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具体と抽象

まずこの本、めちゃくちゃおすすめです。

こんなに一般の人にとって理解し難いことをこんなにわかりやすく書いている本はあまりないです。

稀に見る良書です。

今回は具体と抽象を学んでいただけたらと思います。


天才と凡人の違い

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まずこの図を見てください。

天才とは抽象度が高く、具体度が低い人間の事を言います。

凡人は抽象度が低く、具体度が高い人間の事です。

世間では一般的にわかりやすいという事が受け入れられます。

だからわかりやすい商品の方がわかりにくい商品よりも売れます。

したがって会社では、わかりやすいことをやっている人が必ず優勢になります。

選挙でもたいていわかりやすい人が勝ちます。

「わかりやすさ」の象徴が「具体性」です。

本でもテレビでも講演でもネットの記事でも「具体的でわかりやすい」表現が求められ、

「抽象的な表現」は多数の人間を相手にした場合には徹底的に嫌われます。

本書で表現したいのはその抽象概念そのものです。

この本を理解すると周囲の「具体レベルにのみ生きている人」とのコミュニケーションギャップに悩むことがなくなります。

抽象の世界というのは具体の世界と違って見えている人にしか見えません。

したがって「見えてしまった人」「まだ見えていない人」とまともにコミュニケーションするのは不可能なのです。

先ほどの図でいうと抽象度の低い凡人は小さいまるの範囲しか見えていません。

なので大きいまるが見えている抽象度の高い天才の範囲は絶対に見えないのです。

しかし天才の方は大きいまるから小さいまるまで全てが見えています。

なので天才は自らの抽象度を低いところまで下げて凡人とも話せるのです。

見えていない人からすると見えている人はわけのわからない事を言っている異星人にしか見えないのです。

僕はよくこんな目で人から見られるのでよくわかります笑


たとえ話で話す人は抽象度が高い

たとえ話で人にものごとを説明する人がいますよね?

あれは説明しようとしている対象を具体的につかんでもらうために、抽象レベルで同じ構造を持つ別の、かつ相手にとって身近な世界のモノに「翻訳」する作業と言えます。

たとえ話のうまいひととは

「具体→抽象→具体という往復運動による翻訳」

に長けている人の事を言います。

わかりやすいのが島田紳助さんです。

あの人は大衆の人にわかりやすく頭の中で翻訳をするスピードが飛びぬけて早いのです。

なのであそこまでポンポンと面白いことが言えるのです。


なぜあの人と話がかみ合わないのか?

「顧客のいう事を聞いていては良いものはできない」

「顧客の声が新製品開発のすべての出発点である」

このような議論は昔から行われている永遠の課題です。

実はこのような議論には往々にして重要な視点が抜けています。

それは「どのレベルでの話をしているのか」という視点が抜け落ちたままで進むため、永遠にかみ合わないことが多いのです。

リーダーの意見や伝統は簡単に変えることができないという考え方は哲学や基本方針のような抽象度の高いレベルのモノです。

一方でそれを具体的に実現させる手段は環境変化に応じて臨機応変に変える必要があるのは必然です。

「変えるべきこと」「かえざるべきこと」の線引きを抽象度におうじて切り分けることで論点が明確になります。

話がコロコロ変わると思われている人がいるとします。

実はその人の話がコロコロ変わっているのではなく話を聞いている側に問題がある場合が多いのです。

具体レベルでしか相手のいう事をとらえていないと少しでもいう事が変わっただけで「心変わり」と捉えてしまいます。

前日に「A社に行ってくれ」といった上司が翌日、

「やっぱりB社に行ってくれ」と急に言い出します。

具体レベルでしか発言をとらえていない部下だと、

「全くうちの上司はコロコロいう事が変わって困る」という反応になります。

しかし実際はその上司の方針が一貫していることによって起こっている可能性があります。

重要顧客のフォローが甘くなって満足度が下がっているのでその対策をしたいと常に対応を考えていたら、状況の変化によって対応策が変わるのは当然でしょう。


自分の哲学(考え方)はなぜ大事なのか

哲学は「統一性や方向性」が定まっているという概念です。

これらを自分の中に持っていると、無駄がなくなります。

哲学がなく個別に判断して行動していると場当たり的になって昨日の行為と明日の行為とで整合性がとれなくなり場合によっては後戻り作業や二重作業が大量に発生してしまうことになります。

具体の世界だけで生きていると一つ一つの事象に振り回されてしまいます。

あの人がこういったからとかお客様からこんなクレームがあったとか個別に対応するしかなくきりがありません。

哲学があればそれらの事象をすべて抽象度の高い判断基準に合わせて処理できるので抽象度の高いブレがなくなります


物事を抽象化できる人は説明がうまい

抽象化して話せる人は「要するになんなのか?」をまとめて話すことが出来ます。

すこしたとえ話の項目と被りますが、

例えば物事を

・30秒で話す

・3分で話す

・30分で話す

という風にどのレベルでの話でも説明できます。

膨大な文字数のネット記事があるとしてそれを

・Twitterで140文字以内で説明する

・ブログで1000文字以内で説明する

・講演で10分間話し続けることが出来る

のです。


まとめ

僕はこの本を読んだときにこんな世界があるのか・・・と絶句しました。

そして知らず知らずのうちにこのような思考をしている事もあったので、この概念は絶対に必要なことだと思いました。

人生を変えるのは抽象度を高めていく以外に方法はありません。

人生が変わった人達も最初は抽象度が低かったのです。

みなさんも具体と抽象をよんでまずはこのような概念があるという抽象度を高めていく事をおススメします。




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