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クジラより大きな‘それ’と
日本に台風がきていたようだ。
きっとその所為。
今日はなんだか、私の鳩尾が重たい。
今はベランダ。
雨が上がって街が澄んでいる。
風は少し強めで灰色で
まだ台風の尾を引いている。
今の重たく
曇った夜空にピッタリな。
───
ヘッドフォンで世界から耳を自衛する。
まだ、好きにはなれない。
爆音でRADWIMPSの針と棘を。
空だけを見つめて世界から目を自衛する。
浮かび、流れる雲を眺め
あれを1つの大きな生命だと例える。
クジラなんて比じゃない。
数十のビルを一瞬で呑み込むほどの。
はじめまして。
目が合う。
その頃にはもう
私は立っているのがやっとだった。
小さな私を正面にして‘それ’は
灰色の風と共にこちらへ向かってくる。
少し、怖気付いた。
全身をブワッと駆けていったその怖さは
今の私には、不思議と心地が良かった。
───
ずっと、なんてわがままは言わない。
もし‘それ’が良ければ
あと少し、もう少しだけ
見つめ合っていてほしいと、私は思う。