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否定
『否定』
苦手だ。とても苦手。
自分の好きなものを、否定されるのは。
───
2、3回ある。
その度、笑ってその場をやり過ごした。
それでも、やはりダメージは大きい。
傷つき、そして痛みを忘れられなくなる。
そして、自信も無くす。
行き先、食事、物事の手段、予定...
提案したくても『否定』に怯んでしまう。
───
だが、行き先や食事などは、
相手のその時の気分がもちろん関係する。
否定されてもあまりダメージを負わない。
自分が苦手とするのは、
自分の感性を否定されることだ。
───
好みのピックの色、
ベースでカバーしている大好きな曲。
『普通』を好まない自分も自分で、
こういう点において、面倒だろうなと思う。
自分が好むものは、
万人に刺さらないものばかり。
それもそれで、気に入ってはいる。
サイケなものやメタリックなものが好き。
原色より間色が好き。
リングなども唯一無二なものが良い。
非常に面倒。
しかし、否定される筋合いは
これっぽっちも無いと思っている。
なのに、
上記のピックの色やベースカバーの曲は、
一度、否定されたことのあるもの。
自分と同じように楽器を弾く異性。
そして、その人と私の関係は恋人同士だ。
彼はベースではなくエレキギターを弾く。
───
ピックの色は、
「ええ...何か嫌だ、こんな銀のとか。」
カバーの選曲は、
「いや...これってさあ...(何か言うのを辞めた)。」
とても些細で、一瞬のこと。
きっと彼は、
本当にそう思っているだろうし、
言ってもこちらが傷つくとは思っていない。
カバーの選曲に対しては、
何を思って言うのを辞めたのか、
気持ちは分からないままではあるが。
しかし、こちらからしたら、
まぁ鮮明に覚えている。
本当に容赦ないトーンで、
心底嫌そうに否定する、その声と顔を。
そして思い出す。
ピックを持つ度、ベースカバーをする度、
否定されたあの瞬間の、
鳩尾辺りが抉られるような痛みを。
───
彼に二度も好きなものを否定され、
傷つき、心に決めたことがある。
彼の好きなものを、いや、
彼に限らず、相手の好きなものを、
よっぽどの事でない限り絶対に否定しないと。
痛みを知っているからこそ、
相手を思って発言できる。と思う。
また、彼の否定癖を
正そうとも思わない。
こういう所も彼の1つ。
自分なりに生きてくれればそれで良い。
こちらがあれこれとやかく言い、
矯正させるものではない。
ちなみに、嫌いになんかなっていない。
今後もロックを語れる良き相手で居てほしい。
───
しかし、
『否定』されるのは、
やはり心が痛む。