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アンリーのことを思う日
今年初めて梨を食べた。
ほとんど料理をしないけど、果物は剥く。
アンリーにはスイカの皮に近いあまり甘くないところをよくあげた。
瓜の感じがよくする薄い赤のスイカをいつも一瞬で食い尽くした。
ひじきはスイカの1番甘いところも、小さく刻んだ梨も絶対に食べようとしない。
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ひじきが喜ばないとわかっている果物を、剥くたびにおすそ分けしたくなるのは、アンリーに会いたいからなのかもしれない。
「アンリーも」でも「アンリーは」でもいいから、思ったり、話したりしたい。
「アンリーならすごい喜んでいくらでも食べたがるのに!」
どんな風に?
こんな顔で、こんな動作を、って鮮明に再生することができなくなってきてる。
それが寂しくてたまらない。
アンリーが死んでしまってから今日で10年。
迷わず天国に行けるようにお祈りしてくださいって言われてそれが1番の願いだった時、わたしは心の中で「絶対にアンリーがずっと1番大好きだよ。このあと他の子と暮らすことがあったとしてもそれは変わらないよ」って伝えた。
今はひじきとごまとまめが一緒にいてくれて、我慢できず「1番大好きだよ」ってこの子達に伝えるけど、その度に「本当は1番はアンリーだよ」って付け足してる。許してくれるだろうか。
人が好きで、犬は好かぬという犬だ。
許してくれないかも。
夢でもいいから会えるように、たくさんアンリーのことを思うよ。
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