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電力逼迫を考える

あんたも今の電力不足についてのニュースを眺めているかい?

その手のニュースを見るたびに「原子力発電所は動かせないし仕方ないのか」くらいの感じで見てたんだよ。

いや、ぶっちゃけね?
原子力発電所はもう動かすしか無いと俺自身は思っているんだ。

こんだけ電気代がシャレにならない状態に国民がさらされ続けているのを放置していたら、日本の国力がマジでダメになるかもしんない。
それ以前にクーラー使えなくて熱中症で倒れるヒトが続出したらバカみたいじゃんか。

そんなふうに思っていたら、実は火力発電所も動いていないって話を聞いたんだ。

ほへ?なんでよ?

今回は電力に関するいろいろを眺めてみる回だ。

ちっと今の事情ってやつを考えてみようぜ。

火力発電所が動いていない理由

俺が最初に火力発電所が動いていないって聞いて想像した理由は「脱炭素」ってフレーズだった。

SDGsを始めとして世界中で二酸化炭素を出さないための工夫をしましょうねって合意形成がなされている中、火力発電所はどうしたって二酸化炭素を出してしまうからってことね。

でも、天然ガスでの火力発電所って二酸化炭素を排出する割合がほかと比べて低いし、石炭の火力発電所についても最新型の火力発電所なら結構二酸化炭素の排出を抑えているって話も聞く。

で、ちょっとネットをうろついてみると、どうやら火力発電所が動いていない理由は別にあるってことらしい。

理由は「儲からないから」。

戦争が起きたことは大きな理由の一つだけれども、今は火力発電所を動かすための燃料価格がえらい勢いで値上げラッシュ状態だ。

戦争が始まる前からその傾向はあって、それゆえに多くの火力発電所は「あるけれど動かしすぎると電力供給側が損をする」って状況になっているらしい。

なので、電力消費量ってのを予測しながら稼働計画を立てていくんだそうだ。

なかなかにエグい状態だね。

火力発電所は再稼働に数ヶ月かかる

で、知らなかったんだけれど、火力発電所って一度止めてしまうと、もう一度稼働させるのに数ヶ月の時間が必要なんだそうだ。

なので2022年6月後半の様に「想定外に気温が上がった」なんてことが起きても、「じゃあ、火力発電所をすぐさま稼働させましょうか」には出来ないんだそうだ。

こればっかしは運だよな。

なので、他の電力源に頼ることになるわけだけれども、時間帯によっては揚水発電とかを活用してある程度の電力を確保するすべがあるんだそうだ。

ところがこの調整能力をもっても調整しきれない時間ってのがあるらしい。

それが夕方近辺なんだそうだ。

なぜって?

太陽光発電による電力が下がり始めるのに、夕飯の準備等で電力消費は上がりがちな時間だからってことらしい。

……バカみたいじゃないか?

あんだけ太陽光発電ってのを推奨してたのに。
それが安定電源として使えないってのはわかっていたのに。
そのくせ、太陽光発電の買取制度(FIT)が将来的に終わることが決まるというハシゴ外しもいいところの決定。

ありえねぇべ。マジで。

俺たちはここ何十年に渡って、全力で不安定な電力供給の仕組みづくりに勤しんできたってわけだ。

新技術発電は今すぐ使えない

確かに多くの新しい発電技術は開発されている。

水素発電所なんてのも2022/03に予定通り稼働したらしい。

でもその発電量はたった100世代分だけだ。
工場とかの消費電力には対応できるレベルじゃない。

その他にも二酸化炭素と水素を組み合わせてメタン(都市ガス)を発生させるって言うメタネーションなんて技術も出来ているけれど、現状だと通常の都市ガスの7倍のコストがかかるって状態だから、まだまだ運用出来るって状態にはない。

ISプロセスって言うヨウ素と水を使って水素を取り出す方法についても研究は進んでいるみたいだけれども、産業として実用化するにはまだ目処が立っている状況にはないみたいだ。

※ちなみに日本は世界有数のヨウ素産出国なので、この技術が世界中に広まると結構なことが起きる。

こんな風に当たり前だけれども新技術が浸透していくには時間がかかる。

そして、ぶっちゃけこの夏に向けての電力逼迫については、例年通りの気温で推移してくれないと今更どうにも出来ない。

なので、政治はこう言う。
「我慢して」って。

電力逼迫という状態が起きてしまう仕組み

なんつーかさ。
なんでこんな事になったんだって思うじゃんか。

だって今までだって予想されない気温変動なんてのは普通に起きていたけれど、3.11より前に電力逼迫なんてキーワード聞いたことなかったべ?

思うに電力自由化が諸悪の根源だと思うんだよ。

電力自由化前までは、例えば東京電力が地域の電力供給を一手に担っていた。
そこに利権がどうとかそう言う問題もあったかもしれない。
でもさ。同時に電力会社は「供給責任」ってものを背負っていたわけよ。

なので、大口の顧客(工場とか)とは「電力供給が危うくなったときには供給を制限しますから、その分普段の電気代を安くしときますね」みたいな契約が出来ていたんだそうだ。

ところが電力自由化が始まって、作られた電力を多くの会社に卸して行く形になってしまうと、そう言うコントロールが出来なくなってしまったんだってんだよ。

結果として個別契約ごとの電力供給量のコントロールが出来なくなってしまっているので、今の電力逼迫って状態が生み出されている。

なあ、あんたはどう思う?

俺たちはいつ、何をすれば今の状況を防げたんだ?

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