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少子化の歴史を眺める

あんたは岸田内閣の「異次元の少子化対策」ってキーワードを眺めているかい?

現実的に日本における少子化の流れってのを止めるのは容易なことじゃないってのがある。
俺の感覚でしかないけれど、もはや止める術は無いように思える。

いわゆる団塊ジュニア世代と呼ばれる俺たちの次の世代が作り上げることが期待されていた第三次ベビーブーム。

タイミング的には1990年代に起きていて欲しいものだったはずだ。


出典:厚生労働省

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/syussyo07/dl/01.pdf

出生数は見事に減少傾向を示していて、第三次ベビーブームは全く起きなかったことをこのグラフは示している。

今回は少子化と言う現実について思いを馳せてみる回だ。

ちっと俺たちの子どもたちやその先にくる世代についてイメージしてみようぜ。


第一次ベビーブームと第二次ベビーブーム

まずは上のグラフをもう一回眺めてみる。

こうしてみるとやっぱり第一次ベビーブームってのは異常値だったってのがあるんだよな。

この半世紀の中で突出した出生数を誇っているってのが現実の数字として出ているわけだ。

まず、この異常値ってのはどうやって作られたものなのか?

ぶっちゃけ、大東亜戦争が終わり、それまで戦地に赴いていた男たちが家に戻ることによって、文字通り生と死の間から帰還した男たちと愛する男を待ち焦がれていた女たちが子をなすって言うのは極自然な流れだと思える。

つまり、第一次ベビーブームの背景の一つとして、戦争という命の大量消費が起きていたと言う前提が挙げられると思うわけだ。

でも、まあそう言う気運的なことってのは長続きしない。
第一次ベビーブームは数年で落ち着きを取り戻し、出生数は戦争前の状況を割り込む状況がすぐにやってきている。

コレはどうもGHQの産児制限って方針とそれに乗っかった日本政府やマスコミの動きってのが影響しているらしい。

確かに数年で第一次ベビーブームが収まるってのは相当不自然なんだよな。

上の記事によると、当時の新聞では「人口爆発の危機」なんつーもんが紙面上で乱れ飛んでいたらしい。

GQHとしては、人口の急激な増加ってのは日本の国力を高めることに繋がり、ひいてはもう一度日本が戦争を出来る国になりかねないって言う懸念もあったんだろうな。

結果として「文化的な生活を手に入れるための家族計画」なるものがもてはやされ、第一次ベビーブームは終演を迎えたってわけだ。

文化的な生活

これ、結構なワードだよな。「文化的な生活」ってさ。

要するに家計で得られる収入には上限があるから、そこで子どもたちと言う未来への投資に向けられる可処分所得にも自ずと上限が生じる。

その事実を踏まえて、単純に出生数だけ見ても、第二次ベビーブームは第一次ベビーブームの2割以上減った状態になっていた。

政府としても「子どもは1家庭で二人まで」とか言う今だと耳を疑うような方針が第二次ベビーブームの頃の外務大臣が国際会議の場で発言するような事が起き、もはや少子化の方向性は完全に確定していった。

こう考えてみるとさ。
「文化的な生活」を維持するってのが俺たちの価値観として絶対的に揺るぎないものとして刷り込まれてきたってのが歴史ってことなんだよな。

経済と文化的生活

まあ、結果論としてだけれど、日本の少子化はそう言う意図によって作り上げられたものだってのが見えてくる。

つまり、俺たち団塊ジュニア世代が生まれてきた頃には既に少子化の方向性は確定的な状況だったわけだ。

じゃあ日本はどうなるのか。

ぶっちゃけ、GDPの伸びってのは全然期待することが出来る状況にないってのはある。

需給ギャップがプラスに転じたって話もあるけれど、それもどうも外需に伴うもので、俺たちの家計収入に直結する内需の伸びによるものではないみたいだ。

外需起因で需給ギャップがプラ転したってなると、いわゆるコスト・プッシュ・インフレが進むってことになる。

そうなってくると、「文化的な生活」を手に入れようと躍起になっている俺たちは家計を絞り込んでいくしか無い。

既に娯楽に対する支出は絞り込みまくっているから、いよいよ未来への投資である子どもたちへの支出ってのが絞り込まれていくことになる。

そりゃあ、第三次ベビーブームもこない。
内需型経済で国を引っ張ってきた日本の内需は人口減少によって更に先細りになっていく。

岸田さんは供給能力の向上を目指すと言った。
ぶっちゃけ順番が全く違うと俺は感じるんだ。

まず国内の需要を作り出せよってね。

人口が減るんだから、単純に国内での購買者数が減るわけだ。
いわゆる生活必需品の需要は減ることになる。

それを下支えするのがいわゆる「投資」なわけだけれども、爆発的な需要を政治が作り上げないことには、未来への展望が見えないから投資は進まない。

結果、「文化的な生活」を維持するために子どもたちは減っていく。

なあ、あんたはどう思う?

人口が減ることはもうどうにもならない。なら俺たちは今、何をどうするべきなんだ?

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