緊縮財政への免罪符
あんたも鈴木俊一財務大臣のインタビューコメントのニュースを見たかい?
想定範囲内のコメントだって意見があってもおかしくはないんだけれども、今このタイミングでプライマリバランス黒字化にしっかりと取り組んでいくなんてことを世の中に財務大臣が発信する意味ってのを鈴木俊一財務大臣はどう判断しているんだろう?
自民党総裁選では、各候補とも現状の経済状況を踏まえて政府支出を増やしていく重要性とその財源として国債の発行ということを明確に示していた。
その事に俺たち有権者としても政府が支出を増やすことで経済が上向くって期待をしていたんだと思う。
ところが、鈴木俊一財務大臣は「新型コロナウイルス禍のような危機発生時の対応余力を確保するために財政健全化の道筋を確かなものにする必要がある。」と言ったそうだ。
今回は鈴木俊一財務大臣の発言について考えを巡らせてみる回だ。
いやはや、日本はどうなってしまうのか?
対応余力という認識
今回の鈴木俊一財務大臣の発言で一番まずいと思ったのがこの「対応余力」という言葉だった。
この言葉から紡ぎ出されるのは「政府支出の財源は国民から集められる税金だ」という確固たる認識が鈴木俊一財務大臣にあることを示していると思うんだよ。
んなわけ無いじゃんよ。
だって、税金集められる前に政府予算は執行されるんだから。
じゃあ、その政府支出はどこからお金が出ているのか?
前年度の税収と国債だよな。
日本の場合、国債を買っているのがほぼ日本人なのと、円建てで国債発行をしているので、絶対に国債に対する支払いが行えなくなるデフォルトは起こりようがない。
デフォルトが起きようがないってのは財務省自身が世界に向けて発信していることだ。
さらには、日本国民に対して10万円の給付を行ったときにも国債でその財源を確保しているわけだけれども、それによって円の信用が崩れたのか?
全然インフレは進んでいないって現実がある。
それでも「対応余力」なるものを確保するために必要なのが財政健全化だという鈴木俊一財務大臣の認識には首をかしげるしかないんだよな。
衆議院選挙前に緊縮財政を表現する意図
こっから先は結構俺の妄想が入ってくる話になるんだけれど、なんで衆議院選挙直前というこのタイミングでこの鈴木俊一財務大臣の財政健全化発言が飛び出してきたんだろう?
普通に考えたら、今の日本にとって財政出動拡大が必要だってのは火を見るより明らかなはずだって俺としては思うんだよね。
おそらくだけれども、「政府の無駄遣いを辞めさせる」って認識がまだ日本国民には浸透しているって鈴木俊一財務大臣は思っているのかもしれない。
そして、残念なことにその認識は一部正しいのかも知れない。
俺の親の話を聞いてみても、この間の自民党総裁選で一番財政出動の必要性を訴えていた高市早苗さんについて「安倍さんの子飼いだからやだ」って普通に言っていたんだよ。
政治の選択をするにあたって、経済ってのが一丁目一番地だって認識をしていないんだよね。
で、その認識って別に親の世代に限った話じゃないらしい。
妻に財政健全化って鈴木俊一財務大臣が言ったらしいぜって言ってみても「は~ん?」って感じで全く問題として認識してなかった。
マジか。
俺のほうが特殊な意見なのか?
仮に俺が特殊な意見を持っているとしてみると、このタイミングで財務大臣が財政健全化を表明したことによって、岸田内閣は緊縮財政への免罪符を得たことになる。
これってさ。
メチャクチャまずくね?
日本で財政出動を増やさないってのは、ほとんど国の自殺みたいなもんだと思うんだよ。
ただでさえデフレで大変な状況にコロナショックだ。
せっかくその状況を打破するって意識が自民党総裁選で芽生えたと思った矢先にこれだ。
仮にこれで自民党が次の衆議院選挙で票を失ったとして、安定した政権が実現できなくなるので、大胆な財政出動がやりにくくなる。
票を増やしたとしても、緊縮財政への信任を得たって形いなるので財政出動がしにくくなる。
最悪じゃないか?
なあ、あんたはどう思う?
いったいどうやったら、日本は救われるんだろう?
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