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「好き」の因数分解 スターバックス

*「好き」の因数分解、は最果タヒさんの詩集の名前です。とっても素敵なので気になった方は是非。
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784898155165

冒頭にも書いたんですが、今最果タヒさんの詩集、「好き」の因数分解を読んでいます。それが本当に良くて感化されて書いてみます。タヒさんをぱくって文体は敬語ではない形にします。


スターバックスがいつから好きなのかはもうよくわからない。というか好きなのかも正直わからない。ただ一つわかるのは、仕事の場所を限定されなくなった2019年10月以降、週500円ペースで課金していると思うので、そこから少なくとも12,000円くらいあの人魚さんに渡した事になる。
スターバックスには不機嫌な人は居ない。居なくないかも知れないが、日本社会と比較したらだいぶ少ない。この現象に一役買っているのは間違いなく値段だと思う、高い。スターバックスラテのトールで税抜340円。うまい棒が34本買える。ちなみになんでもうまい棒が何本買えるかで例えるのと、土地の広さを東京ドームの個数で数えるのは似てる。そもそもよくわからないし、わかったとしても大した意味はない。ただすごく多い、大きいようには聞こえる。
ミニマムで300円くらいは払わないといけないあの環境には、やっぱりそもそもお金に少し余裕のある人しか来ない。それは文字通り本人にお金の余裕があるのかも知れないし、家庭がお金の余裕があるパターンかも知れない。なんにせよ余裕があるのだ。ちなみに未だにスターバックスに居る高校生には、お前親の金でふざけんなよという気持ちを無にすることは出来ないが、最近はやっとまあそれも人それぞれかという気持ちからなんか楽しそうで良いなとシンプルに思えるくらいにはなってきた。
スターバックスが特に好きなのは夜だ。行ったことのある人はわかるかも知れないが、いろんな人が何かを頑張っている。仕事をしてたり、本を読んでたり、問題集を開いて勉強してたり。もちろん中には友達とおしゃべりを楽しんでいる人も居るのだが、たぶんスターバックスに限って言えば一人で何かをしている人が多いように思う。あの環境は最高に贅沢である。僕のようなノマドワーカーは除いて、だいたいの人が人生に付加価値を生むために何かに取り組んでいる。つまりやらなくても良いっちゃ良い事をやっている。なんとわがままな空間なんだろう。ちなみにこの「スターバックスは贅沢」というのは公演家の鴨頭さんのセリフで自分で気づいたものではない。それを聞いてからスターバックスに初めて行った時のみんなの贅沢っぷりには驚いた。
もう一つ好きな所をあげるとしたら、BGMの音がでかい。多分これは全店舗共通で音がでかい。なので周りの会話があまり気にならないし、当たり前だけど音楽がよく聞こえる。行きつけのスターバックスはよくJazzが流れていて、しかも大好きなchet bakerがよく流れている。ミュージックチャージを払っても良いくらい嬉しい。chet bakerの話をするとスターバックスがどっか行ってしまうので今はやめるが、そんな所も好きなところだ。あと店員さんの笑顔が素敵である。
スターバックスがすかした場所であるという人の気持ちは本当によくわかるし否定しない。お金がもったいないという気持ちも否定しない。でもきっと全国世界中のスターバックスでは今日も新たな発見や、未来を変えるかも知れない瞬間が溢れている。そう思うとなんだか妙に居心地がよくって、結局飲みきれないのにいつもトールサイズにしてしまう。






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