各種のセンサーを接続し、自分の言葉に従ってもらうことで、センサーの信号としてミユキの存在を証明しようとした。ついに完成し実験するソウタ。センサーの出力が急に変動するとブザーが鳴るようになっている。まずソウタは、ミユキに机の上に置いた自分の手に触れるように言う。ミユキが従うと、ソウタの手には鳥肌が立つ。次に装置に触るように言われ、ミユキは装置に手を置くが、何も反応しない。パソコンの画面に表示されるログを見るソウタだが、その数値は平穏極まりなかった。「ダメか……」と呟くソウタ、ミユキは「なんでよ!!」と泣きながら装置を叩きつける。その時、ブザーが一瞬鳴った。驚くソウタ。ログを見ると、たしかにその瞬間、センサーの読み値が急激に変動していることがわかった。ソウタとミユキは喜び、もう一度、と同じことをする。ソウタの腕に鳥肌が立ち……しかし、ミユキがどんなに叫んでも、叩いても、ブザーは二度と鳴ることがなかった。
ソウタは複雑な気持ちだった。彼は理系で、幽霊など存在するはずがないと思っていた。しかし彼は現に、科学では説明できない感覚を体験していて、それは肌感として明らかにミユキが存在することを示すようなものだった。自分が納得できる方法でミユキの存在を確かめるために装置を作り、ブザーが鳴ったのは一度。ゼロや何度もではなく、たった一度鳴ったことが、彼の気分をモヤモヤさせていた。
誤差……。自分の感覚が誤差なのかもしれないと思い始めたソウタは、ミユキに「もしそこにいるなら、俺を抱きしめてくれないか」と言う。すると、ソウタの全身を寒気と鳥肌が襲う。ソウタは空中に腕を回すようにして目を閉じ、涙を流した。
それをミユキは見ていた。ソウタが空を抱くのを。ミユキは抱きしめてくれと言われて、しばらく恥ずかしがっていたのだ。ソウタの行動にショックを受け、慌ててその胸の中に飛び込むミユキ。腕をすり抜けて。
ソウタはその日以降、少しずつミユキの身体を求めるようになっていった。ある夜、ふっと目を覚ましたソウタは、ミユキが部屋にいるのを感じとる。時計は午前2時を示している。ソウタはミユキにベッドに寝てくれと頼んだ。ミユキはソウタの意図を察しており、ベッドに仰向けに寝る。生前、ミユキとソウタに体の関係はまだなかったが、2人とも「いずれその時」を待っていた。ソウタは寒気によってミユキがそこにいることを感じとると、ズボンを脱いで四つん這いになり、ゴソゴソし始めた。ミユキはソウタの身体をすり抜けつつ服を脱ぐと、その動きに体の位置を合わせる。
ティッシュで拭いて全てが終わったあと、ソウタは苦悶の表情で泣いていた。お互い初めての行為がこのような形で行われ終わったことに、ミユキも辛みを感じていた。
翌日、テレビで怪談番組をやっているのを見たソウタは、その中に登場した「寺生まれのTさん」という存在を知り、寺に興味を持ち始める。オカルティックなことには興味のなかった彼だが、現にこのような体験をして、一縷の望みを託したくなったのだ。ミユキにその話をして、彼らは寺に行くことにする。調べてみると割と近くに明雲寺という寺があったので、そこを訪ねてみることにした。

以降、解決パートのためここでは割愛。

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