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野球の日〜『虎がにじんだ夕暮れ』

【オールスターセリーグまるで猛虎会】

という川柳が8月1日の読売新聞(地域版)新聞に載っていました。野球にそれほど関心のない私はン?と思い、検索してメンバーを確認しました〜うん、確かに!😆

阪神というと小さい頃にベタッ!と阪神マークのシールを金庫に貼りつけて、父親に怒られたことがあります。「虎の子」だから悪くなかったのでは?と今では思うのですが😄

そしてやはり『虎がにじんだ夕暮れ』(山田隆道)を思い出します。

1985年、伝説のバックスクリーン3連発!! 
舞台は大阪府吹田市。阪神が21年ぶりの優勝をした年から物語は始まります。
小学校5年生の「僕」と61歳の「じいちゃん」は「猛虎打線」でこのまま黄金時代到来やで🎉oと思っていたのに、おいおい……「タイガース命」の“じいちゃんと僕”の熱狂的な応援も虚しく、翌年以降チームは低迷。じいちゃんの夢は阪神の胴上げをその目で見ることなのに。酒とタバコが手放せないじいちゃんの身体がまだなんとか元気なうちに頼むで!!

ひとつ上の姉の名前は江夏豊と村山実から夏実、「僕」は掛布雅之から雅之とじいちゃんがつけました。飼っている犬猫は田淵と江夏。野球大好きなのは僕ひとりで、じいちゃんの連れ合い(ばぁちゃん)は巨人ファンという家族構成になっています。

じいちゃんは受験生の僕に「学校なんかさぽってまえ。東京行くぞ」と誘ったりする。なんとかお金を調達してふたりして神宮球場へ。
負け試合を見たままでは帰れない!と泊まる場所を探すけれど、財布と相談すると場所はラブホテル……もう最初からコテコテの関西人のじいちゃん🤣 そして阪神LOVE・猛虎powerがハンパないのですが、糖尿病が悪化してボケも始まって……その様子を読むのがツラいし哀しい。

野球を知らなくてもバースや岡田など聞いたことのある名前が…「野村監督がサッチー騒動で辞任」とか「いたわ~中村監督!!」みたいな懐かしさが(読んだのはもうかなり前ですが、その時点でも)ありました。
小・中・高・プーな時代を終えて就職してひとり暮らしをして、阪神淡路大震災も体験していて。実家を離れている間にじいちゃんの症状が進んでしまい……🥲

『人間は後悔するもの。後悔しない人生なんか存在しない。もしあったとしても、それは自分で無理矢理正当化しているだけだ。』

戦争も体験した破天荒なじいちゃんの言葉に励まされました。

じいちゃんと僕の18年間の記録でもあるし、家族の物語でもあるし、雅之くんの恋バナでもあるし、阪神タイガースとファンの歴史でもある、読みやすくて、文章もおもしろい小説でした。 

「じいちゃんのためにも日本一になってくれよ!!」とタイガースファンでなくても思ってしまう一冊🤭🤭🤭 

私が読んだのは幻冬舎文庫なので表紙は違うのですが、コチラは試し読みが出来るので🥸

8月9日中に投稿出来なかった〜残念💦