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クレジット・スプレッドの最適スプレッドは?

みなさん、こんにちは!いつも、こちらのnoteをご覧いただきましてありがとうございます。

皆さん、クレジット・スプレッドを組んだことがございますでしょうか?クレジット・スプレッドと言えば、ブルプット、ベアコールが有名ですよね。オプションのネイキッド売りよりは利益が少なくなりますが、損失を限定することができる人気の戦略になります。

今回は、クレジット・スプレッドの最適スプレッド(間隔)について検討をしてみましたので、ご報告させていただきます。

クレジット・スプレッドとは

クレジット・スプレッドとは、一般的には、オプションの売りとオプションの買いを組みあわた場合に、最初にプレミアムを受け取りになるスプレッドのことを言います。反対に、最初にプレミアムを支払うことになる場合はデビット・スプレッドと呼びます。

下図は、プットオプションを利用したクレジット・スプレッド(ブルプット・スプレッド)の損益図になります。ATMに近い権利行使価格(100P)を売り、さらにOTMの権利行使価格(70P)を買うことにより、事前に20ドルのプレミアムの受け取りになります。

最大利益は、最初に受け取ったプレミアムの額となります。最大損失は、権利行使価格のスプレッド(幅)に受け取ったプレミアムを引いた額になります。今回の場合は、スプレッドは30ドル(100P-70P)であり、受け取ったプレミアムが20ドルであるので、最大損失は10ドルとなります。

クレジット・スプレッド最適スプレッドは?

クレジット・スプレッドの最大利益は受け取りのプレミアム額であるので、これを大きくするためには、オプションの売りと買いの幅(スプレッド)を大きくとる必要があります。もちろん、そのトレードオフとして、スプレッドが大きくなる場合は、最大損失も大きくなるわけです。それでは、クレジット・スプレッドの幅はどのくらいにするのがベストでしょうか?

下図は、S&P500に連動したETFであるSPYのコールオプションの権利行使価格とプレミアム価格を記載したものになります。この時のSPYの株価は390ドルであり、それぞれ2%OTM以降のプレミアム価格になります。

こちらのプレミアムを基に、権利行使価格の差が10ドルの場合、と5ドルの場合のコールオプションのクレジット・スプレッドの最大利益と最大損失を纏めてみたところ、下記の表のとおりとなりました。

例えば、398C(ショート)と408C(ロング)のクレジット・スプレッドを組んだ場合、最大利益は受け取りのプレミアムである2.83(3.70-0.87)ドルとなり、また、最大損失は7.17(10-2.83)ドルとなります。

ちなみに、スプレッドを5ドルとした場合(398C/403C)、最大利益は1.77ドルと減りますが、最大損失は3.24ドルと低く抑えることができております。

クレジット・スプレッド毎の損失に対する利益の割合(利益/損失)も計算してみました。398C/408Cのクレジット・スプレッドでは、利益/損失が39.5%となります。損失に対する利益ですので、数値が高い方がより効率の良い投資ができていることになります。

こちらの表を確認すると、下記のことがわかります。

  • 権利行使価格がATMから離れると利益/損失の数値が悪化する。(プレミアムが高い方が改善)

  • スプレッドの幅を狭くした方が、利益/損失の数値が改善する。(スプレッドの幅が狭ければ狭いほど良い。

スプレッドの幅については、398C/408Cのクレジット・スプレッド(10ドル幅)は、398C/403C(5ドル幅:①)と403C/408C(5ドル幅:②)の合計したものであることは表を見ても確認できます。

つまり、398C/408C(10ドル幅)でクレジット・スプレッドを組むのであれば、①を2枚持った方が当然、利益/損失は大ききなりますので(なぜなら、②は①より利益/損失が悪いので、①と②より②×2の方が利益/損失が良くなる)、クレジット・スプレッドの幅は狭い方がよいというわけです。

ちなみに、twitterでクレジット・スプレッドの権利行使価格の幅についてアンケートを取ってみたところ以下のとおりとなりました。

アンケートにご協力いただいた皆さん、ありがとうございました。投票数すくなくて申し訳ないのですが、皆さん、幅は少ない方がよいと認識されているようです。

ただ!クレジット・スプレッドの幅は狭ければ狭い方が理論上は!良いのですが、当然、実際には手数料を考慮しなければなりません。特に、サクソバンク証券の場合、1lotで3ドル、エントリーと決済で6ドル必要となります。クレジット・スプレッドは、オプションの売りと買いが必要ですので、12ドルは必要となります。(満期で権利消滅となる場合は6ドルでOK)

ですので、あまりプレミアムが低い(FOTM)ところでは、10ドル幅ではなく、5ドル幅を2枚!と購入すると手数料の方が高くなる可能性があるので注意が必要です。

まとめ

今回はクレジット・スプレッドの権利行使価格のスプレッドについて検証をしてみました。よくよく考えてみれば当たり前のことではありますが、実際にクレジット・スプレッドの利益/損失を比較すると考えもスッキリすることができたのではないかと思います。

本日も最後まで御覧いただきましてありがとうございました。次回の記事も御覧いただければ幸いでございます!

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