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【パイオニア】ラクドスミッドレンジ完全ガイド

■はじめに

1月より、チャンピオンズカップシーズン3の店舗予選がスタートしました。フォーマットは再びのパイオニアということで、昨年11月に続いて取り組む必要が出てきました。幸いにして私は初戦で店舗予選を通過することが出来たので、ここで整理を兼ねて筆を執った次第です。
当面は台風の目となることが予想されるデッキのため、予選に参加される方は勿論、パイオニアに興味がある方は是非お目通し頂けると幸いです。

パイオニアの実績としては、シーズン1でエリア予選を突破し、ファイナルに参加。瀬畑さんとの対戦の後、無事2連敗してプロツアーを逃しました。

なお、当記事の構成は晴れる屋HPにて掲載されております、増田 勝仁さんの記事に則ったものになります。彼の記事はどれも面白く、非常に実践的なので是非そちらもご覧ください。

(2.1 追記 アブザンパルヘリオンのサイドボーディング、質問箱の回答を追加しました。)

■ラクドスミッドレンジとは?

その名の通り、赤黒カラーの優秀なカードを集めた中速デッキです。最強のハンデス《思考囲い》、環境屈指の除去《致命的な一押し》、そしてスタンダードでも猛威を振るう《黙示録、シェオルドレッド》を筆頭に、非常に質の高いカードが揃っております。ハイスペックのオールラウンダー、要するにマリオです。

盤面で勝負をするフェアデッキに強い傾向があり、似通った性質のカードで構成されるため安定感があるのも魅力です。その一方、中速のビートダウンということでコンボデッキに弱く、《創案の火》デッキのようにスケールの大きな相手にも不利がつく傾向があります。

■サンプルリスト

環境の王

此方は私が昨年のBIG Pioneer Festival 2022で使用したリスト(6-2、15位)になります。特徴としては《ヴェールのリリアナ》をサイドボード1枚に抑えていることと、メインから2枚採用した《勢団の銀行破り》でしょうか。ミラーマッチを強く意識した75枚です。

■採用カード : メインボード

令和を代表する2マナクリーチャーです。3点クロック、潤滑油としての《血トークン》生成、おまけと呼ぶには強力すぎる除去能力と、非の打ち所がありません。《キキジキの鏡像》との相性も良く、文句なしの4枚投入です。

兄弟戦争で登場した新戦力。緑単の《老樹林のトロール》や《茨の騎兵》の誘発を防げること、アブザンパルヘリオンの《未練残り》を防げることが主なメリットです。《ゲトの裏切り者、カリタス》の枠を完全に《黙示録、シェオルドレッド》に譲ることが可能となり、間接的にデッキパワーの底上げに繋がりました。

《ヴェールのリリアナ》を取っていないこと、2マナ任意ハンデスが環境に対して間に合っていないことから、見た目程の強さはありません。消耗戦に強いようで青白コントロールには《魂の仕切り》や《冥土灯りの行進》、同型には《墓地の侵入者》で容易に対処されてしまいます。帰ってきたらラッキー程度に考えておくのが良いでしょう。《鏡割りの寓話》で捨てるときが一番強いです。

1枚で2マナ、3マナと序盤のアクションを埋めてくれる優秀なカード。何故インスタントなのか?何故2点飛ぶのか?何故4/3なのか?
あまりに強力なため、クリーチャー面からプレイすると損した気分になります。対緑単など、2マナ2点の価値が薄いマッチではサイドアウトします。

墓地対策はイゼットフェニックスやアブザンパルヘリオンに、ドレイン能力はアグロデッキに有用です。既に3/3ながら夜になると4/4へサイズが上がり、青白コントロールにカウンターを構え続けることを許しません。更には護法によるディスカード能力を持ちながら、シングルシンボル。テレフォンショッピングの司会が好きそうなスペックです。クリーチャーで止めましょう。

パイオニア環境最強のクリーチャーです。出た瞬間に余命のカウントダウンが始まり、手札かデッキの上に除去が無ければ忽ちに負けてしまいます。《鏡割りの寓話》や《血トークン》でドローが重なるため、登場後にライフを押し切ることはほぼ不可能。不利なマッチは大体彼女が何とかしてくれます。私は失敗しない。

パイオニア環境最強のハンデスです。他と比べても明らかに頭2つ抜き出た強さを誇ります。ゲームプランの確立を容易にし、コンボやコントロールへの勝率を担保してくれる存在です。有難く4枚使いましょう。

パイオニア環境最強の除去です。除去の強さは、偏に「テンポを得すること」にあります。例えば相手の《黙示録、シェオルドレッド》を《喉首狙い》で除去したとします。この時相手は4マナを消費したのに対し、自分は2マナしか使っていません。浮いた2マナで《税血の収獲者》を展開すれば盤面は有利になりますし、《踏みつけ》で除去を重ねるのも良いでしょう。
さて《致命的な一押し》は2マナクリーチャーを除去すれば1マナ分得しますし、条件次第では3マナ分の差を得られます。そして条件となる紛争を、このデッキは容易に達成することが可能です。単純に相手の除去に合わせるも良し、《血トークン》や《宝物トークン》を起動するも良し。《鏡割りの寓話》、《ゴブリントークン》がアタック、ブロック指定前に生成した《宝物トークン》から《致命的な一押し》という流れは頻発します。是非覚えておきましょう。

ぼちぼちの除去です。最近の同型はメインに《勢団の銀行破り》や《領事の旗艦、スカイソブリン》が搭載されていることも多く、個人的に1枚は触れるカードを取っておきたいです。《鏡割りの寓話》でデッキを掘れるため、回答が0と1とでは大きな差があります。《パワー・ワード・キル》との選択枠です。

ぼちぼちの除去その2です。他の除去と異なり範囲に条件が無いため、使いどころは慎重に行きましょう。この選択を誤ると相手のクリーチャーを超えられず、ライフを詰め切れなくなります。《ドミナリアの英雄、テフェリー》、《黙示録、シェオルドレッド》の処理が一番の役割です。

パイオニア環境最強のエンチャントにして、最強のカードです。そう、実はこのデッキはパイオニア各分野のオールスターです。このカードの強さは語るまでも無いでしょう。全能力が優秀なのは勿論ですが、特にこのデッキを支えているのは第II章のルーティング。パイオニアはアーキタイプの幅が広く、例えばアゾリウスコントロールには除去が不要だし、コンボ相手には《墓地の侵入者》のように遅いクロックは必要ありません。これを有効牌に変換出来る能力が、ミッドレンジデッキとしての強さを一段階上に押し上げています。今のパイオニアで最も禁止に近いカードの1枚です。

同型を強く意識した選択です。ミッドレンジの対決で3枚のカード差は、凡そ勝利と言って差し支えありません。そして同型は比較的ゲームの長い消耗戦になりやすく、引いてしまえば大きく勝利に近づけるカードです。スタンダードとは異なり《致命的な一押し》に当たるため、カウンターが乗っている状態で搭乗することは稀です。一方で軽いアクションを刻みやすく、ドロー能力は若干起動しやすくなっています。あらゆる意味で《黙示録、シェオルドレッド》が天敵になります。

消耗戦で非常に強力で、同型やアゾリウスコントロールに是が非でも引きたいカードです。特に後者は《廃墟の地》で土地にも触れてくるため、1枚では不足です。《血トークン》、《鏡割りの寓話》用に残すのか、《ロークスワイン城》のライフ損失を抑えるのか、中盤以降の土地セットは慎重に行いましょう。《黙示録、シェオルドレッド》がいるとライフが増えます。

■採用カード : サイドボード

対青白コントロールを筆頭に、スペル主体のデッキやコンボデッキ相手に入れます。黒いクリーチャーデッキでは長く標準搭載されており、特段語ることはありません。邪魔なカウンターや除去、コンボパーツを抜いてクロックを刻んでいきましょう。

対スピリット、白単、天使、アブザンパルヘリオンに。これらのデッキは何れも五分前後の相性のため、お守りといったところでしょうか。任意枠。

追加のアーティファクト破壊枠です。同型に加え、グルールやアブザンパルヘリオンなど環境には一定数の機体が存在します。メイン1枚、サイド2枚が適正といった感覚です。最低限の除去としても機能するため、《コラガンの命令》と散らすのが私の好みです。

《精神腐敗》におまけがつくと強いという好例です。アブザンパルヘリオン、イゼットフェニックス、青白コントロールなど墓地をリソースとするデッキにサイドインします。同型で加える人もいますが、クリーチャー展開とマナ域が被るため私は入れません。墓地利用の流行り具合によって0~3枚に調整しましょう。

3マナと重いため、除去というよりはアーティファクト破壊兼リソースカードという側面が強いです。《削剥》と比べ同型や青白コントロールに強いですが、アグロデッキに遅く範囲がやや狭いのが難点です。任意枠。

対緑単のサイドプランとして現在主流になっているカードです。相手クリーチャーが全て奇数のため、此方の《墓地の侵入者》と《砕骨の巨人》を抜いてしまい、偶数のクリーチャーで殴り切る形ですね。天使やグルールといった横並びするデッキも意外とマナの偶奇が偏っており、見た目以上に強力な1枚です。緑単を意識するならば3枚欲しいです。

同型最終兵器。スタンダード同様、1枚で戦況を変える力を持つ一方で、横並びされた時には威力が半減してしまいます。しかしこのデッキは豊富な除去に加え、クリーチャーすら除去を兼ねているものが複数あります。また、緑単相手には盤面で1:3交換を取れるカードとなります。PWは長く機能すると敗北必至のため、《戦慄掘り》の追加となる4枚目の除去としても決して悪いカードではありません。環境トップ2デッキに有効ということで、1-2枚は取って良いカードと言えるでしょう。

殴れる墓地対策。アブザンパルヘリオンに割られたり、イゼットフェニックスの《パズルの欠片》に追いつけないのはご愛敬。それでも他の置物と比べると圧倒的に強いです。0-2枚を推奨です。

ラクドスミッドレンジの弱点として、インスタント除去の範囲が狭いことが挙げられます。そこを突いた1枚で、除去とクロックを兼ねる非常に強力なカードです。一度攻撃が通れば勝ちといって過言ではありません。《パワー・ワード・キル》が採用されているのは、偏にこれと《黙示録、シェオルドレッド》の対策です。メインボードへの採用も要検討です。

■不採用カード

強力なカードであることは間違いないのですが、《黙示録、シェオルドレッド》、《恋煩いの野獣》を処理できないのは大きな減点要素です。能力こそ全く異なりますが、対同型の枠は今回《勢団の銀行破り》に譲りました。もう1点挙げるなら、個人的には今は《領事の旗艦、スカイソブリン》の方が強力だと考えます。4点と5点の差が大きい一方で3点との差が小さいこと、打点が高いことに加え、やはり毎ターン攻撃できるメリットが大きいです。

《黙示録、シェオルドレッド》や機体を処理出来るインスタント除去は一定の需要があります。前者は《致命的な一押し》で触れることが少なくなく、搭乗前の《勢団の銀行破り》も処理できることから《削剥》を優先しました。除去が欲しいはずの天使相手に腐るのも難点です。とはいえ《削剥》も所詮は3点火力と決して範囲が広い訳ではありません。好みで選びましょう。

前述の通り、インスタントタイミングで除去したいクリーチャーの筆頭は、《エシカの戦車》や《領事の旗艦、スカイソブリン》といった機体です。裏目が余りに大きく、積極的に使いたいカードではありません。

《ドミナリアの英雄、テフェリー》、《世界を揺るがす者、ニッサ》をタイミング良く触れるのは大きなメリットですが、1マナの重さが致命的です。4t目は2マナ+2マナの2アクションを取りたい場面も少なくなく、素直に《戦慄掘り》を使うことをお勧めします。

3マナという軽さは魅力的ですが、《絶滅の契機》より効果的な相手はエルフやスピリットとかなり限られます。緑単やグルール、天使にも強くないため、枠を割く価値があるかは懐疑的です。

過去の記事でも書きましたが、このカードが強力なマッチは限られます。緑単にも別のゲームプランを用意出来たため、明確に有効な相手が青白コントロールに限られることとなりました。更には《魂の仕切り》の登場から信頼性も落ちていること、同型の《勢団の銀行破り》が一般化したこともこのカードの評価を落としています。限定的な場面では非常に強力なので、サイドボードに1枚のみの採用としています。

前述の通り現在の緑単は《絶滅の契機》が主な勝ち筋です。このクリーチャーは3マナ。つまりそういうことです。

主なターゲットは環境に殆どいないラクドスサクリファイス。他の1マナのカードを採用するデッキは、全てアグロかクロックパーミッションです。3マナを払って盤面の一部に触っている場合ではありません。

《大いなる創造主、カーン》専用カード。有用ですが、あまりに限定的なため採用しておりません。彼に親を殺された方は是非に。

ロータスコンボに勝ちたいなら2枚取りましょう。いないと信じるなら枠を削りましょう。その場合は《未認可霊柩車》、《真っ白》あたりと交換になります。《真っ白》はロータスにも最低限有用なので、効果が劇的でない代わりに範囲が広いといった立ち位置です。

●《黒割れの崖》について

次セット、ファイレクシア:完全なる統一で追加されるファストランド。正直なところラクドスミッドレンジで使われるかはやや懐疑的です。入れ替えるなら《硫黄泉》でしょうか。初動の色マナがタイトな一方で4マナ、5マナ目も要求するデッキなので、中盤以降でのタップインが致命的になる場面はままあります。既に《バグベアの居住地》、《目玉の暴君の住処》と4枚がタップインのため、これ以上に増えるリスクと《硫黄泉》からの1-2点、どちらを優先するか、といったところでしょうか。個人の感覚としては後者を選択しそうです。

■プレイ指針

本家の記事ではここから濃密なコンボガイドが始まるのですが、生憎と此方はミッドレンジデッキ。ふわっととした解説になるのでご了承ください。

ゲームプランは至って単純。優秀なクリーチャーを除去でバックアップし、相手のライフを詰めていきましょう。彼らのスペックはパイオニア環境でも最上級クラスで、1:1交換を繰り返していけば自然と有利になっていきます。2t目《税血の収獲者》、3t目《鏡割りの寓話》という動きは現スタンダードでもおなじみですね。また《勢団の銀行破り》、あるいは複数枚の《鏡割りの寓話》を引いたならアドバンテージの勝負に持ち込むことも可能です。全体のカードパワーが高く、2-3枚の組み合わせでゲームプランを作れるのがこのデッキの長所です。

ライフが残り数点であれば《踏みつけ》、《墓地の侵入者》、そして《黙示録、シェオルドレッド》で直接狙うことも可能です。回復手段が無い相手には、盤面を捨ててでも取りに行く場合があります。

● 3マナ域の展開について

基本的な優先順位は《鏡割りの寓話》>《砕骨の巨人》>《墓地の侵入者》>>>《砕骨の巨人(踏みつけプレイ前)》です。《ゴブリントークン》が生み出す《宝物》は展開したい序盤ほど価値が高く、またサイズが小さいため遅くなるほど殴りにくくなります。積極的にプレッシャーをかけたいデッキなので、クロックや除去を探せる第II章も4-5t目に挟みたいですね。《キキジキの鏡像》もまず除去されるものの、もし回答が無ければ勝利です。要は一番初めにプレイしましょう。
《墓地の侵入者》は墓地に追放したいカードがある場合、ライフレースがタイトなゲームになる場合、そして相手の手札に除去があって展開力を削ぎたい場合に優先度が上がります。《思考囲い》がこのあたりの判断を容易にしてくれます。単純なクロックの交換であれば《砕骨の巨人》からでOKです。

●《鏡割りの寓話》について

広く周知されていますが、《キキジキの鏡像》は2体並ぶとマナの限り自身のコピーを生成することが可能です。また、終了ステップ中にコピーを生成することで、オリジナルを除去されても延々とコピーを生存させることも可能です。

相手の手札に除去が無いなら、アップキープ中にコピーを2体生成しましょう。終了ステップ中にコピーを対象に起動すれば更なる除去を要求出来る、つまり《キキジキの鏡像》あるいはコピーの生存が確定します。後はコピー連打で打点を作るなり、後から展開した《税血の収獲者》を増やすなりやりたい放題です。
逆に相手に除去があるなら、無理に起動する必要はありません。相手の除去に対応すれば良いだけです。次ターンに召喚酔いが解けるのを待ちましょう。

●《思考囲い》について

基本的には初手にあれば1t目にプレイします。ハンデスの常としてこのカードには"旬"があり、それは対《創案の火》なら4マナが溜まる直前の3t目、対ロータスなら5killを目前にした4t目です。そして旬を逃すと途端に弱いカードになり、ルーティングの種として抱えることになりがちです。一方でこのデッキはミッドレンジ。《税血の収獲者》に《墓地の侵入者》に《鏡割りの寓話》、2~3t目には展開したいカードは山ほどあります。タップインを挟むことも珍しくありません。往々にしてハンデスは盤面にクロックが無いと効果が不十分なため、クリーチャーの展開を優先することとなります。要するに、このデッキの《思考囲い》は旬を求めても逃しやすいカードです。撃てるときに撃ちましょう。80点の働きさえしてしまえば周りが何とかする、ラクドスミッドレンジはそういうデッキです。

●《致命的な一押し》について

《宝物トークン》から唱えると即座に紛争を達成出来ます。対アブザンパルヘリオンの《大牙勢団の総長、脂牙》、グルールの《探索する獣》や《エシカの戦車》に有効で、それなりに使用するテクニックです。また《黙示録、シェオルドレッド》がいる場合、《血トークン》を起動し、ドロー解決前にプレイすることでライフを護ることが可能です。

● マリガンについて

ゲームプランが見えるならキープ。言い換えれば、クロックと土地があればキープです。ルーティング出来るカードが豊富なため、半端に手札を減らすくらいなら後から引くことに賭けた方が良いです。また、《鏡割りの寓話》を引いた場合は概ねキープします。土地6枚は流石にマリガンですが、土地5枚、スペル、《鏡割りの寓話》は先手ならキープ出来ます。後手は《ゴブリントークン》が有効に働かない場合が多いのでマリガンします。除去のみの手札は相手にも依りますが、マリガンした方が無難です。
なお、このデッキ最大の死因はマナスクリューです。メインのクロックが3マナに寄っているため、2マナで止まるとどうあがいても勝てません。先手土地が2枚の場合は《税血の収獲者》か《勢団の銀行破り》があれば検討、その他はマリガンです。
さて、以下に5種類のサンプルを用意したので、是非皆さんもキープの可否を考えてみてください。全てメインボード、対戦相手不明の想定です。

・ Case 1 (先手)

キープします。赤マナの供給源が《硫黄泉》な以外完璧な初手です。これをマリガンする人は熱があり、正常な判断が下せていない可能性が高いです。一刻も早くPCR検査を受けましょう。

・ Case 2 (後手)

キープします。クリーチャーを捌いて《勢団の銀行破り》のゲームに持ち込みたいですね。今回は《思考囲い》があるため考えなくて良いですが、相手が2t目に土地を立ててターンを渡してきた場合は《勢団の銀行破り》から入りましょう。先述の通り除去を躱すことで、2マナを無駄にさせることが可能です。例外は《検閲》や《ドビンの拒否権》を持つアゾリウスコントロールのみです。

・Case 3 (後手)

マリガンします。除去と《鏡割りの寓話》でゲームが出来るように見えますが、後手のため《ゴブリントークン》は殴れない可能性が高いです。土地が多く、《ロークスワイン城》の起動が痛いのも減点要素ですね。先手ならキープします。

・ Case 4 (先手)

マリガンします。相手がクリーチャーデッキと確定していない限り、除去のみの手札はNGです。同型やスピリットならゲームが出来ますが、グルールや緑単には怪しくアゾリウスコントロールだと悲惨です。《ロークスワイン城》があるので、消耗戦を仕掛けた後に回復出来るのは良いですね。結局はクリーチャーに依存しないゲームが苦しいため、どれか1枚が《思考囲い》ならキープします。後手でもキープが検討出来ます。

・ Case 5 (先手)

キープします。2t以内に土地を引けばブン回り。3t以内に2枚引けば概ね勝ちと言って良い初手です。その一方で、詰まってしまえば即死というのがラクドスミッドレンジ。誰しも盤面に2枚しか無い土地を眺めながら、手札に3マナタワーを建設して負けたことがあるかと思います。これは失敗体験として印象に残りやすいですが、実際に起こる確率は前者が約68%、後者が約29%です。3t目も続けて土地2で止まる確率は僅かに18%。この確率の感じ方は人それぞれですが、これに勝算の期待値を掛けるとどうでしょうか。7割でブン回り。更にもう一歩3割を潜れば勝ち。そうですね、プレイするべきです。

なおこの手札は仮に2t以内に土地を引けずとも、《血トークン》起動から2マナアクションに繋げることが可能。かつ盤面も触れるため多少の土地遅れも許容範囲と、リカバリーも効く素晴らしい初手です。

■質問箱回答

無料部分で挟めるのがここしか無いため。以後此方に追加していきます。

ご拝読ありがとうございました。
エクスプローラーは全くの門外漢ですが、メタゲーム上位にラクドスミッドレンジ、セレズニア天使、グルール機体、青白コントロールと同様のデッキがあることを確認しました。仰るとおり除去としては2マナが好ましく、《パワー・ワード・キル》、《喉首狙い》、《シェオルドレッドの勅命》からの選択になるかと思います。メインボードの機体が目立たなかったので、個人の好みとしては《喉首狙い》2枚、《パワー・ワード・キル》1枚でしょうか。完全に寄せてしまうとマッチ単位で腐りかねないので、散らしておいて《鏡割りの寓話》と《血トークン》で処理するのが良さそうです。

■サイドボーディング & マッチアップガイド

はじめに、このサイドボーディングは上記のリストに則ったものになります。ラクドスミッドレンジは採用出来るカードの幅が広く、割いた枠によって相性もそれなりに変動します。あくまで目安としてお考え下さい。

●ラクドスミッドレンジ

先手時に《思考囲い》2枚、後手時に《税血の収獲者》2枚をout

メインボード : 五分

各試合のキーカードを3枚ずつ挙げていきます

今のリストは同型を強く意識しているため微有利がつきますが、基本的には先手微有利の五分です。《勢団の銀行破り》が輝くマッチで、前述の通り起動する猶予を貰えれば勝利です。一方彼は今後、他のマッチで只管にサイドアウトされることになります。
《鏡割りの寓話》が《鏡割りの寓話》を呼んで圧殺する、総力戦の末に《黙示録、シェオルドレッド》が残る、トップ勝負に駆け付けた《墓地の侵入者》が完走するなど、ゲームの決着は多岐に渡ります。勿論状況に依りますが、ミラーマッチにおいては下記を意識すると良いかと思います。

●除去を1枚手札にキープする
当たり前ですが《キキジキの鏡像》、《黙示録、シェオルドレッド》は定着すると負けます。手なりで《ゴブリントークン》に《踏みつけ》を撃った結果《キキジキの鏡像》に《戦慄掘り》を使う羽目に合い、翌ターンの《黙示録、シェオルドレッド》に対応出来ず死んでいったプレイヤーは数知れず。特に後者は戦闘での排除が不可能なので、除去の使いどころは慎重にいきましょう。唯一の例外として、他に能動的に展開出来るクリーチャーがいないなら《踏みつけ》及び《砕骨の巨人》のプレイを検討します。

●損な交換を避ける
互いにアドバンテージを稼ぐ手段は限られています。カード1枚を大切にしましょう。最も分かりやすい例は《墓地の侵入者》です。除去を撃つと1:2交換となるため、多少のライフを失っても《墓地の侵入者》か《砕骨の巨人》で相打ちを取るのがベターです。例外は《黙示録、シェオルドレッド》があり相手のライフが少ない、手札に2枚あるなど、詰めに向かう場面くらいです。
以前の記事でも触れましたが、後手番で相手が2マナを構えた場合、《税血の収獲者》はプレイしません。わざわざ《踏みつけ》に0:1交換をくれてやる必要はありません。仮に相手に他の手がなければ、本体の2点ダメージと引き換えにカード1枚の損を抑えられるかもしれません。最低でも相手のテンポをずらして、展開+除去の2アクションを遅らせたいですね。

サイドボード : 五分

サイドボードは所説あります。その中で私の意見を述べるなら、《思考囲い》は先手で2~4枚、後手で0~2枚減らします。サイドボードとの兼ね合いで抜けるカードだが、最優先ではないといった感覚ですね。
記事でも触れられている通り、後手の《税血の収獲者》が弱く優先的に抜けること、先手3t目の《鏡割りの寓話》が圧倒的に強力なことが理由です。また同型だと中盤以降は手札が透けるため、除去を抜いて《黙示録、シェオルドレッド》を通す動きも取れます。何より腐ってもルーティングで処理出来るのが良いですね。この点でこのデッキの《思考囲い》は、嘗てのモダンのジャンドとは大きく異なります。因みに記事中の何抜く問題は《鏡割りの寓話》です。次点で《砕骨の巨人》ですが、自分の《鏡割りの寓話》で盤面を維持できるためさほど脅威ではありません。最序盤ということで、《キキジキの鏡像》の生き残りを狙うタイミングでもありません。
その他は役割を持てない《苦難の影》を抜き、機体に触れるアーティファクト破壊、そして必殺の《絶望招来》を追加します。ゲーム感はやはり変わらず、総力戦になることが殆どです。悪く言えば引き勝負になりがちなので、デッキ構築の時点で意識を割いておくことををお勧めします。

●緑単

メインボード : 不利

メインボードはやや不利です。相手側が事故を起こすか、何かしらの噛み合いが必要になります。《茨の騎兵》で全てのクリーチャーが止まり、《大いなる創造者、カーン》が出れば戦線は瓦解します。クロックが半端だとトップ《収穫祭の襲撃》から大量展開されることもしばしば。明確なビッグアクションが控えていない限り、基本的には除去よりクロックの展開を優先します。時間が経てば経つほどダメージを与えるのが困難になりるためですね。除去手段が全て《大いなる創造主、カーン》経由となるため、《黙示録、シェオルドレッド》は生き残れば常にチャンスがあります。また、《ビヒモスを招く者、キオーラ》のドローは強制です。覚えておきましょう。

サイドボード : 微有利

《絶滅の契機》はこのデッキのために採っていると言っても過言ではありません。《エルフの神秘家》、《老樹林のトロール》、《茨の騎兵》とクリーチャーは全て奇数のため、これ1枚を引けるだけで戦況は大きく優位に傾きます。そして《ニクスの祭殿、ニクソス》を使う関係上、半端な展開は許されず、往々にしてクリーンヒットします。先手なら《踏みつけ》がマナクリーチャーの除去に間に合うため、《砕骨の巨人》も悪いカードではありません。サイドが薄いときには残すことになるでしょう。

さて、無料範囲はここまでとさせて頂きます。
以降は環境に存在する他デッキ12個へのゲームプラン及びサイドボードと、質問箱を置いております。このデッキに関する質問であれば何でも答えますので、是非ご検討頂ければと思います。
またご好評を頂いた場合、次回はエニグマファイアーズ編を執筆したいと考えております。どうぞ宜しくお願い致します。


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