見出し画像

アラビック・コーヒーをあなたに

(1300字)
世界を廻ると、さまざまなコーヒーに出くわす。
中東では、国により紅茶派とコーヒー派に分かれている。その文化圏の違いを見ると、イランやイラクのクルド、東部トルコなどは紅茶派であり、ペルシャの文化圏は断然紅茶が多く飲まれている。これに旧宗主国の歴史も加えて見ると、エジプトやレバノンなどは英国やフランスの紅茶文化がミックスされている。

アラビア半島は、イエメンのモカを擁する地であり、ほぼ、コーヒーが飲まれている。もちろん、ビジネスとしてヨーロッパの紅茶メーカーが進出してはいるが、お土産用が主流で、そんなに普段から飲まれている現場を見たことは無い。

アラブ人のいる訪問先に着くと、まずはとアラビック・コーヒーとデーツが出される。(ちょっと脱線するが、イランだとウエルカムはキュウリであり、3、4本食べないと話しを聞かないと先方に言われていたw因みに、キュウリはメロンと同格の食べ物らしいw)
アラブ人は作法にうるさい。日本の茶道と同じで、まずはデーツをかじって(和菓子を半分かじって)それからコーヒーを含む(濃茶を飲む)という作法らしい。

緑水庵(千玄室大宗匠が贈られた茶室)

ちょっと、日本茶の思い出を書くと、ここ10年ほど前から健康ブームに乗って、日本の緑茶が世界で人気を集めている。そのきっかけを作っていただいたのは大宗匠であり、中東では大宗匠からMBZ大統領に茶室を贈られたことも大きいだろう。

その昔、イランに行く前に京都・奈良を巡る、今は無き研修があり、京都では幸運にも大宗匠からお手前を頂いたことがある。その時、頂いたお茶碗を愛でる時に、両肘を畳に付けてからお茶碗を受け取って愛でるようにと注意を受けた思い出がある。その時に出して頂いた茶碗は大宗匠曰く、“価値がつけられないくらいの宝物“だったらしい。陶器は好きで、窯元巡りもしていた時期はあるが、どうも実用性ばかりに目がいき、芸術性のあるものは猫に小判のようで、残念ながら未だ違いがわからないままだ。

地球温暖化で南米のコーヒー産地が減少している!?

話しをコーヒーに戻すと、ブラジルのコーヒーは美味しいと思うが、地球温暖化で産地が減少しているそうだ。植えた木が若い豆はクセがなくてまろやか過ぎて、オジサンの口には物足りないものが多い。深く煎りすぎたSのコーヒーもあまり好きでは無い。
どちらかというと、エチオピア系の“酸っぱいコーヒー“が大好きだ。対極にあるのがベトナムコーヒーであり、これを飲むのは健康に取っては以ての外だw

アラビックコーヒーにはシナモンやスパイスが入っており、カフェインも多いが、アラブ人やインド人のように砂糖をいっぱい入れなければ、まさに健康飲料だ。デーツも感染症を予防する効果もあり、急激に血糖値を上げない最強タグで、ラマダン明けの初めの一口に最適な飲料と言える。

今年もラマダン明けのイード・アル・フィトル休暇も終わり、暑い夏を迎える前の中東だ。そろそろ燃えるような夏の季節とアラビック・コーヒーの味が恋しくなった。(了)

ラマダン・カリーム!@JJ作

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?