大人から子供たちへ原爆の恐ろしさと平和の大切さを伝えるために

今年、広島市教育委員会の作成している「ひろしま平和ノート」※1から「はだしのゲン」が削除されました。そして、それに関して削除反対、削除賛成の議論が巻き起こりました。
ここでは、賛成反対の議論はしません。
しかし、私が気づいたことは2つあります。1つ目は、新しく教材に選ばれた「いわたくんちのおばあちゃん」が素晴らしい教材であること。2つ目は「はだしのゲン」は原爆の恐ろしさと平和の大切さを伝える素晴らしい作品であり、しかしながらそれに劣らない素晴らしい作品が数多く存在していることです。
「はだしのゲン」の素晴らしさについては、ここでは述べませんが、ぜひとも後世に受け継がれていくべき名作だと思います。しかし、後世に受け継がれるべき作品はまだあります。大人から子供へ、原爆の恐ろしさと平和の大切さを伝えるのに、このような作品を大人から子供に知ってもらうためと考えて、今回筆を取りました。
今回は、そのような作品を紹介したく思います。
今回紹介する作品はすべて広島市の図書館にあります。興味をもたれたら、ご購入までいかなくとも、図書館で一読していただきたく思います。もし感銘を受けられたならば、ご自身のお子様や親類のお子様にご一読を勧められると非常に幸いに思います。

1)いわたくんちのおばあちゃん(作:天野夏美)
 【概要】いわたくんちのおばあちゃんは写真に決して映ろうとしません。そこには原爆で家族を失った悲しい過去がありました。
 【感想】原爆の悲惨さが決して暴力的な表現ではなく、わかりやすい優しい言葉で述べられています。それゆえに原爆の悲惨さが切実に伝わります。

2)ひろしまのエノキ(作:長崎源之助)
【概要】基町にあった被爆樹木の話です。(今は枯れてしまいました)
原爆樹木のエノキを子どもたちが守る話です。
「原爆は罪のないエノキまで見苦しい姿にした。
 今日まで本当によく生きてきた。
 生命の力強さと尊さを知った。
 かわいそうなエノキ。
 基町に住む私たちは、この木を守っていく義務がある。
 基町小学校児童会」
【感想】被爆樹木を懸命に守ろうとした子どもたちに感銘を受けました。

3)ヒロシマのピアノ(作:指田和子)
【概要】被爆ピアノの生い立ちの話。
「多くの人に、聞いてもらいたい。傷ついたピアノをみて、さわって、原爆の恐ろしさや、平和の意味を考えてほしい」
【感想】音楽が好きな私としては、ピアノが一人称で語ってる姿が感銘を受けました。

※1 ひろしま平和ノート…広島市教委が市立の全小中高校に行っている独自の平和教育プログラムで使用する教材。広島市公文書館で閲覧可能。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?