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【米国株OP】サクソバンク証券の年間取引報告書と確定申告について

先物オプション取引をやっていると避けられないのが確定申告です。今回初めてサクソバンク証券を利用しての確定申告となりますが、これが日系証券会社と違って色々と面倒なんです💦

今回は自分の為の備忘録もかねて、サクソバンク証券の年間取引報告書と確定申告について纏めてみました。

私はサクソバンク証券では、米国株オプション(一般口座)しか実施しておりませんので、他のトレードは今回の記事の対象外です。詳細は、サクソバンク証券が発行している「確定申告の手引き」を参照ください。

年間取引報告書の内容

財務諸表(損益報告書)

当初は、サクソバンク証券のHPを確認すると、Saxo TraderGO内の財務諸表(損益報告書)を利用して確定申告をしてくださいとのことでした。

この財務諸表(損益報告書)が曲者でしてw、データを確認すると、未決済の建玉が収益として含まれているのです。

私の例で言いますと、AMDのLEAPSダイアゴナル・スプレッドで、LEAPSのロングアームを年末に買った(約80万円)のですが、これが決済してないにも関わらず、財務諸表(損益報告書)にマイナスとして含まれているので、昨年度は損失として計上されてます。

日経225先物OPでも確定申告をしてきておりますが、あくまでも確定利益に対して確定申告をしていたので、これにはちょっと驚きました💦

年間取引報告書

その後、今年に入って、サクソバンク証券から「2月中旬を目途に、年間取引報告書を報告します」との連絡があり、今週、漸くデータを確認することができました。当然、上記の財務諸表(損益報告書)の不具合が改善され、確定利益分として作成されていることを期待して…

指定されたURLからエクセルでダウンロードが可能のようです。エクセルを確認すると、ちゃんと、年間取引報告書のような様式で作成されており、「オプション」と「株」にシートを分けて作成されております。

なるほど、オプションは雑所得、株は譲渡所得による申請だもんな、ここを区別してくれているのであれば、信頼はできそうだな…と思って詳細を確認してみると…

おい!まだ、AMDがマイナスとして計上されとるやないか~い!!赤ワインが入った大きなワイングラスをカチンとぶつけたい気分ですww ※上図の赤文字の部分です。

Twitterなどで情報を確認したり、フォロワーさんからの教えていただいた情報によると、ここはやはり、確定利益のみに変更して申告が必要なようです。まあ、エクセルで作られているので作成は楽なのですが…

ただ、すでに確認していた財務諸表(損益報告書)とちょっと数字が合わない部分があったので詳細を確認しました。すると、現状、サクソバンクの年間取引報告書は下記のようなスタンスで作成されているようです。

①オプションは未決済建玉も表示。
②株については決済のものだけ表示。
③オプションの権利行使により株を売買した場合、その際に受け取ったプレミアムはオプションではなく株の利益として計上。
④③において、株が未決済(現在保有中)の場合は、そのオプション利益はオプションにも株にも表示されていない。
⑤現物株の配当所得については記載なし。
⑥キャリングコストは含まれていない。

④については、例えば、Doximity(DOCS)をターバイによって株を取得しておりますが、この株は現在保有中です。ターバイによって現物株をアサインされた際に、プレミアムも利益として受け取っているのですが、そのプレミアムは年間取引報告書に記載がありません。おそらく、今後、現物株を決済した際(来年以降)に、株の利益と一緒に掲載されるものと思います。

あと、サクソバンクはOPを持つと金利のようなコスト(キャリングコスト)が発生するのですが、これが諸経費に含まれておりません。額としては大きくないのですが、これも経費として計算する必要があります。あと、もし、有料情報DATAを購読しておりましたらその分の経費計上もお忘れなく!

しかし、中途半端な年間取引報告書ですね(^^;

権利行使により株の売買をした場合のプレミアム利益

日本の(金融庁の登録を受けた)証券会社で米国株オプションが可能なのはサクソバンク証券(IB証券は海外の証券会社であるので確定申告の方法が異なるようです)だけであるので、その確定申告の方法については、ネット上にも情報が多くありません。

情報をまとめると、オプションで得た利益は雑所得、株の利益は譲渡所得として申請すればよいという見解も散見されます。ただ、今回のサクソバンク証券の年間取引報告書では、上記③のとおり、一部のプレミアムの利益は株の利益として、譲渡所得として申告するようになってます。

まあ、正直、申告分離課税で税率が同じであれば、どこで申告してもいいか!なんて考えてしまいがちですが、twitterのフォロワーさんからは、損益通算できたり、できなかったりするので注意が必要だと。

その後、税関係に詳しいtwitterのフォロワーさんから、以下のような法律があると教えていただきました。

37の11-10 金融商品取引法第28条第8項第3号ハに掲げる取引による権利の行使又は義務の履行により取得した上場株式等の取得価額は、次の区分ごとにそれぞれに掲げるところによる。(平27課資3-4、課個2-19、課法10-5、課審7-13追加)
(1)いわゆるコールオプションの買方が当該オプションの権利の行使により取得をした場合当該オプションの権利の行使により支出した金額及び一連の取引に関連して支出した委託手数料(当該委託手数料に係る消費税及び地方消費税を含む。)の合計額に支払オプション料を加算した金額
(2)いわゆるプットオプションの売方が当該オプションの義務の履行により取得をした場合当該オプションの義務の履行により支出した金額及び一連の取引に関連して支出した委託手数料(当該委託手数料に係る消費税及び地方消費税を含む。)の合計額から受取オプション料を控除した金額

金融商品取引法第28条第8項第3号ハに掲げる取引による権利の行使又は義務の履行により取得した上場株式等の取得価額

やはり、これについては、サクソバンク証券の年間取引報告書のとおり株の譲渡所得として計上するのが正解のようです。

確定申告の方針

以上の結果より、米国株オプションの確定申告は下記のとおり実施したいと思います。

オプションプレミアムの利益

オプションプレミアムは確定利益分のみを雑所得として申告。ただし、権利行使を受けたものに関しては株の利益として譲渡所得として申告。

よって、サクソバンク証券が発行した年間取引報告書から、未決済建玉のセルを削除して、その金額にて申告する。

株式の利益

株式の利益は、株の売却益にその際に取得したオプションプレミアムを加えたもので譲渡所得として申告。

現在、サクソバンク証券が発行した年間取引報告書をそのまま利用して申告をする。

株式の配当利益

米国株オプションの場合、現物株を保有するケースがありますので、当然、配当を受けるケースがあります。実際、エクソンモービルで配当を取得しました。

ただ、サクソバンク証券の年間取引報告書には、配当利益に関する記載がありません。これについては、サクソバンク証券が発行する「確定申告の手引き」の9ページに詳細の記載があります。

平たく言うと…

Saxo TraderGOのサイトから配当履歴を確認できますが、これは米国の税金(10%)が控除されたものですと。国内で確定申告するなら、この控除後の所得に課税されます。外国所得税控除制度もあるので、米国の税金は控除できるかも。

ってことらしいですが、もう、金額もわずかですし、外国所得税控除制度とか面倒なので、そのまま配当所得として申告しますww

~追記~

配当所得の申告方法と外国所得時控除制度の申告方法について、別noteに記載しました。

最後に

今回は、あまり情報が少ないサクソバンク証券の米国株オプションの確定申告ついて記載しましたが、私は税金関係の知識に明るいわけでなく、むしろ素人です。

くれぐれもこちらの内容を鵜呑みにすることなく、税理士さんにご確認の上、申告をお願いします。

ありがとうございました!