2024年4月10日(水)

午前中、動けない。でも洗濯はできた。

大学でESを書く。もう全然そのへんの記憶がない。とりあえずESを書こうとしていたことだけ覚えているし、実際ちょっとは書いた。なぜあんなに早く時間が過ぎたのかわからない。

なぜかと言えばそれは夜に『オッペンハイマー』を観たからで、『オッペンハイマー』はいい映画だった。伝記映画のフリをした心理サスペンス。オッペンハイマーの本心はなんなのか、そういうサスペンス。そうやってオッペンハイマーを、アメリカを、核を、ボコボコに批判する。伝記映画でそんなことできるのか、と思うが、できちゃう。時間軸のシャッフル、ストローズとの対立構造、故意に伏せられた情報、というテクニカルな要素によって。

大雑把なことを言えば、カラーのパート「核分裂」は主人公オッペンハイマーの主観に張り付いたパートで、モノクロのパート「核融合」はストローズの主観に張り付いたパート、だと思う。

大きな謎は、プリンストン高等研究院でオッペンハイマーとアインシュタインが何を話したか、ということ。この謎の解決をラストに配置して、オッペンハイマーの半生、原爆を作るという「プロジェクトX」的なドラマ、からの苦悩、そしてストローズの罠、というドラマ的にとてもワクワクする/してしまう展開を経るからこそ、オッペンハイマーの苦悩や反省を観客は受け入れてしまいそうになる、が、それをひっくり返す「謎の解決」。それはオッペンハイマーの何もわかってなさ、傲慢さ、愚かさ…を描いている。最後まで、救いのない映画。

なんというか、上手い、としか言いようがない。

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