見出し画像

初めての裁判: 未払い賃料請求事件 No.1

こんにちは。
私は大家をしておりますが、今回人生で初めて裁判を原告として経験しています。
この記事では、私自身の記録として、かつ、私と同様に裁判に係ることになった方の参考になればと思い、共有したいと思います。
なお、現在進行中のため具体的な詳細はお話できませんが、差しさわりのない概要レベルでお話したいと思います。

背景

戸建てを人に賃貸しておりますが、家賃の支払いを拒否されている状態が4か月近く続いたため、賃料請求のため訴えを提訴いたしました。
家賃不払いのきっかけは、建物に一部不具合があり、その修繕工事をしたことになります。
入居しながらの工事を考えていましたが、入居者様の要望があり、工事も早く完了したかったので賃借人が一時退避する要望を承諾しました。

さて、問題はここからですが、工事完了の目途などは事前に伝えていたにもかかわらず、工事が完了した後にこの戸建てに戻らず、家賃も支払わないと主張し始めました。
今回対象となる修繕箇所および内容については、現地で入居者様に立会いのもと確認いただき、その内容をきっちりと修繕したにも関わらずです。
いずれにしても、賃貸借契約の解約もせず、単に戻らない・家賃は払わないという状態が続き、話し合いにも全く応じる様子がないため、裁判にて決着をつけようと決めました。
なお、この入居者様は一時退避している滞在場所の住所も教えず所在が不明でした。
また、後日裁判提訴のため市役所に相談し、現住所を突き止めたところ、修繕工事中に住民票を近隣の市に移しており、修繕工事を始める前から完全に退去、戻るつもりはなかったものと思われます。

裁判を起こした理由

今回の件は単純な滞納のみではなく、きっかけになった建物の不具合があったため裁判をすることのメリット・デメリットを事前に検討しました。
まず、裁判は初めて、訴訟事はズブの素人なので、市役所や商工会議所が開催してくれる無料弁護士相談で弁護士さんに3回ほど相談いたしました。
その相談を通じて十分私の主張が通る可能性があると判断しました。

  • 賃貸借契約は有効であり、賃借人に家賃支払いの請求は妥当

  • 相手方が話し合いに応じないことに対し、裁判で強制的に話し合いの場をもつのはやり方として悪くない

なお、今回私が裁判を起こし、最終的に達成したいのは以下の事項です。

  • 賃借人には家賃支払い義務があることを確定する

  • 最終的には賃借人の正式な退去、明け渡しを求める

少額訴訟を選択した理由

今回の裁判は、最速で判決がでる可能性のある少額訴訟で訴えを起こすことにしました。
滞納額を確定することにより、実際の滞納額の回収、また、明け渡しも家賃保証会社が対応・担保してくれます。
ただし、保証会社は滞納開始から6か月以内の滞納の確定を求めています。
そのため、早急に判決までもっていく必要があり、少額訴訟で進めることにしました。
ただし、少額訴訟では相手方の申し立てにより通常訴訟に切り換わる可能性もあるので、必ずしも早く終わるわけではありません。
が、今回のケースは私の主張は強い根拠・証拠を提示できるので、十分可能性があると考えました。

訴状には、紛争の要点(請求の原因)を記載するのですが、ここにこちらの主張を記載します。
今回は少額訴訟であり、こちら側の主張はできるだけシンプル、不具合があったという点も省き、単に滞納家賃を支払えという内容になります。
この段階で訴状に建物不具合の件などを記載すると複雑になり、裁判官の判断で通常訴訟になる可能性もあります。
また、そもそもこちらの主張として家賃を支払えという点に絞り、建物不具合を盾にとる論点は賃借人側から言わせるとうことでいいと考えました。
この進め方については、無料弁護士相談での弁護士さんのアドバイスも参考にいたました。

訴状
私が準備した少額訴訟の訴状はこちらになります。

口頭弁論の日程決定!

少額訴訟は通常訴訟に比べて迅速に進められますが、それでもやはりいろいろと時間はかかります。
訴状を提出後、翌週に追加情報を求められ、その資料を即日提出したところ、2週間後に口頭弁論の日程調整の連絡が私にありました。
訴状を提出後の2か月弱ぐらいの日程です。

私には「そんなに時間がかかるの?」という印象でしたが、裁判所側ではこれでも早めにやってくれているのだと思います。
訴えを起こしたのは、かなり田舎の簡易裁判所なので裁判官さんもそれほど多忙ではない印象がありましたが、なにかと忙しいのでしょう。
ただし、今回は少額訴訟なので、一回の口頭弁論で即座に判決がでる可能性があり、2か月で結審であれば十分な速さです。

実際に裁判所よりいただいた期日呼出状が以下のものです。

口頭弁論の準備

少額訴訟では、一回の審理で結審が基本です。
その場で確認できる証拠、承認のみが採用されますので、期日までに十分準備しておく必要があります。
私は今回最重要の証拠、証人として、修繕業者に証人をお願いしました。
この方は、賃借人立会いでの修繕事項の確認にも同行していただき、実際に修繕をしていただいた業者の方になります。
この方の証言があれば、こちらの立場はかなり強固に主張できると考えます。
それ以外にも、これまでの賃借人とのやり取り、メールなどもありますので内容を十分に整理し、こちらの立場をしっかりと主張したいと思っています。
弁論期日まではまだ時間がありますが、弁護士の無料相談などを活用して抜かりなく準備する予定です。

本件は現在進行中になり、今後の展開については別の記事としてご報告したいと思います。
今回の少額訴訟を選択したことが結果としてよかったのかどうかもコメントできると思います。

最後に

この記事はお気に入りいただけましたでしょうか?
内容お役にたちましたらうれしく思います。
サポート、応援いただけましたら幸いです。


記事の内容を有効に活用できたなど、記事を気に入っていただけたようでしたらサポートしていただけますと嬉しいです。 また、こんなことを知りたい、あんなことができないかなど記事にしたいことがございましたら、サポートの有無にかかわらずお知らせくださいませ。