ダッフィーストーリー 第1話

この物語はぼくの解釈を入れた二次創作です。
小説初心者なのでお見苦しい部分があると思いますがご注意をm(_ _)m

第1話「ぼくはダッフィー」

波の音が聞こえる

さざ波が砂浜を覆い、青い海から潮風が流れてくる。

ここはアメリカの小さな田舎町
「ケープコッド」
闇夜に包まれたこの街に朝日に照らされる。

赤い二階建ての家の窓に、カーテンを貫くように太陽が差し掛かる。

「う…ん…」

大きな布団に埋もれた小さい何かが、唸り声を上げながらモゾモゾと動く。

ダッフィー「うー…ん」

少し動いた後、茶色い毛玉が顔を出す。
顔には見覚えのある模様。小さなこぐまが大きくあくびをする。

ダッフィー「ふぁ〜あ…もうあさ…?」

ミッキー「おはよう!ダッフィー!さ、朝ごはんを食べよう!」

ダッフィー「…ミッキー…?ぼくまだねむい…」

ミッキー「だーめ!もう2人も起きてるよ!」

ぼくの名前はダッフィー。この眠そうにしてるテディベアがぼくだよ。
そしてそのぼくの手を引っ張っているのはミッキー。ぼくの大切な友だち。

ダッフィー「ミッキー…ねむいよぉ…」

ミニー「あらあら、とてもお寝坊さんね。」

シェリーメイ「もうダッフィー。おきなきゃごはんがたべられないよ?」

ミニー「ほら、ダッフィー!起きないとダッフィーの分まで食べちゃうぞぉ!」

ダッフィー「ま…まって!たべないでよミッキー…!」

このピンク色のくまはシェリーメイ。ぼくとおなじテディベアで大切な友だちなんだ。
となりの黄色い服を着てるのはミニー。ミッキーのとても大切な友だちで、ぼくの大切な友だち。

ミッキー「ああ…ミニー、今日もキュートキュートだね…」

ミニー「ちょっとミッキー、こんな朝から言うのはどうかと思うわよ。2人が見てるわ。」

ミッキー「ぜんっぜん大丈夫さ!ミニーの顔を見るだけでも超絶素敵な朝を迎えられるからね!」

ミニー「うふふ。とっても嬉しいけど…ご飯冷めちゃうわよ?」

ミッキー「あ!いけないいけない!せっかくのミニーの手作り料理を…」

ダッフィー「またはじまったよ…」

シェリーメイ「もうふたりがイチャイチャしてるのあきちゃった。」

…こんな感じで、朝から晩までミッキーとミニーはとっても仲良しなんだ。…ちょっと良すぎる気がするけど…

ミニー「今回はメディテまで行くの?」

ミッキー「うん。友だちと約束してるからね。ダッフィーも一緒だよ。」

メディテって言うのはイタリアのメディテレーニアンハーバーのこと。そこにはぼくの大切な友だちもいるんだ。

シェリーメイ「ねぇ!わたしもいっついて行ってもいい?」

するとシェリーメイが声をあげる。

ミッキー「いいけど、船酔いとかあるし、ミニー…」

ミニー「私は大丈夫よ。こっちもデイジーと約束があるから。」

ミッキー「それじゃあ、いっしょに行こうか!」

ダッフィー「いっしょに旅ができるね!」

シェリーメイ「うん!ジェラトーニにも会える!」

ぼくたちはケープコッドの港に停めてある船「フレンドシップ号」にのる。

ダッフィー「あれ?あそこにいるのは…」

ティッピー「ふあ〜あ…いい天気だなぁ〜…」

この鳥さんはティッピー。色んな世界を渡るポストマンなんだけど、ちょっと抜けてるところがあるんだよね。

シェリーメイ「ダッフィー?」

ダッフィー「しー。」

ぼくはティッピーに気付かれないようにゆっくり足を忍ばせる。

ティッピー「…ここは向こうと比べてのどかよな〜。この場所を知らないポスト仲間も多いし、穴場なんだよね〜」

ティッピー「いやぁ、オイラがケープコッド勤務で良かったよ〜」

ダッフィー「わぁ!」

ぼくは息を溜め込んで勢いよくティッピーを驚かせる。

ティッピー「ふぎゃあ!」

驚いたティッピーは翼を大きく慌てて羽ばたかせる。そのせいか羽があちこちに散っていく。

ダッフィー「えへへ。おどろいた?」

ティッピー「お…驚かすなよォ!来ていたなら先に言ってくれ!」

ダッフィー「あはは。ごめんねティッピー。」

ミッキー「やぁティッピー!今日も手紙を持ってきてくれたのかい?」

ティッピー「え!?」

ダッフィー「?」

ティッピーは少し驚いた顔をして、少し間をあけて話し始める

ティッピー「え…と…あ!いやこのケープコッドに用があるのは間違いなけど、別にミッキーたち宛の手紙はないんだけど…」

シェリーメイ「…」

ティッピー「と…とにかく!オイラはまだ仕事が残ってるから、また会おうぜー!」

そう言うと、ティッピーは急いで翼を羽ばたかせ、空へ飛んで行った。

ダッフィー「…きゅうけいしてたのかな?」

シェリーメイ「…たぶんそうだとおもう。」

ぼくたちはフレンドシップ号に乗る

ミッキー「行ってくるね!ミニー!」

ミニー「気をつけて行ってきてね!」

ダッフィー「ミニー!いってきます!」

シェリーメイ「いってきます!ミニー!」

ミニー「3人とも!行ってらっしゃい!」

フレンドシップ号の錨を上げ、帆を張はれば船は風に乗って動き出す。

ミッキー「いざ、出航!」

ダッフィー「しゅっこー!」

シェリーメイ「しゅっこー!」

だんだん遠ざかっていくケープコッド。
広く感じたケープコッドが今みるととても小さく見える。

ミッキー「シェリーメイ?大丈夫?船酔いしてない?」

シェリーメイ「うん、だいじょうぶ!」

ミッキー「なら、このままイタリアへ行くよ!」

ダッフィー「いえっさー!」

シェリーメイ「いえっさー!」



海の上でしばらく時間が経つ。

ダッフィー「ねぇ、ラジオきいてみる?オルからかりてるんだ。」

シェリーメイ「ラジオ?なにそれ。」

ぼくはリュックサックから四角い緑色のラジオを取り出す。

ダッフィー「えっと…たしかこのまるいところをまわせば…」

ラジオのダイアルを回す。けれど砂嵐の音だけで全然繋がらない

シェリーメイ「つながらないの?」

ダッフィー「おかしいな…うみのうえでもつながるっていってたんだけど…」

「…づいては本日のニュースです。」

ダッフィー「あ!つながった!」

ようやく音と女の人の声が出てきた。

「先程、ニューヨーク市のアメリカンウォーターフロン

周辺において、正体不明の人物を目撃したとの情報が入りました。」

ダッフィー「アメリカンウォーターフロントって…」

シェリーメイ「ステラとクッキー、だいじょうぶかな…」


ダッフィー「なんだかしんぱいだね…」

「なお、正体不明とされるその人物は、飲食店を狙った襲撃事件の犯人と同一人物である可能性が高いということで…」

…正体不明の人物…
最近色んな世界で目撃されていて、今やってるニュースはその話題ばっかりな気がする。
今言ってた飲食店ばかりじゃなく、学校、病院、会社、さらには公園とか、色んなところで襲撃事件を起こしてはその正体不明の人物が原因とされている。

「今までの襲撃事件を起こしたその人物の特徴として、体から金色の紐のようなものが出ていたり、紫色の結晶が突き出しているのが大きな特徴なんですよね。」

ダッフィー「…そういえばリーナがいってたよね…」

「神と魔王復活せし時、この世は魑魅魍魎と化す。光は鬼神に、闇は魔物に生まれ変わり、浮世に天変地異をもたらすだろう。」

シェリーメイ「たしか…ちみもうろうってかいぶつっていみなのよね?」

ダッフィー「うーん…そうだっけ…?」

なにか違うような気がするけど、だいたいあってるような気もする。  


「もしこのような特徴をもつ人物を目撃したら、この番号もしくは…」

ミッキー「大丈夫だよ2人とも。きっと友だちは無事だから。」

ダッフィー「なんでわかるの?」

ミッキー「信じているからだよ。ぼくがいない時、ぼくの友だちは色んなことに巻き込まれたことがあったんだ。くは友だちはきっと

無事なんだって信じたんだ。今だってそうだよ。もしかしたら例の人物に襲われているかもしれない。」

ミッキー「けれど、それでも信じるんだよ。ぼくの大切な友だちだから。」

ダッフィー「…そうだよね…うん!きっとだいじょうぶ!」

シェリーメイ「わたしもしんじる!きっとだいじょうぶだよ!」

そうだよ。ミッキーの友だちだって、信じてるから今があるんだよね。

…でも…もしも、本当に友だちに何かあったら…それが現実になったら…

シェリーメイ「…」

ミッキー「ダッフィーシェリーメイ!見えてきたよ!」


ダッフィー「あ…わぁ!」

まだ少し遠いけど、イタリアの街が見えてきた。

ダッフィー「ねぇ、ついたらまずなにする?」

シェリーメイ「もちろん!」

ダッフィー「ジェラトーニにあいにいく!」
シェリーメイ「ジェラトーニにあいにいく!」

ミッキー「ぼくは友だちと約束ごとがあるから、2人で行ってきてもいいよ。ただし、遠いところや暗いところに行かないようにね。」

ダッフィー「はーい!」
シェリーメイ「はーい!」

たくさんの船が停まっているメディテレーニアンハーバー。なんだかいつもよりにぎやかな気がする。

ダッフィー「なんだかいろんなおみせがあるよ?」

ミッキー「もしかして…今日は新月の日なのかな?」

シェリーメイ「しんげつのひ?」

「本日は新月の日。メディテレーニアンハーバーではザンナ・デギリ・インフェリが行われます。この祭りは…」

ダッフィー「あ、ラジオきりわすれてた。」

大事なことをいってるラジオの電源をぼくは切ってしまう。

ミッキー「ダッフィー、シェリーメイ。日が落ちる前には帰ってくるんだよ。」

ダッフィー「う…うん。」

ミッキーは少し顔を曇らせる。どうしたんだろ?

ダッフィー「きょうはなにかあるの?」

ミッキー「うん…ぼくもよくは知らないんだけど…」

フレンドシップ号は停泊所にふねを停める。



ミッキー「到着だね!」

ダッフィー「やっとついた〜」

シェリーメイ「ジェラトーニいるかな〜?」

周りを見渡すと、変な服装をした猫の人達がいっぱいいた。
ザンナデリギ…だっけ?なんだか不思議な
名前だけど、何かのお祭りかな?

シェリーメイ「おまつりだったらいってみたい!」

ミッキー「うーん。やるのは夜中だから厳しいかもね」

ダッフィー「がんばってよふかしする。」

ミッキー「だめ。大きくなれないよ。」

ミッキー「とにかく!今日は友だちといっしょにホテルに泊まるから、夕方までには帰ってくるんだよ?わかった?」

なんだか思い詰めてるような気がする。そんなにこのお祭りが嫌なのかな?


シェリーメイ「わからないけど、たぶんいやなかんじになってるのだとおもうわ。わたしもなんだかむねがざわざわしてるの。」

ダッフィー「そうなの?」

とりあえず。ミッキーにはジェラトーニに会ってくるって言って、その場を後にした。
夕方には帰ってくるようにって何度も言われながら。

シェリーメイ「

ダッフィー?それはなに?」

ダッフィー「これはね、キッズケータイっていうものなんだって。ほんもののでんわみたいにつかえるんだよ。」

シェリーメイ「じゃあそれさえあれば、ミッキーにすぐでんわできるね!」

シェリーメイ「わたし、ミニーにかけてみたい!できる?」

ダッフィー「うん、できるよ。」

ぼくはミッキーに言われた通りに操作して、ミニーに電話をかける。

ダッフィー「はい、これででんわができるよ。」

シェリーメイ「もしもし?ミニー?」

ミニー「あら?その声はシェリーメイね?イタリアに着いたの?」

シェリーメイ「あれ?ミニーのこえ…ちっちゃいよ?」

ダッフィー「シェリー…みみにあてながらしゃべるんだよ…?」

…テレビ電話じゃないから声が小さいのは当たり前だよ…
改めてシェリーメイはケータイを耳元に当てる。

ミニー「…それでどお?ミッキーは友だちに会えてた?ジェラトーニも会えたの?」

シェリーメイ「ジェラトーニにはまだあえてないの。ミッキーはおともだちといっしょだよ!」

ミニー「じゃあ今、2人は別行動してるのね。はぐれたりしたらダメよ?」

シェリーメイ「うん。わかった!」

その時、ぼくは目線の先にいる猫に目が止まった。
ダッフィー「あれって…?」

緑色の毛皮、長いしっぽ、顔にどこかで見たことあるような模様。

ダッフィー「ジェラトーニ…?」

間違いない!あれはジェラトーニだ!

テラティーヌ「…」

ジェラトーニみたいな猫は急いで走り去っていく。

ダッフィー「まって!」

ぼくは電話中のシェリーメイを置いてジェラトーニの後を追う。

猫のおじいさん「うわっ!」

ダッフィー「わぁ!」

横から来た猫のおじいさんが急に転ぶ。
紙袋に入っていた食べ物が一気にバラける。

テラティーヌ「…!」

ダッフィー「ご…ごめんなさい!だいじょうぶ…?」

猫のおじいさん「いたた…ああ、大丈夫だよ。いやー参ったね…」

ダッフィー「ぼくひろうよ!」

ぼくは散らばった野菜や果物をひろう。

猫のおじいさん「おお、ありがとう!こんや、孫たちに食わせるつもりだったんだよ。」

テラティーヌ「Anche io…!」

するとジェラトーニもいっしょに荷物を拾い集める。

ダッフィー「これで全部かな…?はい!」

テラティーヌ「ecco…!」

猫のおじいさん「2人とも、どうもありがとう!」

ぼくはおじいさんに手を振る。
そしてようやくジェラトーニに気がつく

ダッフィー「あれ?ジェラトーニ!てつだってくれたんだね!ありがとう!」

テラティーヌ「Gelatoni…?」

ダッフィー「ん?どうしたの?ジェラトーニ?」

ジェラトーニはオドオドしながらボソボソと喋り出す。

テラティーヌ「あ…io...non sono Gelatoni...」

ダッフィー「え?ごめんきこえなかった。いまなんて?」

コツン
ぼくの頭に何かが当たる。

ダッフィー「いてっ!なに?」

ぼくの目の前に星が降ってくる。
手のひらを添えると星はゆっくりと落ちながらぼくの手のひらのうえにとまる。

ダッフィー「なんだろこれ?」

その星を持ってるうちに、なんだか不思議な気持ちになってくる。
すごく幸せな気持ちになるような…

テラティーヌ「…きらきらぼし…」

ダッフィー「え?これ、きらきらぼしっていうの?」

カプティーヌ「あ…え…」

ピカッ!

ダッフィー「え?!」

そのきらきら星は強く光り出したあと、青いブローチに形を変えた。

ダッフィー「うわぁ…!」

テラティーヌ「きれい…!」

さっそくリボンにブローチをつけてみる。

ダッフィー「どお?にあってる?」

テラティーヌ「すてき!」

ダッフィー「ジェラトーニもつけてみる?」

テラティーヌ「あ…え…わたし…」

シェリーメイ「ダッフィー!ジェラトーニ!もう!おいていくなんてひどい!」

シェリーメイが怒りながらぼくたちと合流する。
…そういえば忘れてた。

ダッフィー「ご…ごめん!シェリー!忘れてた…」

シェリーメイ「もう!…あら?そのブローチ、とてもふしぎ…」

ダッフィー「きらきらぼしっていうんだって!そうだよねジェラトーニ?」

ジェラトーニ?はまたオドオドしだす。

テラティーヌ「D…Diverso! Non sono Gelatoni!」

ダッフィー「ねぇ…さっきからなにいってるの…?」

シェリーメイ「…もしかして…ジェラトーニじゃないんじゃない?」

ダッフィー「え!?そうなの!?」

ドーン!
突然、大きな爆発音が鳴り響く。

シェリーメイ「きゃ!」

ダッフィー「な…なにこのおと!?」

カプティーヌ「…?!」

ドカーン!
ぼくは音のする方向へ耳を傾ける。

ダッフィー「あっちだ!」

シェリーメイ「まって…うっ!?」

テラティーヌ「あ!ダッフィー!」

ぼくは爆発音が聞こえる方に行こうとするけど、ジェラトーニ?に引き止められる。

ダッフィー「あ…シェリーメイ!?だいじょうぶ!?」

シェリーメイ「…だいじょうぶ。でもあぶないよ!ミッキーのところへ…ああ!!」

悲鳴をあげるシェリーメイ。
ぼくはシェリーメイが見ているものへと振り返る。

ダッフィー「!?」

テラティーヌ「あれ…は…」

ドスン…!ドスン…!

暗い小道に紫色に光るものが見える。

ドスン…!ドスン…!

大きな足音とともに、ゆっくりとこっちへ向かってくる。

ドスン…!ドスン…!
影から現れたのは四足歩行の…モンスター。

デーモン「ニクイ…ニクイ…ニクイィィィィ!」
そのモンスターは声を荒らげながら言葉を吐き散らす。

ダッフィー「むらさきいろの…!」

シェリーメイ「クリスタル……!」

ラジオで言っていた特徴そのものだった。
通報しようにもぼくたちは怖くて動くことさえできなかった。

デーモン「ニクイ…ニクイ…」

ダッフィー「あ…あ….」

誰かに足を抑えられているわけじゃないのに、ぼくは恐怖のあまり、身体を動かすことが出来なかった。

テラティーヌ「Fuggire!」

ダッフィー「…!シェリーメイ!ジェラトーニ!逃げろぉー!」

ジェラトーニが大きな声で叫ぶ。何を言っているのか分からない。
でもぼくたちはその言葉の意味を理解したかのように我に返り、必死に身体を動かす。

シェリーメイ「ダッフィー!」

ぼくたちが逃げ出すと同時に、そのモンスターは勢いよく地面を叩く。

デーモン「ニクイィィィ!」

ドスン!!

ダッフィー「うわぁ!」

シェリーメイ「きゃあ!」

テラティーヌ「うわぁ!」

ドン!

ダッフィー「ふぎゃ!」

一瞬だけ身体がふわりと浮かぶ。そして地面に激突する。

ダッフィー「あいたた…」

シェリーメイ「きゃぁ!」

気がつくとシェリーメイがモンスターに捕まっていた。

シェリーメイ「助けて!助けてぇ!」

ダッフィー「シェリーメイ!!」

テラティーヌ「あ…ああ…」

ダッフィー「シェリーメイをはなせ!」

ぼくはそばにあった木の棒を使って攻撃する!

ダッフィー「シェリーメイをはなせ!」

シェリーメイ「ダッフィー…!」

デーモン「ニクイィ!」

ゲシッ!

ダッフィー「うわぁ!」

ぼくはモンスターに吹き飛ばされる。けれどぼくは必死にそのモンスターに攻撃する。

シェリーメイ「ダッフィー…にげて…!」

ダッフィー「いやだよ!ぼくのともだちをはなせ!…おまえなんかこわくないぞ!」

デーモン「ニクイィ!」

ズズズ…!

ダッフィー「あ…!」

もうぼくの上にはモンスターの足の裏側が見えていた。
モンスターはぼくを踏み潰そうとする。

テラティーヌ「ダッフィー!」

シェリーメイ「いやぁ!ダッフィー!」

…いやだ…せっかく…せっかくミッキーとイタリアに来たのに…

ともだちだって…ぼくたちを待ってるのに…

…神さま…

ぼくに…

力を…


一方その頃


ピカッ!


ミッキー「ん?」

グーフィー「うん?どうしたの?ミッキー?」

ミッキー「あそこ、今一瞬光らなかった?」

ドナルド「そお?見間違えじゃない?」

ミッキー「…」



…ぼくはモンスターに潰されてしまった。
もう大切なともだちには…ミッキーやミニーには…

「そんなことないよ。」

え、だれ?

気が付くと、ぼくは真っ暗な空間の中にいた。

「きみは大丈夫。」

なにがだいじょうぶなの?

「今の君なら、あの人を助けることができる。」

助けるって、あのモンスターを…?

「自分を、信じるんだ。」

その子供はぼくの声、ぼくの姿にそっくりだった。
逆光してしてよく見えないけど、まるでぼくの写鏡のようだった。

ダッフィー「…きみは…だれ…?」

「ぼくは…君の…」



デーモン「グギャアァァァァァァ!!!」

ダッフィー「!?」

モンスターの鳴き声と同時に、ぼくは目を覚ました。

気がつくとモンスターは炎に包まれていた。
そのモンスターは熱さに耐えきれず、動き回っていた。

ダッフィー「…」

シェリーメイ「ダッフィー!」

テラティーヌ「ダッフィー!」

朦朧としていた僕の意識は2人の呼び声で完全に覚めた。

シェリーメイ「ダッフィーだいじょうぶ!?」

ダッフィー「…あ!シェリーメイ!?シェリーメイこそだいじょうぶ!?」

デーモン「アアア!ニクイィ!ゼンブがニクインダァァ!」

モンスターの全身から炎が消える。

デーモン「ニクイニクイ、スベテガニクイィ!」

シェリーメイ「あのひと、なんだかかなしんでいるみたい…」

突然シェリーメイがポツリと言い出す。

ダッフィー「え?なんで分かるの?」

シェリーメイ「わからないの…でもきこえる!あのモンスターからかなしいこえがきこえるの!」

シェリーメイだけがきこえるあのモンスターの声…どうして悲しんでるんだろ…?

テラティーヌ「ダッフィー!」

ジェラトーニ?がぼくのもつ木の棒を指さす。
その木の棒は金色のような光を放っていた。

ダッフィー「え!?これって…?」

デーモン「スベテガ!ニクイ!!」

モンスターがぼくたちの方へ突進してくる!

ダッフィー「うわあああ!」

「今の君なら…」

ダッフィー「あ…」

あの言葉が脳裏に浮かぶ。
もしかしたら、この金色の棒で…

シェリーメイ「!?ダッフィー!あぶないよ!」

ダッフィー「うわあああ!!」

ぼくは覚悟を決めた。2人を守るために、そしてここにいる人たちのために。

ダッフィー「やぁぁぁぁ!!!」


ズバァ!


デーモン「グァァァァァ!!!」

ぼくが木の棒を縦に振り下ろすと、モンスターは真っ二つに切れた!

ダッフィー「う…うわぁっ…と…」

勢い余って少し転びかけた。

ダッフィー「あ…」

後ろを向くとモンスターは黄色い光に包まれる。
まるで天に昇るように、光に溶けていった。

ダッフィー「…たお…したの…?」

シェリーメイ「ダッフィーが…モンスターを…たおした…」

テラティーヌ「あ…あ…」

しばらくぼくたちはなにが起こったのか、理解するには少し時間がかかった。
いつの間にか、金色の棒が元に戻っていた。

ダッフィー「…帰ろっか…」

シェリーメイ「うん…」

テラティーヌ「…きらきらぼし!」

ジェラトーニ?が空へ指を指す。そこにはさっきと同じ星が宙を舞っていた。
ぼくはゆっくり落ちてくる星をキャッチする。

ダッフィー「これ、なんなんだろう?」

シェリーメイ「うーん…リーナにきいてみる?」

テラティーヌ「Lina…?」

ジェラトーニ?が不思議そうにぼくたちを見つめる。

ダッフィー「ねぇ、さっきからジェラトーニ、ようすがへんだよ…?」

テラティーヌ「あ…」

ダッフィー「まるで…別人みたい!」

ジェラトーニ「いたいた!やっと見つけたよ〜!」

すると、どこかで聞き馴染みのある声が向こうからやってくる。

ダッフィー「あ、ジェラトーニ〜!なんだかこのジェラトーニ、ジェラトーニじゃないみたいなんだよ〜!」

ジェラトーニ「ジェラトーニはぼくだけど?」

ダッフィー「え?」

ジェラトーニ「え?」

シェリーメイ「ふしぎ…なんだかこころがふわふわしてくるような…」

あれ?なにかおかしいな。
そんな気をよそにシェリーメイはじっときらきら星を見つめている。

ダッフィー「えっと…ぼくたちといっしょにいるのがジェラトーニで、いまきたのがジェラトーニなんだよね。」

ジェラトーニ「何言ってるんだよダッフィー。ジェラトーニはこの世で…」

テラティーヌ「Scusa!」

もう1人のジェラトーニ?は大きな声をあげると急いで逃げていった。

ダッフィー「あ、まって!」

ジェラトーニ「いいよダッフィー。また今度会えるよ。」

追いかけようとするぼくを止めるジェラトーニ。

ダッフィー「え?なんで?」

ジェラトーニ「まぁ…またこんど会えると思うからさ。」

そう言うとジェラトーニは少し苦い顔をする。

シェリーメイ「…」

ダッフィー「そうなんだ!ジェラトーニはあのこのことしってるの?」

ジェラトーニ「まぁちょっとね。それよりさ、さっきすごい音がしてたけどどうしたの?」

ダッフィー「えっと…」

ぼくはジェラトーニに今起きた出来事をシェリーメイと一緒に話した。

ジェラトーニ「え?!じゃあその怪物は天国に行っちゃったってこと!?」

ダッフィー「それはわかんないけど…たぶん…」

ぼくがそう言うとジェラトーニは深く考える。

ジェラトーニ「ふぅん…怪物に金色の棒ねぇ…リーナに聞かないと分からないかなぁ…」  

ダッフィー「そうだよね…」

ジェラトーニ「それにそのきらきら星のこと、もしかしたら聞いたことあるかも…」

ダッフィー「ほんとに!?」

ジェラトーニ「「幸せ有りて星落ちる」この辺じゃよく聞く話だけど、関係があるかもしれない!」

ダッフィー「メディテにそんなこととばがあるだね!」

ぼくはそう言うときらきら星を持っているシェリーメイに体を向ける。

ダッフィー「そーいえば、そのきらきらぼし、おじいさんをたすけたときもふってきたよね。」

ピカッ!!

その時、きらきら星が輝き始める。

ダッフィー「うわぁ!!」

シェリーメイ「きゃあ!!」

ジェラトーニ「ぎゃ!!」

光り輝くきらきら星は周りに虹色の粉を振りまき、その粉は怪物に壊された建物や道路を直していき、怪物に襲われた跡をひとつ残らずけしていく。
そして役目を終えたきらきら星は、ぼくの星型のブローチに吸い込まれていく。

ダッフィー「…う、うん?」

シェリーメイ「あれ!?まちがもとどおりになってる!」

ジェラトーニ「ほんとだ…さっきまでガレキだらけだったのに…」

ぼく達が目を開ける頃には、すっかり元通りになっていた。

ダッフィー「もしかして、きらきらぼしのおかげ?…ってあれ、きらきらぼしがない!」

ぼくはそう言うと、突然ポケットの中のブローチが光る。

ダッフィー「このブローチ、あったかい…」

ダッフィー「きめた!ぼく、きらきらぼしをたくさんあつめる!そのために、たくさんひとだすけをして、たくさんかいぶつもやっつけるんだ!」

このきらきら星には、どうしてか分からないけど、なにかいいことが起こりそうな気がしてならないんだ。

シェリーメイ「…」

ぼくがそう言うとシェリーメイは少し俯く。



今日は色々なことが起こりすぎて少し疲れちゃったけど、ひとつの目標が出来た。
まだまだ分からないことが多いけど、きっといつかわかる日が来るよね。
…そして、この出来事がきっかけで、ぼく達の運命が大きく変わっていくことを…
ぼく達は、まだ知らない。

つづく

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「She name is ShellyMay」



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