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就労支援をするうえで一番意識していること「自己改善能力」

いつも大変お世話になっております。
ダンベル深谷でございます。
今回は標題のとおり今まで携わっている就労支援において最も大切にしている「自己改善能力」について記載します。

就労支援において最も大切なことは何だと思いますか?と質問すると

「傾聴力」「利用者さんに寄り添って支援すること」

と答える人は多いと思います。
事実、私も就労移行支援事業所CONNECTの面接でそのように答え、求職者からの応募書類にもそのように書かれていることが多いです。

たしかにどちらも支援するうえで大事なことではありますが、傾聴や寄り添いだけでは就労支援はできないと考えます。なぜなら、就労支援に来る利用者さんは就職するにおいてなんらかの課題を抱えており、課題を解決しなければ一般就労には移行できないからです。病気や障がいがあっても1人で就職できるのであれば、わざわざ時間を使って就労支援の事業所に通いません。だからこそ、その方が抱えている課題を解決することが支援者の重要な役割になります。

ただし、課題の解決の前に、そもそも課題を見つけて分析をせずして課題の解決はできません。そのため、まずは論理的にその方の抱えている課題を見つけ、分析を行います。そして次にその課題を解決する方法を見つけ出していくというステップです。以上のように、論理的思考を用いて課題の分析と解決を行うことが支援者に大切な能力になってきます。

おそらく、ここまでできれば世間から求められている就労支援の役割は十分に果たすことはできると考えます。それは就労支援の報酬体系に、6か月以上職場に定着できた利用者さんの人数・割合が大きく関係していることからも明白です。施設内の訓練や作業にて課題を探し、解決方法をどんどん提示していけば、利用者さんはめきめきと就労に必要な能力を身につけていきます。その結果、就職活動でも内定を得られるはずです。そして、就職後も半年間の職場定着支援で、利用者さんに問題が起きてもおおよそはフォローできるはずです。

しかし、これだけにとどまらず、さらに利用者さんの今後の人生についてまで考えたときに必要になるのが、タイトルの「自己改善能力」です。私たちの支援が終了しても、利用者さんの仕事や生活は続いていきます。そして、仕事を続けていると大なり小なり課題や問題が発生してくるようになります。また、この課題を基本的には1人で解決していくことになります。

ここで、「自己改善能力」が問われます。仮に施設内で支援者が手取り足取り課題とその解決方法を提示してきたとします。たぶん、利用者さん訓練や作業もスムーズに進み、手厚く支援してくれるので満足してくれると思います。つまり短期的な視点で見たら一番喜んでいただける支援が、手取り足取り問題を解決していく支援です。しかし、定着支援後を見据えた長期的な視点ではベストな支援でない可能性が高いことは先ほど述べたとおりです。利用者さんは自分で考えて改善する習慣がないので、困ってしまう可能性が出てきます。

では、「自己改善能力」はどのようにして身につけていただければいいのでしょうか?

答えは辛抱強く見守ることと、一緒に考えるという姿勢でいることと私は考えます。まず、大前提として支援者は利用者さんの課題に対して、自分のなかで解決策はしっかりと持っておくべきです。しかし、この解決策を敢えてすぐに提示しない姿勢で臨んでいきます。利用者さんからアドバイスを求められても、一旦は自分で考えていただきます。まずは自分なりになんでもいいので、改善方法を考えていただきます。次に、新しい視点として「考え方」の提示をします。こんな考え方もありますが、なには付随していい案とかないですかね?といった感じです。そして、一緒に考えたうえで次回はどのように改善していくか結論を出します。そうすることで、利用者さんも自分で考えた方法なので、次は試してみたいという意欲も湧き、主体的に作業に取り組みます。その結果、考える→改善する→結果が出るというサイクルが生まれ始めるはずです。

このようにしていると自ずと時間も掛かりますが、少しずつ自己改善能力が身についていき、いつの間にか利用者さんの背中が頼もしくなってきます。

一般就労はゴールではなく、ただの通過点であることが共通認識となるような支援の輪をどんどん広げていきたいと思います。ただ、口で言うのは簡単ですが、まだまだすべての利用者さんに就労が通過点と思ってもらえるほどの支援力はありません。自身も自らの課題の振り返りを都度行い、成長していきたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました!

【メモ】支援のフロー
寄り添う心→信頼関係の構築→問題の分析→問題の解決→自己改善能力の向上

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