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「不健全図書」という区分

あんたは不健全図書って言葉を聞くことがあるかい?

ぶっちゃけ、その手の言葉って山ほどあるから、「不健全図書」って言葉だけを切り取って何かを感じることってあんまりなかったんだよ。

で、その不健全図書って言葉についての陳情を、俺が長いこと読ませてもらっているはじめの一歩の作者である森川ジョージさんが都に対してしたってことらしいんだ。

おおう、森川ジョージさんがしゃべっとる。

それだけで、この動画は俺にとってめちゃくちゃ価値があるものなんだよな。

最後のところで兼近さんが森川ジョージさんに「強いってなんですか?」って問いかけに対する答えは涙が出ちゃうやつだ。

まあ見てみてよ。

で、そこは置いておいて「不健全図書」なる区分けってのがやっぱりに気なるわけだ。

今回は情報の「健全性」ってやつについて考えてみる回だ。

俺たちが触れている情報の良し悪しを誰かが決めているってことについて改めて考えてみようぜ。

不健全とされるメディア

そもそも「不健全図書」って言葉を俺はあまり意識できていなかったと思う。

性的な表現を盛り込んだマンガだとか、暴力的な表現を盛り込んだマンガ。

「図書」と言いながら、この「不健全図書」って指定を受けているのはマンガに限定されているらしい。
ふへ?
おかしくね?

小説でもドラマでも映画でもそれこそネット上にある様々なコンテンツでも性的な表現も暴力的な表現でもいくらでもある。

そして、それらの表現を100%同じ基準で評価することってのは現実的に不可能だと思うんだよ。

出版物のチェックの物量

実際に上の動画の中でもあったけれど、東京都では毎月100冊の書籍をランダムに購入して、そこで「不健全図書」なるものを判定しているんだそうだ。

実際に担当しているヒトの立場で考えればたとえ10人で対応しているにしても毎月10冊の「不健全図書」を判定するってことになる。
なんとなく、そんなにヒトを割り当てられるなんてないだろと思いつつね。

そんだけの労力を費やしても全部のマンガですらチェックしきれない。

なんつっても2021年でのマンガ売上は電子を含めて6,759億円なんだそうだ。

1冊600円平均として、5,000部が一作品あたり売れたという計算でも22,600種類のマンガが売れているってことになる。

毎月100冊チェックしたとしても1,200冊。
全然チェックしきれないって話なんだよな。

出版物のチェックの必要性

出版物としてのマンガだけでもそうなんだから、雑誌や書籍、さらにはネットの情報ってなると、現実的に「不健全図書」なるものを全量チェックすることは不可能に近い。

AIを使ってどうのこうのってのはあり得るかも知んないけれど、AIに表現の制限をかけられるってのは俺としては受け入れがたい。

だってそうだろ?
ガンダムの最新作はAIによる分析によると残虐性による表現で「不健全図書」にあたるって言われても、納得いかないべよ。

じゃあ、ヒトが「不健全図書」を判定するんであれば納得いくのか?
それはそれでいかないんだよな。

じゃあ、「不健全図書」の判定そのものがまずいのか?
それもそれで違う気がする。

確かに子どものときは見ない方が良いコンテンツってのはある気がするし。

でもなんでまずいって思うんだ?俺は。

たぶんさ。
説明できないからなんだよ。俺が。

性的な描写にしろ、残虐性を伴った表現にしろ、俺は子どもに「なぜそうなのか」ってのを論理的に説明することが出来ない。

それらが世界に存在する意味ってのをうまく説明できる自信がない。

例えば性行為をするのが子孫を残すという目的があるからということは言えたとしても、それならなぜ「避妊」なんてことが必要になるのかって言われると言葉に詰まる。

例えば戦争における残虐行為が、国を守るという大義名分のもとに行われていたとして、その行為についての必然性を説明しろって言われたときにも言葉に詰まる。

でも現実的に子どもたちが触れる情報のカテゴリは増え続ける。
説明できないことも増え続ける。

なあ、あんたはどう思う?

俺たちは説明の出来ない世界をどうやって子どもに伝えていく事が出来るんだ?

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