日記(2023/1/10)絶対の「美」、エヴェレスト

映画『神々の山嶺』(原題:LE SOMMET DES DIEUX)を見ました。


作・夢枕獏×画・谷口ジローの名作漫画がフランスでアニメ映画化されてアマプラに来たわけです。
90分で綺麗にまとめられていて、原作ファンも納得の良い映像化だと思いました(原作はもっと長い、というか要素が多いんですがしっかり取捨選択がされていてよかったです)。
これをきっかけに原作漫画の読者も増えるといいなぁ。


映画を観てあらためて思ったのは、エヴェレストの言葉を失う圧倒的な美しさ。
登山やクライミングに縁がない私のような人間でさえふっと魅入られてしまう、そんな唯一無二の佇まいをしている。
作中の登場人物たちのように、多くの人々がその絶対の「美」に取り憑かれて登り、死んでいったのでしょう。

「美を見つめることはすなわち“死の凝視”だ」

とはルキノ・ヴィスコンティの有名な言葉ですが、エヴェレストの何者にも媚びない峻厳な姿を見ると、絶対の「美」とは「死」の匂いを纏うものなのではないかと実感を伴って理解させられる気がします。

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