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オマーンのネクロポリスとウバール(乳香の道)

Bat Necropolis and Beehive Tombs
https://maps.app.goo.gl/d3hS5HA3VZHcXq8KA?g_st=ic

The Lost City of Wubar
https://maps.app.goo.gl/Gd4hozyvF7r5WwFQA?g_st=ic

アラビア半島を旅する楽しみは、手付かずの歴史的&自然遺産である。
アラビア半島にはUNESCOに指定された世界遺産以外にも世界遺産級の歴史的&自然遺産がそのままの形でいい意味で“放置“されている。誰でも数千年の歴史を秘めた遺産に生のままでアクセスできるのだ。

しかし、歴史や地政学を学んでから行かないと、解説などの看板が未整備なので、ただの“産廃現場“を見ただけで終わる。深く観るためには、当時の状況などの想像力、あるいはそれ以上の妄想力(笑)が必要となる。

尤も、歴史を深く知らずとも、そこの現場に行くまでが楽しみという楽しみ方もある。マスカトの古い歴史のあるマトラスークを見に行くついでに、このネクロポリスに立ち寄ってみた。暑い外に出て古代の墓を見てもしょうがないと言う山の神は車で涼しく祀っておいて、息子と二人でペットボトルを持って外気温40度の外に出て山に登った。息子とのいい思い出になった。この旅はネクロポリスを見て、マスカトのホテルで泳いでドバイに帰る旅だった。

アラビア半島はいつも快晴で雨が降らないと思われがちだが、オマーンはアラビア海に面して3,000m級の山脈がある。モンスーン気候で一時期に大量の雨が降り、道路脇にプカプカ車が浮いている時期がある。たまに雨が降るため、オマーンのアラビア海側は農業が盛んだ。日本にもインゲン豆などの農産物が端境期に輸入されている。南の都市のサラーラでは雨が多く降り温暖なため日本のメロンも作られている。

次の旅は娘の英国留学が終わったので、ドバイを拠点に英国と日本(東京と京都)の3拠点を管理する必要がなくなったので山の神が日本に帰った後の一人旅だ。自由が得られてラッキーw
2016年の9月に1週間かけて3400kmを走破した旅だ。ドバイからオマーン国境を超えて、サラーラへ向かった。オマーンの砂漠の道路の入り口まで400kmを走り、そこで1泊して一気に1,000kmの道を走るので、気合を入れて朝4時にホテルを立って砂漠道路に出たものの、市街地を抜けると星も月も無い真っ暗な夜でヘッドライトだけが頼りだった。
対向車も無くこんな時にUFOにさらわれるんじゃないかと心細くなり、夜明けと共に出ればよかったと後悔した。前にも一度、サウジ国境の砂漠地帯に山の神と共に出かけて、国境地帯から帰るのが遅くなり、真っ暗な中を走行して冒険嫌いの山の神から相当怒られた記憶が蘇った。もし、山の神と一緒の旅ならば、寝坊と化粧で2時間は遅れて夜明けに出発しただろうなと想像した。

夜が明けて砂漠の道路をサラーラに向けて走る

1時間半ぐらい真っ暗な砂漠を走ると夜が明けてきて、対向車もちらほら出てきたので寂しく無くなった。砂漠の道は50km置きにガススタンドがあり、エンコして歩いても25km範囲内なので水さえあれば歩ける距離だ。そんなことしなくてもここの国の人はみんないい人だから、ヒッチハイクで目的地まで乗せてもらったほうがいい。レッカー車を待ってたら砂漠の炎天下で1日待ちぼうけする羽目になる。
それで用がなくてもガススタンドに立ち寄って少しだけ息抜きをした。途中、英国が開いたスムライト空軍基地の手前でウバールの道へと入る。往復で100kmの寄り道だ。サラーラはフランキンセンス(乳香)の産地であり、それを地中海の港へ運ぶ宿場町の遺跡がウバールだ。

英国が拓いたスムライト空軍基地

ウバールで遺跡を見て、事前の期待値が大きかったので少しガッカリしてwスムライト基地の近くの本道に出てきた。
しばらく走っていると、戦闘機の爆音が後ろから聞こえてくる。車の頭の上を通過して、走っている道路の自分の目の前で低速・低空でUターンして爆音を上げて車に向かってきた。パイロットが見える距離ですれ違った。英国製の車を運転していたので、きっと基地の友達の車と勘違いしたのかなと想像した。しかし、戦闘機に追っかけられたら、砂漠じゃあ逃れられないことがよく分かった。
基地は標高500mの盆地にあり、車はこれから800mの峠を越えて、そこから一気に0mの海岸へ下る道を進んだ。

サラーラへ向かう峠の検問所

峠には検問所があり、ドバイの怪しいナンバーの車で怪しい外人が運転しているのでヤッパリ停められた。書類を記入したらすぐに無罪放免。紅茶でも出してくれるかなと思ったが、同僚との無駄話しで忙しいみたいだった(笑)

峠を越えて山を下っていくと、雨が降り出した。
下に降りていくと、街の郊外は農業地帯であり、プランテーションの中にバナナの樹が鬱蒼と茂っていた。

The Museum of the Frankincense Land
+968 23 202566
https://maps.app.goo.gl/XJoCtbKBa3LnpdPw5?g_st=ic
ホテルにチェックインして、フランキンセンスの公園に行き、男の鼻には臭い臭いフランキンセンスのエッセンスを購入して歴史的遺産を巡って帰った。

Gravity Hill Salalah | نقطة انعدام الجاذبية
https://maps.app.goo.gl/kgYE1jrdjp1aQaBc7?g_st=ic
ドバイに帰り着いて、サラーラに行ったと言うと、重力が反対に効いている坂に行ったか?と聞かれて初めてその存在を知った。世界にいくつか場所があるらしいが、そこは有名どころらしい。悔しくてもう一回サラーラに現場検証に行かないと死ねないなと。今度サラーラにいく時は、ドバイからトラックに車を積んで陸送してもらうという手段もあるので、楽して一気にサラーラに飛ぼう!

Ras Bintawt, Al Khaluf, Oman
https://maps.app.goo.gl/X2KQh6aSq6k4gJbk6?g_st=ic
帰りは海岸沿いを舐めるようにゆっくりと走った。
サンゴの欠片でできた白い砂浜を見ようと本道から外れて砂利道を行くが、途中から砂道になり、スタックしそうになったので、今度は、ランクルぐらいの車で来るしかないなと車のお尻をフリフリしながら泣く泣く引き返すことになった。

Thousand Nights Camp Site

رمال الشرقية
https://maps.app.goo.gl/yRQcFEe11ww7Fhky9?g_st=ic

オマーンの壮大な砂丘の真ん中にあるキャンプに下見に行こうとしたら、入り口でスタックして、現地の人の車に助けてもらった始末。高級キャンプなのに、FF車では行けないとは残念。ここも出直してくることにした。

Wadi Bani Khalid Pools & Cave
https://maps.app.goo.gl/oSAJNUbkcEnkhhGG7?g_st=ic
山の中に、普通の車で行ける桃源郷があると聞いたので、行ってみた。
散策するだけで、泊まることは出来なかった。乾いた大地を走ってきたので、ただ水に触れるだけで気持ちが安らいだ。

その他、たくさんの“古代“の歴史的に続いている生活が手付かずで残っているオマーンに行ってみたくなっただろうか?

Falaj Daris | فلج دارس
https://maps.app.goo.gl/r7yXXKVddbphpRLi9?g_st=ic
最後に、アラビア半島に残るペルシャの遺産として、カナートの一つが残されているのを紹介して終わりにしたい。日本の近代風な生活のアンチテーゼとして、水と共に素朴な生活をしている人々の生き様を見に行くのも、ある日本人には安らぎになるだろう。(了)今回は落ちが無いかなw

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