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脳オルガノイドという一線

あんたは科学技術の発展ってやつによって感情が揺さぶられることってあるかい?

純粋にスゲー!って思うような物というよりは、希望と恐怖がないまぜになったような感情を伴った科学技術ってのがあるってのをこないだ知ったんだ。

その名は脳オルガノイド。

人工的に作られたミニ脳とでも言われる存在だ。

iPS細胞を用いることによって人工的にヒトの脳を培養することによって出来上がる存在。

どうだい?この超えちゃいけないラインを二、三個すっ飛ばしたようなやつ。

今回はこの人工脳について自分の感情を整理してみようって回だ。

ちっとおっかない話だけれど、付き合ってくれよな。

脳オルガノイドがもたらしている恩恵

まず、なんでこの脳オルガノイドって存在が必要になっているのかからだよな。

なんと言っても脳という組織の仕組みの解明が進むってのがある。
それに伴って様々な治療法も確立するわけだから、ヒトという種族にとって素晴らしい価値を生み出すってのは間違いないと思う。

ヒトがいかにして物事を認識し、反応しているかを究極にまで把握できれば、例えば手足を事故や病気で失ってしまったヒトが自分の意志で動く義手や義足なんてものを手に入れられる日も来るかもしれないじゃんか。

そう言う計り知れないメリットを生み出す可能性を信じて、多くの研究がなされているんだそうだ。

中には光を認識する目とともに作り上げられた脳オルガノイドってのもあるらしい。

でもさ、もう誰でも思うじゃんか。
その脳オルガノイドって意識をもってるの?ってさ。

脳オルガノイドはピンポンゲームを理解した

そこでこんなニュースがあったんだ。

これは脳オルガノイドの脳波をキャッチしてテレビゲームのピンポンと接続するって実験らしい。

で、この脳オルガノイドは5分でピンポンゲームを理解して動かしたんだそうだ。

これってさ。
完全に「意識」だって思うのは俺だけか?

外部からの刺激に対して、そこにルールを把握し、動かす。
俺たちヒトは品種改良の名の下、他の生き物を培養し、その生き物たちの意識を培養したって見方があると思う。
でもさ。
ヒトだぜ。ヒトの意識を俺たちは培養する所まで来ているんだ。

今までSFの世界に封じ込めてきたクローンって存在が、現実世界にある脳オルガノイドって存在の先に確実にあるって思わせる話じゃないか。

各種感覚ディスプレイの発展の先にあるもの

そしてこのニュースはもう一つの可能性を想定させる。

脳組織を直接システムに直結させる事によって、ヒトは脳だけになってもメタバースであたかも普通に生きるがごとくに生きていられる様になるんじゃないかってことだ。

そして、脳組織を物理的につながないでも、網膜ディスプレイや触覚ディスプレイなどが発達していけば、普通の世界とメタバースの見分けがつかない世界もありえない話じゃない。

そして、そのメタバースにつながっているとき、相手が培養された脳なのか、それとも今まで通り普通に生まれたヒトなのかって見分けがつかない。

そこまで来るとさ。
俺たちにとって社会ってのは何なのかって話になってくる。

恋とはなにか?
愛とはなにか?
家族とは?
一族とは?
ヒトとは?

そんな今までは宗教が受け持ってくれていた範囲をシステムによって解析するような状況。
自己と他己の境界線がシステムによってのみ隔てられる世界。

そしてそのシステムの運営を実質的に取り回すのはAI。
AIは多数人類の幸せの総量を増やす様に機械学習をすすめるだろう。

果たして、AIは現実世界とメタバースを融合させるのか?
隔絶させるのか?

それは誰にもわからないし、そもそもその二つの違いをヒトは認識できないのなら、その垣根には意味がまったくないことになる。

もしかしたらこの胡蝶の夢のような世界観が出来上がったときに、ヒトは歴史をどう捉えるようになるんだろう?

なあ、あんたはどう思う?

俺たちヒトは超えてはいけないラインを超えてしまったんだろうか?

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