生協DX学習会レポートvol.2 ~多様性のあるチームで、永続的な組織を作る~(前編)
こんにちは!DX-CO・OP note担当のさきむらです。
このnoteではオムロン株式会社の竹林一さんを講師としてお招きした生協DX学習会の様子をお届けします!
生協DX学習会とは?
デジタルを活用した組合員の「あたらしいくらし」の実現を目指す「DX-CO・OPプロジェクト」では生協職員を対象に、月に1回オンライン勉強会「生協DX学習会」を行っています。
オンラインでの対話を通じて、生協の取り組みや社会のDXの状況を知り、生協の今後のDXをどのように推進していくかを学び・気づきを得られる場を目指した取り組みです。
今回は、オムロンの竹林一さんの「多様性のあるチームで、永続的な組織を作る」のプレゼンを振り返ります。
プレゼン「イノベーションをデザインする 多様性のある人材が、永続的に価値を提供する〜起承転結人材育成論〜」
● 既存のビジネスモデルの賞味期限は切れ始めている
DXで大事なことは「デジタル」ではなく、「トランスフォーメーション」です。従来のビジネスモデルは賞味期限が切れ始めています。それなのに10年前の古いビジネスにちょっと手を加えるだけで本質を見ようとしない。目の前のうどん(ビジネス)が古くなって、においがしてきているのに、カレーうどんにしてにおいをごまかすようなことがビジネスの現場で起きているのです。
部下 「何かこのうどん、においしてきましたね」
上司 「そうか? じゃあカレーうどんにしよ」
部下 (それ、カレーでにおい消しているだけや……)
上司たちは逃げ切れる世代ですが、今の若手が中心になったときに、そのうどんはもう腐ってしまっています。だからこそ、ビジネスをトランスフォーメーションしなくてはいけない。自分たちのうどんは自分たちで作らないと、腐ったもの食べてお腹を壊してしまうということです。
●従来の価値観に邪魔されずに新しいことを考える
「新しいものは関西から生まれてくる」とよく言われます。1970年の大阪万博でダイハツは電気自動車を発表していますし、回転寿司やビアガーデンなども関西から生まれました。
関西の人は、従来の価値観に邪魔されずに新しいことを考えるのが得意なのかもしれません。ビジネスや人を引き合わせるのが上手で、「視座・視点を変える」という特長もあるように思います。大きいもの(東京の大企業やGAFA)とまともに戦おうと思ってもなかなか勝てませんが、この見方を変えるという点に勝機があるのです。
さて、この「見方を変える」というのがどういうことなのか、考えていきたいと思います。
●駅は電車に乗るためのものではなく「街への入り口」
1967年にオムロンは自動改札機を作りました。ものすごく儲かっていました。それにもかかわらず、当時のカンパニー社長に呼び出されて「においがしてきたぞ。竹林、何か考えろ」と言われたのです。
そこでいろいろ新規案を持っていったのですが、「君が考えたのは全部葉っぱや、幹を考えてこい」と何度もダメ出しをくらいました。半年ほどもんもんと考え続けていたのですが、ある朝、新宿駅に降り立ったときにひらめいたんです。1日300万~400万の人が駅から街へ出て行く姿を見て「駅は電車に乗るためのものではなく、“街への入り口”なんじゃないか」と。これが「幹」だったのですね。
その幹に目を付けたら、葉っぱである具体案は次々出てきました。例えば駅前にあるコンビニのクーポンを送るとか、子どもが改札機を通ったら親にメールで知らせるとか。トランスフォーメーションとは、このようにまず「幹=軸」を決めてから枝葉を作っていくことなのです。
新しい価値を生み出しためには、バラエティに富んだ人材、「起承転結」型人材のすべてが必要になります。「起承転結」人材とは、人材を4つのタイプに分けるという見方です。
「起」は0から1を生み出せる人、「承」はその考え方を受けてストーリーを語れる人、「転」は分析して事業計画を立てられる人、「結」はそれをきっちりやり遂げられる人です。
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においがしてきたうどんをカレーうどんに……
なんとも分かりやすく、かつユーモア溢れる例えに多々共感しました!
関西人に負けずに、視座視点を変えて新しいものを生み出していきたいものです。(さきむらは生粋の関東生まれ関東育ち)
次回(後編)では、バランスよく「起承転結」人材を配置することの重要性について詳しく紹介します。お楽しみに!
【お知らせ】
この度12月24日クリスマスイブに竹林さんが本を出版されます!
気になる方はぜひお手に取ってみてください。
『たった一人からはじめるイノベーション入門』(日本実業出版社)