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ドバイは家の中で雨が降る

(1000字)
お風呂の話しをNoteで読んで、思い出したことがある。
そう、ドバイでは、借りた部屋に1年以上住むと、そこでは必ずと言っていいほど経験することがある。夜中に家の中で大雨が降るのだ(笑)

寝ていると、夜中か明け方に遠くでザーッと音がする。外で雨でも降っているのかと窓の外を見ても星空だ。それで、音のするバスルームのドアを開けてみると、天井から滝のように雨が流れている。
最初の頃は慌てて、ビルを管理している当直のメンテナンスオフィスに電話して、すぐに来てもらい水の元栓を止めてもらう。そして、翌日朝からヒータータンクの入れ替え工事だ。天井をカッターで切り、器用に天井の大きなタンクを外して降ろす。

タンクのメーカーをみるとイタリア製だw見た目はカッコいいが、溶接が悪く、すぐに継ぎ目が破裂して水漏れするらしい。
それで、次は別のメーカーにしてくれと注文すると、溶接が旧共産圏の工場製らしく、不恰好で溶接跡が盛り上がっていて、容易に破裂しそうにないポーランド製にしてくれた。

ドバイは高層ビルが多く、50階建てとか72階建てのビルとかホテルに住んでいたので、火災にならないようにオール電化設備だ。それで、タンク容量も150Lぐらいの温水器のお湯でお風呂に入るのだ。
しかも、電気代節約のためなのか、火傷しないためなのか、温度はデフォルトで60度止まりに設定している。それで1回目をバスタブにお湯を張ると、冬なら次は50分ぐらい温めないとお湯が使えない。熱いお湯に浸かりたいときは、台所で大鍋にお湯を100度に沸かして、それをバスタブに追加で入れるようなことをしていた。

引越し先では1年住むと、必ず天井からの大雨の洗礼を受けるので、2回目からは慣れた、というより、うんざりして、部屋のオーナーに日本製にしたらと説明しても、高くて買えないらしい。安物買いの銭失いをいくら説いても、目先の出ていくお金の方が大事らしい。まぁ、長期的な経営感覚ゼロなのが中東流だ。
しかし、車は砂漠でエンコしたら命取り(レッカー呼ぶのが面倒)だから、どうも日本製がいいらしい。ここは自分のことだからしっかりしているw

自分たちも100均製品を多用するので、節約したい気持ちは分かるが、予告もなく、夜中に家の中で大雨を降らす100均製品には閉口だった。まぁ、身体が泡だらけの時にタンクが破裂しなくてよかったとしよう。(了)

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