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協同組合の国際会議(ICA-AP)で語ったDX-CO・OPのこと


しばらく前の話になりますが、去る9月1日~5日に中国・昆明(クンミン)にて開催された、国際協同組合同盟アジア太平洋地域(International Corporative Alliance Asia and Pacific、以下ICA-AP)の関係のセミナーで、日本の生協のAI活用事例と今後の戦略に関する報告をしました。今回はその概要についての報告です。

<今回お伝えしたいこと(サマリー)>
・協同組合は世界でもつながっている
・組合員を中心に、は他国の協同組合でも共通の理念
・デジタル、AI活用はみんなの共通の関心ごと

国際協同組合同盟(ICA)、ICA-APって何?

そもそも、協同組合は人と人の結びつきによる非営利の協同組織で、生協も、数ある協同組合の一つです。
生協以外には、農協や漁協、森林組合、事業協同組合、労働者協同組合、
信用協同組合などがあります。 
 
日本をはじめ世界各国にさまざまな協同組合がありますが、どの協同組合も、

参加する組合員の願いを実現するために、人々が自発的に手を結んだ組織
です。
 
国際協同組合同盟(ICA=International Co-operative Alliance)は、1895年に設立され、後に国連に登録された世界最大のNGO(非政府組織)です。世界107カ国から生協、農協、漁協、森林組合、労働者協同組合、住宅協同組合、信用協同組合など、あらゆる分野の310以上の協同組合組織が加盟しています。(2023年4月現在)  


グローバルコープマーク

そして今回登壇したセミナーは、この国際協同組合連盟のアジア太平洋地域(Asia and Pacific)のMBO(マレーシア事務所)協議会と、ICA-AP貿易・ビジネス委員会の共催によるもので、日本の生協に依頼されたテーマは「協同組合運営強化のためのAIの活用」でした。
 
ということで、DX-CO・OPのリーダーであるすみたにさんが、昆明に飛びました✈。

DX-CO・OPが語るAI活用in English
報告をした取り組みは全部で3つ!
取り組みの概要については、以下、過去の記事をご参照ください。
 
その1:配達コース最適化
▼配達コース最適化▼

その2:カタログ利用者配付
▼カタログ利用者配付▼

その3:注文予測レコメンド
▼注文予測レコメンド▼

資料は、日本語で作ったものを、日本生協連の国際部(という部署があります!)メンバーが英訳。当日は、隣で通訳してもらいながらの報告となりました。実際の資料例をお見せします~。

配達コース最適化の英訳資料

質疑応答では、

Q:「組合員中心(カスタマーセントリック)は自分の協同組合でもまさに課題。レコメンドが組合員の役に立っているかはどのように確認しているのか?」
Q:「AI活用を進める上でのボトルネックは何か?」
Q:「AIにはリスクもあり、活用すべき領域、そうではない領域をどのように考えるか」

などの質問が寄せられました。

アジアの協同組合では、どんな取り組みがされている?
日本以外のアジア・太平洋地域の国からも報告がありました。
そのうちのいくつかを抜粋してご紹介します。
 
◆ダイアログ1:協同組合の成長のためのEC活用
・登壇者は、フィリピン、シンガポール、韓国でした。冒頭、モデレーターからECをめぐる情勢や課題について概観する報告がありました。
・「モバイルファースト」「顧客中心」「データ分析に基づく意思決定」などのキーワードが出ていました。
・世界的にはライブ&ソーシャルコマースの影響力が大きいということを認識しました。

◆ダイアログ2:協同組合貿易とビジネスにおけるビッグデータ
・登壇者は、マレーシア、ネパール、中国でした。
・モデレーターからの報告では、ビッグデータの活用領域として、マーケティング、市場機会の拡大、パーソナライズ、オペレーション改善などが挙げられました。

◆ダイアログ3:協同組合運営強化のためのAI活用
・日本生協連が報告したのはこのセッション。他の登壇者はシンガポールと中国でした。
・シンガポールのフェアプライス生協は、ダイアログ1のEC活用に続き、
チーフ・オムニチャネル・オフィサーの方が登壇しました。
・フェアプライス生協は「アジアで最も魅力的な小売業になる」というビジョンを掲げており、意欲的にチャレンジしている様子でした。AI活用領域として、レコメンド、チャットボット、コールログ、在庫、生産性向上などが挙げられていました。また、生成AIについては、活用領域として、コンプライアンス、セキュリティ、従業員管理、棚割り、出店計画、プロモーション、生産性向上が挙げられていました。

おわりに
世界には様々な協同組合があり、様々なお国事情の中でそれぞれの活動をしています。
今回は、DXやAIの説明以前に、日本の生協の状況、宅配事業の課題など、背景を丁寧に理解してもらえるように気をつかいました。
 
あらためて気づいたことは、「組合員中心」という理念は、国境を越え、多くの協同組合で共通しているものだということです。世界の協同組合の仲間から大いに刺激をもらった中国出張でした。
 
引き続き全国の生協の組合員さん、生協で働く人たちの日々のお役立ちに
なれるよう、DX-CO・OPの取り組みを続けていきます。