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【パイオニア】No-Liliana Rakdos

先日、晴れる屋広島店にてエリア予選を突破しました。
使用デッキのカテゴリこそ王道のラクドスミッドレンジですが、リストが主流のものと大きく異なるため、調整録として残しておきます。

https://article.hareruyamtg.com/article/65467/

折角晴れる屋メディアにも紹介頂いたのですが、このリストの本質は《栄光をもたらすもの》ではありません。とはいえ同型に大きく有利を取れる構築のため、最後の予選に臨まれる方の参考になれば幸いです。

■デッキ紹介

情2割、理8割

此方が私が使用したリストになります。
見ての通り、《ヴェールのリリアナ》を1枚も取っておりません。その枠に入っているのが《栄光》と、3枚まで増量した《勢団の銀行破り》。同型のゲームプランは「カード枚数で差をつける」です。

従来のリリアナ型と比較したときの相性差としては下記になります。

より有利 : 同型、アブザンパルヘリオン、ジャンドサクリファイス、イゼットフェニックス
同程度 : 青白コントロール、ロータスコンボ、白単、赤単
より不利 : 緑単、ボロスヒロイック、独創力コンボ、スピリット各種

より有利とは書きましたが、後者3つに関しては単純に《ヴェリアナ》が弱く、《銀行破り》の方がまだマシという認識です。またボロスヒロイック、スピリットに関してはこのリストでも依然として有利です。

私が初めて《ヴェリアナ》を触った感想は、「同型で扱い辛い」でした。確かに先手では強力で、《墓地の侵入者》が処理できれば最高です。一方でその後の+1能力で捨てたいカードが無く、カードパワーを十全に活かせるタイミングがかなり限られるように感じました。またアブザンパルヘリオンなど《ヴェリアナ》が活きないマッチも多く、他の優秀な3マナ域が枠を譲るのも良い印象を持ちませんでした。

一方環境は私の評価に反し、大《ヴェリアナ》時代に突入します。
そこで私は軸をずらしたラクドスを構築することにしました。先述の通りリソースカードを多く採用することで、《ヴェリアナ》のゲームレンジから一方的に離脱するのが本線となります。

同型最強の1枚。仕事したら勝ち

スタンダードで猛威を振るうこのカードですが、その強さはパイオニアでも健在です。お互いがクリーチャーを除去し合う消耗戦で、3枚のカード差がついてしまえばそれは試合になりません。加えて4/4というサイズは昼の《侵入者》を止め、+1から入った《ヴェリアナ》を一撃で屠ります。
またこれは共通認識かと思いますが、同型の後手で相手が2マナを構えた場合、《税血の収獲者》はプレイしません。

《砕骨の巨人》《ヴェリアナ》が直撃するためですね。そのため、サイド後の後手では《税血》を減らします。この空いた2マナ域を綺麗に埋めてくれるのが、この《銀行破り》です。元々は2枚でしたが、同型で絶対に引きたい1枚のため、最終的に3枚の採用となりました。

また、最近は1枚が主流の《ロークスワイン城》も2枚としています。これも《ヴェリアナ》ゲーに持ち込まれた際に優位を取るためです。ミシュラランドの増量でも良いのですが、《致命的な一押し》が透けた場面で弱いこと、中盤のタップイン枚数が増えることを嫌って此方としています。

また、記事でも紹介された《栄光》は見た目通りに強力です。《領事の旗艦、スカイソブリン》との比較となるカードですが、サイズと《ヴェリアナ》に当たる点で弱く、その他のほぼ全てで此方が優れています。純粋に飛行速攻4/4がコンボデッキやアグロデッキに強く、PWを使うデッキに有用です。また伝説でないため横並びは勿論、《キキジキの鏡像》でコピーが可能です。そのためラクドスサクリファイスでは貴重なダメージ源となります。
そして最大のポイントとして、瞬間的には8-12点の火力が飛ばせるため、《茨の騎兵》を突破可能です。

ラクドスにとって鬼門となる1枚

■その他カードの紹介

緑単相手に遅く、個人的には《侵入者》より評価の低い1枚。-2から入った《ヴェリアナ》を最も効率よく処理できるため4枚。後手の緑単相手にはサイドアウトします。

テキスト全てが強力な、令和が誇るクリーチャー。《ヴェリアナ》で処理されるとテンポを損なうものの、盤面を支える、《死の飢えのタイタン、クロクサ》を処理するなど役割が多いため4枚。

《黙示録、シェオルドレッド》と枠を争う4マナ域です。ラクドスサクリファイスや緑単、アブザンパルヘリオンなど苦手デッキに強いため此方を採用しています。また《シェオルドレッド》は《ヴェリアナ》を避け辛く、その点でも《カリタス》を優先するべきだと考えます。

メインからアブザンパルヘリオンへ抵抗する意志をこめて1枚。また《スカイソブリン》もゲームを決定づけるカードのため、対処札を最低1枚はメインボードに採っておきたいところです。

5マナまでしっかり伸ばしたいため土地は25。《棘平原の危険》、《ハグラの噛み殺し》を採用している方もおりますが、中盤以降にもアンタップインしたい機会が多く、また1:2交換を取る場面もあるので此方を推奨します。

《ヴェリアナ》不採用のため、リソースを削りつつ盤面を《絶滅の契機》で流すサイドプランが取れません。正面から殴り倒すことになります。前者は《茨の騎兵》を抜きつつ《エシカの戦車》を除く全ての壁を無視できる貴重なアタッカーです。後者は消極的な除去ではありますが、他に適したものがありません。自分のクリーチャーも奇数が半数のため、《絶滅の契機》で相手だけ流しつつクロックを継続することは困難です。

不採用の1枚

また《クロクサ》は《侵入者》の都合でプレイできる機会が見た目より少ないこと。2マナ1ディスカードのテンポが現環境に合っていないことから、《寓話》《ヴェリアナ》前提のカードと考えております。今回のリストでは後者を採っていないこともあり、単体で有用なカードに枠を譲りました。

■弱点について

見た目通りと言えばそれまでですが、《銀行破り》は出しただけでは何もせず、壁にもなりません。そのため序盤の盤面は基本的に先行されることになります。また《一押し》に当たるのを防ぐため、序盤に搭乗することも殆どありません。この遅れを中盤以降のリソースで取り返すため、《シェオルドレッド》が天敵となります。

出た瞬間に回答までの猶予枚数が決まってしまうため、定着すると必敗です。実際に大阪のエリア予選では、《銀行破り》をプレイして勝ちを確信したところから3tで負けることとなりました。残れば勝つカードのため、1枚くらいは採っても良かったかもしれません。

以上が今回のリストの解説になります。
それでは、良いパイオニアライフを。

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