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観艦式にて

(1000字)
自分は普通のそこらへんを歩いているオジサンであり、また、軍事オタクでは無いが、若い頃からたまに海上保安庁の巡視船や海上自衛隊の軍艦、P3C、戦車、その他いろいろな物に乗せてくれた。
海外にいた時も外国の軍隊がいろいろと乗せてくれるが、海外の某軍港で日本の軍艦(護衛艦と練習艦と言わないといけないねw)に乗ったのは初めてだった。

巡視船の時には小学生の息子と一緒に出掛けて外洋に出た。そして、某北の船と見たてた敵船と、別の巡視船との間で捕物帳をやって見せてくれた。丁度、某北の船が巡視船に発砲して、それに対抗して巡視船が見事に沈めた事件の翌年だったので、海上保安庁もさすが時宜を得たイベントをしているなと感心した。

海上自衛隊はそんな“あざとい“ことはしない。半年から約1年間をかけて世界を巡り、世界各国の軍隊と交流、情報交換をするらしい。式典は護衛艦の前方に停泊している練習艦という名の軍艦の上で行われた。この練習艦には天皇陛下の鎮座する部屋があり、菊の御門の付いた、いわゆるお召し艦だ。中には入れてくれなかったので、外の窓から中を伺うだけだった。

艦上では、各国の武官やいろんな人が集まり、情報交換をする。もちろん寿司もでる。自称「スシポリス」であるが、食中毒を起こしてはいけないので、食材は日本から全部持参、それと海外の港で日本産食品を補給し、シェフもプロの自衛官だから、日本仕様の寿司が出る。味は外国人におもねる事もなく正統派の味であり、レッドカードもイエローカードも出す必要は無かった。ただ、ネタが少ないのは愛嬌だった。

若い自衛官と話しをする機会があり、以前は3隻で世界を廻っていたが、予算削減で2隻になったと。まぁ、護衛艦が付いているし、練習艦にも砲塔等の銃火器は付いているので、ソマリア沖海賊に襲われることは無いだろうとのことで2隻になったのだろう。

海賊には襲われることは無いだろうが、ストレス発散のため、上陸した時に飲み過ぎて、たまに若い乗組員が大虎になることがあるようだ。そんな大虎がイスラームの世間に現れたら捕物帳で現地のポリスに襲われてwお世話になることがあるらしい。貰い受けに行った時には流石の大虎も子猫に変身していると、友達が言っていた。
日本なら道路に寝ていても、大声で騒いでも捕まることは無いが、天皇陛下の名代としての乗組員なのだろうから、捕まった時にも、せめて優雅なペルシャ猫あたりに化けていて欲しい。(了)

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