プライマリーバランスの罠
あんたも2022年の参議院選挙の結果について考え直すことってあるかい?
結果としては自公政権に対する信任を国民が与えた格好になった。
この結果はこれからの俺たちの生活にどういう影響を出してくるんだろう?
消費税。防衛費。エネルギー政策。
パッと思いつくだけでも、今の日本が抱えている課題ってのはこんだけある。
この課題がいっぺんによろしくない状況に傾いていったら何がおきるのか?
今回は今の俺たちが抱えている問題点について考えてみる回だ。
ちっと、政治のことを考えてみようぜ。
骨太の方針2022の罠
まずは国家予算の有り様を示す政府方針、いわゆる骨太の方針2022を眺めてみる。
こんな文言があるんだよね。
これさ。
ネットでは色々と話題になっている文言なんだよね。
プライマリーバランスという言葉があるよな。
要するに税金で集めた以上のお金は使わないようにしましょうね~ってやつだ。
で、今までの骨太の方針にはこのプライマリーバランスの黒字化を2025年までに達成するという文言が入っていたんだ。
でも骨太の方針2022にはその文言が入っていない。
おお、ついに政府方針としてプライマリーバランスの黒字化目標を取り下げたのかって思うやつなんだ。
ところがさっきの文言だ。
「骨太の方針2021に基づき」
骨太の方針2021には何が書かれているか?
プライマリーバランス2025年黒字化の文言が書いてあるんだよ。
要するに、プライマリーバランスの黒字化という文言を使わずにプライマリーバランス黒字化目標を取り下げないという理屈になるわけだ。
プライマリーバランス黒字化の問題点
何?そもそもプライマリーバランス黒字化が何でマズイんだって?
そもそも収入以上にお金使っちゃダメだろって?
確かに、政府が収入よりも支出を多くしている状態について小学生にでもわかるように説明するのってめちゃくちゃ難易度が高いよな。
まずはお金ってものの仕組みから考えていかないといけない話なんだよな。
お金って実に不思議な存在だ。
だって、言ってみたら紙幣はただの紙なのに、その紙に1万円って書かれているだけで1万円の価値を誰もが認めている。
昔は金本位制って言って、1万円札を発行するためには必ず1万円分の金を中央銀行は持っていないといけなかった。
でもニクソン・ショックというアメリカが「もう金本位制やめるぜ!」っていう宣言がお金って存在の意味を変えた。
お金が金という有限な資源までしか発行できないという縛りを脱ぎ捨てたわけだ。
結果としてアメリカを始めとする国々はインフレ率を眺めながらお金を発行し続けて経済的な発展を実現してきた。
対して、日本はと言うと民主党時代の事業仕分けだったり、小泉内閣から明確に進められた痛みを伴う改革だったりと、政府の支出を抑え込む政策を取り続けている。
そうすると、当然政府から民間に流れるお金が減るので、世の中に出回るお金が減ることになった。
民間の利益が当然減るから、税収はさらに減る。
税収が減ったらプライマリーバランス黒字化目標がある以上はさらに政府の支出を減らさざるをえない。
そして、民間の利益は更に減って、税収は減り続けるってスンポーだ。
プライマリーバランス黒字化ってのはこんなふうに自分の尻尾を食べ続けるような危険性を伴った話ってわけだ。
プライマリーバランス黒字化目標を堅持する理由
こんだけ問題のあるプライマリーバランス黒字化目標ってのは何で維持されているんだろう?
一般的には財務省設置法にある「財政の健全化」という組織の存在定義があるって言われているよな。
各省庁には設置法って言うその組織がどういう存在なのかってのを定義する法律があるんだそうだ。
そして、財務省設置法だけは他の省庁の設置法と異なる部分がある。
「国民」って単語が財務省設置法には存在しないんだ。
つまり法律上、財務省って組織は国民のために動かない組織ってことになる。
こんなんありか?
この法律がある以上、どこが政権を握ろうとも、財務省によるプライマリーバランス黒字化目標ってのは堅持されざるをえない。
財務省の前身である大蔵省設置法にはきっちりと「国民」の文字がある。
この状況は省庁改変のときに仕組まれていた罠ってわけだ。
なあ、あんたはどう思う?
財務省で勤務する天才たちが全力で国を貧しくしていっているこの状況をどうすれば打開できるんだろう?