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ジョブ型雇用が組織と個人に与える影響

あんたは「ジョブ型雇用」って言葉を聞いたことがあるかい?

俺たちのようなDXを掲げている企業にとって、切っても切り離すことが出来ないくらいに密接な関係があるらしいけれども、どうもピンとこないってのが実感だよな。

ジョブ型雇用っていうのは、今までのようにチームもしくは組織に対して仕事を割り当てていくのではなくて、仕事にヒトをあてがうって考え方らしい。

別の言い方をすると適材適所から適所適材へのシフトってことになるのかな?

極端な話、今の自分の仕事が自分を成長させてくれないって思ったら、自分をより成長させてくれる仕事を自ら手を上げて、今までの組織を異動することまで想定されているらしい。

個人の成長を促すという意味では確かにスゴイ仕組みと捉えることも出来るけれども、それだけに現状の組織構造のあり方を同時に考えないと、今まで積み上げてきたものが瓦解する事になりかねない危険性も感じるんだよな。

今回は、このジョブ型の働き方について考えてみる回だ。

ちっとおっかないかもしれないけれど、付き合ってくれよな。

組織で仕事に当たる意味

今までの組織に仕事を割り当てる考え方、これをジョブ型に対してメンバーシップ型っていうらしい。

チームで仕事という難題に取り組もうってのは、いかにも日本人にマッチした考え方だったんだと思うんだ。

一人では出来ないことをお互いの弱点を補い合うことで事に当たる。
そして結果に結びつける。

まさにオール・フォー・ワン。皆は勝利のためにってわけだ。

俺も勘違いしていたけれど、このオール・フォー・ワンのワンって「勝利」って意味だって知ってた?
よく「一人はみんなのために、みんなは一人のために」って訳されるけれど、あれって誤訳なんだってさ。
チームの唯一の目的。それが「勝利」ってことなんだって。

日本人の一般的な評価として「チームワークが強い」ってのがあると思う。
その風土にメンバーシップ型の仕事ってのはマッチしていたんだと思うんだ。

メンバーシップ型の弱み

ところが、ニューノーマルな世界による時代の変化は、インターネット出現以降洒落にならないくらいに上がった変化のスピードを更に加速することになった。

今までのやり方では仕事で成果を残せないことが多くなってきているってわけだ。

例えば、俺たちシステム屋は自分たちのソリューションをもって、そのソリューションを適用することでこんなことが良くなりますよって商売をとっていたんだけれど、大企業相手だと、帯に短し襷に長しってなってしまって、全然商売にならなかったりする。

これは、ソリューションの汎用性が低いからじゃなくて、むしろソリューションとしての特性が全然とんがっていないからってのもあるんだと思う。

特性をとんがらせると、多くの企業に安価に提供するってことができなくなる。そりゃあ特性をどこかに持たせるってことは、誰かの便利を切り捨てるって意味だからね。

ところが、特性をとんがらせると、ほとんど特定の会社のためだけの仕組みになっちまう。

結果として、大企業に対しては限りない個社対応をすすめることになっていく。

個社対応を組織でやっていると、どうしても組織の足を引っ張る労働力ってのが出てくる。
組織である以上、一定数の仕事ができないヒトが出てくるのは致し方ない部分があるからね。

これこそがメンバーシップ型の弱点ってことなのかもしれない。

ジョブ型になることで組織が受けるダメージ

でも、この個社対応で求められる対応のスピードは、この仕事ができないヒトというのを許容できなくなりつつあるってことなんだと思う。

そして、ありとあらゆる有能な人材をかき集めて個社対応を全力でやることになるんだけれども、そうなってくると、人材を引き抜かれた方の組織は溜まったものじゃない。

今まではそれが組織間の力関係だったり、調整だったりでしのいできた。

ところがジョブ型を推し進めていくと、社員個人の思いというもので組織の構成が変わることになってくる。

そうなってしまうと、今まで手塩にかけて育て上げてきた人材を他の仕事に「その個人の成長のために」奪われるってシーンが出てくるのは火を見るより明らかだよな。

組織は個人に向けて「成長できる要素」を売り込みに行く。
そんな時代になっていくのかも知れない。

なあ、あんたはどう思う?

俺たちは、そこまで自らの成長ってものにフォーカスした生き方を続けられると思うかい?

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