「還元」と言う言葉が伝える現実
あんたもやたらに「減税じゃぁ!」と言葉が跋扈している様子を眺めているかい?
昨日に引き続き、税金の話なんだけれど、いよいよ減税と言うキーワードで表立っての議論が出てくるようになるんだろうか?
確かに立憲民主の岡田さんは減税じゃなくて給付が良いと思うよ的な発言をしたって話が見えてきたり、国民民主党の玉木さんは消費税を含めた幅広い減税ってのを訴えているっぽい。
そんな中で俺の神経が「ざらり」とした何かで擦り上げられたような感覚に襲われている様に思ったんだ。
その感覚の源泉となるキーワード。
「還元」
今回はこの「還元」って言葉の表現しているものについて考えてみる回だ。
ちっと、この言葉によって俺たちが何を突きつけられているのかってのを考えておこうぜ。
「減税」の目的
今回の岸田さんの所信表明演説によると、どうもこの減税の目的ってのはデフレ脱却だってことらしい。
ここでも違和感が炸裂するんだよな。
うんとね。
この演説の一節を見てだよ。
あんたはなんで減税するとコストカット型経済が成長型経済に返信できるのか説明出来るかい?
ちと無理がある気がしないか?
例えば所得税を減税するとする。
で、その減税の目的は経済変革だってことで、その対策期間は3年程度だってことらしい。
さて、3年。
昨日も書いたけれど、減税が3年間限定だとして、マクロ的に考えればその減税によって得られた手元の現金をどう俺たちは使うのか。
普通に家計の防衛のために使うと思う。
つまりは「いざというときに対応出来るための貯金」をすることになると思う。
貯金だったらまだしも、場合によったら手元の借金の返済に充てるってヒトも少なからずいると思う。
この借金を返済するって行為をすると、何が起きるか。
ぶっちゃけ、全体的な経済規模が縮小することになる。
借金返済で起きること
これはざっくりとバランスシートをイメージ的に表現した図だけれども、資産購入時(お金を使って何かを買う)ときって、負債を増加させてものを買っているって実態がある。
分かりやすいところだと住宅ローンとかかね。
家を買うために住宅ローンと言う負債を増やして家と言う資産を手に入れているわけだ。
で、今回話題の減税で手元の現金が増えたとする。
この図で言うと資本部分が増えてその分負債が増えるってやつだ。
これはイメージし易いよな。
で、借金を返済した時。
手元からは借金返済に使った分だけの現金と言う資産が減る。
で、同時に借金の残高が減る。
全体としては経済規模が借金を返した分だけ減るってスンポーだ。
つまり、政府が「所得税減税」という支出をしたら、経済全体の規模が縮小する要素も出てくるって話だね。
「還元」と言うキーワードが植え付けるもの
で、なんで国民は手元に転がり込んできた現金を消費に回さないのか。
コレは火を見るよりも明らか。
何度も言っている通り、政府が経済状況を無視した増税ってのを今まで繰り返してきたこの30年の結果ってのを俺たちは実感しているからなんだよな。
景気が上向きかけたかと思った時に消費増税をして、景気を冷やし、せっかく増えかけた「投資」を足止めすることになった。
この「還元」ってキーワードはこの「経済状況を無視した税制」ってのを象徴している様に感じられるんだよね。
なぜって?
だって減税は「原資があるからやる」って言い切っているようなもんだべ?
逆に言えば原資がなくなったら経済状況がどうだろうと減税止めます。
なんなら原資確保のために増税しますってことだべ?
本来は税金ってのは経済状況をコントロールするために存在しているはずだ。
景気が加熱しすぎて市中の現金が溢れかえっている状況になって、本格的なインフレなんて状況になってしまいそうな傾向を捕まえて政策金利の引き上げだとか増税だとかのコントロールをするし、今みたいに実質可処分所得が減少傾向にあるときには減税する。
原資ありきで決める話じゃないんだよ。
特に消費税ってのは景気減退との相性が良すぎる。
なにしろ消費したら税金取りますぜって税金なんだから、消費が抑えられて当たり前なんだよな。
結果として国民にお金を渡しても消費税が鎮座ましている限りは、さっきも書いた借金返済にお金が回るってのは極自然な流れだと思わないか?
なあ、あんたはどう思う?
それでも消費税と言う税制を愛してやまない政治家の組織と言うやつにどうやったらこの事実を考えてもらえる様に出来るんだろう?
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