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夏しぐれ

平山弓枝さんの訃報。私はほとんど平山さんの作品を読んだことがありません。原作のドラマも。このあたりは向田邦子さんも同じ。アンソロジーなどで読んだことはある作家さん、気にはなっていても数が多い、シリーズが多い……と何から手をつけて読んだらいいのだ?と尻込みしてしまう(⁠;⁠ŏ⁠﹏⁠ŏ⁠)

『夏しぐれ』という時代小説アンソロジーの最初が平岩弓枝さんの『二十六夜待の殺人』でした。私には「待」が「侍」に見え、荒野の素浪人26人が深夜に大立ち回りをするのかと⁠(⁠ ⁠・⁠ ⁠ᗜ⁠ ⁠・⁠ ⁠)⁠

「二十六夜待」は旧暦の1月と7月の26日に行われる夜月待ちの行事のこと。夜半すぎに出る月はその光が三つに分かれ、阿弥陀・観音・勢至(せいし)の三尊の姿が見え、その月は見るものに幸せをもたらすとか。江戸時代には広く二十六夜待が行われ、海を臨む高台で月の出を待って徹夜したそうです。

二十六夜だけでなく月待塔って全国にあるみたいですね。今みたいにネオンがギラギラ、街灯もピカピカの時代ではないので「月の光」は太陽以上に尊くありがたいものだったのでしょう。浮世絵にもこの行事をテーマにした作品があったし、山梨には「二十六夜山」も。


今年の二十六夜は9月10日だそうです。覚えていられるか?!(笑)

時代小説アンソロジーは他に春・秋・冬と四季が揃っています。