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オノマトペピアノ

モノにも魂が宿る。

持ち主がモノを大切にするほど、想いが強く宿るようになる。
私はモノに触れると、そのモノの想いを感じることができる不思議な力がある。

ピアノの調律師として働いている私は、この能力でピアノの感情を聞き、調律をしている。

調律を始まる前、ピアノに触れるとピアノの
「ドキドキ」「ワクワク」した感情が分かる。
調律の作業中、いい音が出ていないと「モヤモヤ」「イライラ」した感情を出している。

「ごめん、ごめん、これから直していくからちょっと待ってね」とピアノに声をかけて調律していく。
そこから上手く調律できると、「ルンルン」「うきうき」といった感情に変わっていく。

ピアノによって出している感情が違うので、個々の性格が感じられて面白い。
また持ち主が、普段どのようにピアノを弾いているのかや置かれている環境によって、ピアノの性格も変わってくるのである。

人間だけでなくモノも同様に、周りの環境や関わる人によってその後の生き方が決まるのである。


田原にか様の毎週ショートショートnoteに参加させて頂きました!

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