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LEAPSロング・プットはヘッジになるか!?

みなさん、こんにちは!いつも、こちらのnoteをご覧いただきましてありがとうございます。

昨年弱かった米国市場ですが、過去の例で考えると、今年は飛躍となる年(のはず!)。ただ、先日発表されたPCEは予想を超える悪化となり、年内に折り込まれていた金利の値下げも、今年の値下げはなくなるような予想もでてきて、2024年も不穏な年となりそうな予感です。

私も今後の上昇を予想して、2025年12月満期のSPYをLEAPSロング・コールしました。このSPYに関しては、2025年末までに上昇してくれればいいわけですが、その間の株価下落は資産減に大きく寄与してしまうので、ヘッジの必要性を感じております。

LEAPSロング・コールには、コール売りを合わせて、ダイアゴナル・スプレッド、ブルコール・スプレッドに組み替えることにより、ある程度ヘッジは可能ですが、やはり、その効果は限定的(コール売りのプレミアム)になります。

そこで、プット買いという選択肢がでてくるのですが、期近満期のプット買いは「掛け捨て保険」のようなものなので、コストもばかになりません。そこで、今回はLEAPSプットを買うことがヘッジとしてどの程度効果があるかをバックテストして検証してみたいと思います。

なぜ「LEAPS?」と思われかもしれませんが、LEAPSはタイムディケイによる減価が少なく、また、期先のベガは数値が大きいので、ボラが吹いたとき(つまり下落したとき)に、プレミアムの上昇が見込めます。この点でヘッジに向いているかなと思いました。(ただ、その反面、ガンマは小さいので、原資産の変動による影響は少ないという特徴もある。)

1)検証データ

検証はS&P500に連動してSPYを利用することにしました。下記チャートはSPYの週足チャートになります。

【SPY】週足チャート

SPYは2021年12月31日の終値(赤〇)で474.96ドルと高値を付けて、翌年下落へと転じております。その後、2022年3月8日、2022年6月17日、2022年10月12日と下値を更新(青〇)しております。

10か月間で▲25%の下落は確かにつらい展開ですね。100株所有していた場合の損失は▲11,840ドル(約150万円)とかなり大きな損失となります。

SPYの収益と下落率

2)権利行使価格の検討

2021年12月31日時点において、2年後満期(2023年12月)、3年後満期(2024年12月)のLEAPSプットを購入した場合、どの程度のコストが必要になるでしょうか?

下表をご覧ください。こちらは、権利行使価格ごとのプレミアムを纏めたものです。2年後満期、3年後満期の場合の10~50%OTMの権利行使価格を選択してみました。

プットを買うことにより、最大損失を固定することが可能であり、その価格も記載しております。例えば、2年後満期(2023年12月)の425P(10%OTM)のプレミアムは36.63ドルであり、その場合の最大損失は▲8,659に固定することが可能です。

3)検証結果

それでは、株価の下落でそれぞれのプットがどのようなヘッジの働きをしたか確認してみましょう。

まずは、2年後満期(2023年12月)の場合です。下表は、12/31時点のそれぞれのプレミアムが、3回の暴落でどれだけ下落をヘッジできているかを纏めたものになります。

2年後満期(2023年12月)の場合

425Pは3/8にはITMになっております。株価の損失▲5,871ドルに対して、425Pを購入することで▲4,191ドルに軽減されておりますので、約28%の損失軽減効果が得られております。

240Pは10/12の時点で、株価の損失▲11,840ドルに対して、損失が▲11,730ドルであるので110ドルしか損失が削減されておりませんので、やはり、ヘッジとしての効果が限定的ですよね。

ちなみに、下表は3年後満期(2024年12月)の場合になります。

3年後満期(2024年12月)の場合

2年後満期と3年後満期のプレミアムを比較すると、いずれの権利行使価格も30%程度高くなっておりますが、損失は数%程度しか低減されておりませんので、3年後までの長期のものは購入する必要もないかもしれませんね。

4)まとめ(所管)

今回のケースを確認した個人的な感想は下記です。

  • FOTMはコストは安いがヘッジとしての効果は限定的(ほぼない)。

  • 2年満期と3年満期のオプションでは、プレミアムの増加に対する下落のヘッジ効果は限定的。

  • 権利行使価格の選択は、個人が許容可能な最大損失より選択した方がよい。

  • そして、選択した権利行使価格のプレミアムが高額な場合、今後、そのコストを回収するような取引をすれば効果的?

例えば、今回は損失の最大許容範囲を10,000ドルと考えて、2年後満期の425Pを36.63ドルで買ったとします。満期まで2年ありますので、1か月あたりのコストは1.53ドル/月となります。1.53ドルを毎月回収することってそんなに難しくないかなと。

回収方法としては、まずはコール売りを入れて、ブルコール・スプレッドにすることで、コール売りのプレミアムを獲得します。このコール売りのプレミアムの範囲でプットを買えばコスト0でプットを買えます。(カラー取引ですね。)

もし、プットのプレミアムが高く、コール売りのプレミアムで賄えない場合は、2年間の間で、例えばプット売りをしてコツコツプレミアムを稼ぐという方法も考えられるかなと。

あと、今回は100株の現物株を購入した場合について検討をしましたが、私が現在やっているようなLEAPSロング・コールの場合は、現物株100株より少ない資金で取引が可能ですので、今回ご紹介した例より、かなりヘッジ効果が大きくすることが可能です。(ほぼ、損失は半分程度となります。)

今回は、LEAPSロング・プットでのヘッジ効果をバックテストで確認してみました。頭で考えるより、実際のデータで確認した方が、わかりやすい部分ありますよね。今回の検討してなければ、たぶん、FOTMのプット買ってヘッジ効果もなくゴミにしてたと思うw

本日も最後まで御覧いただきましてありがとうございました。次回の記事も御覧いただければ幸いでございます!

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