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NOMAyado column

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兵庫県と徳島県、4年間の2拠点生活を経て、2022年1月から始まった宿プロジェクト。思いをカタチにしていく中で、何を考え、心がどう反応したのか、ありのままの記録と、宿をやっていく… もっと読む
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#おひとりさま

いいかげんがいちばん

あけましておめでとうございます。 1月5日より、2024年NOMAyadoの営業がスタートしました。 今年もどうぞNOMAyadoをよろしくお願いいたします。 鳴門に帰ってきて、まずは徳島県屈指と言われるパワースポット・大麻比古神社へ初詣。正月3が日には30万人もの人が訪れるそうですが、少し時期が外れていることもあってゆっくり参拝できました。 お参りの後、早速おみくじを引くと嬉しいことに大吉をゲット、今年もいい年になりそうな予感・・・。けれど読み進めてみると、個々の運勢は

才能とは、自然とできる行動のこと

元来、あまり自己肯定感が高い方ではない。 できることより、すぐにできないことを数えるし、たまに俺って天才と思うことがあっても、その考えはあっという間にスルスルと萎んでしまう。 先日、「自己理解」のコーチングというお仕事をされているお客様が来られた。 「自己理解コーチ」とは、やりたいことが見つからない、どう生きていけばいいのか分からない、そんな迷える若者に自分とは何者で、何が得意で、何が好きか、対話の中から、その人ならでの才能や価値観、個性に気づかせてあげるお手伝いをすると

「言葉」が導くもの

出会う人、出会う人、あちこちで意味もなくダラダラと雑談をしていると、 思いがけない名言に出くわすことがある。 「黄金コンビの黄色い方です」 これは、元釣具屋の喫茶店で出会った仲良し釣りコンビの名言。 2人で釣りに行くと誰にも負けない無敵コンビらしいのだが、長年引き立て役と主役という役割が決まっているようで、引き立て役の方が自己紹介に使われた言葉。 そこには2人だけの長い歴史があり、他人の関与を許さない潔さがありました。 「油を買いに行って、油を売ってきた」 これはご近所の

理想のカタチ

この1週間、阿波踊りあり、台風あり、花火大会ありと宿主としては右往左往。 たくさんのお客様にNOMAyadoを訪ねていただき、とても幸せな時間を過ごさせていただきました。 阿波踊りを観に来られていた2組のお客様を無事見送った夜。いよいよ台風が鳴門に接近。高齢者の方は早めの避難をと呼びかける放送が辺りに鳴り響き、一時はどうなることかと少し焦りましたが、近所の漁師さんにこれぐらい大丈夫だから心配いらないと励まされ、なんと一緒に焼き肉を食べに行くことに。 次から次へと豪快に肉

Lasting Peace

8月9日夜7時、待ちに待った鳴門の阿波踊りが始まった。 奇しくもその日は、78年前に原爆が長崎に投下された日でもありました。 コロナで3年間の中止が余儀なくされ、4年ぶりの開催ということもあって、踊る方も見る方も興奮MAX、こんなにたくさんの笑顔をいっぺんに見たのはいつぶりだろうと、込み上げる思いで胸がいっぱいになりました。 当たり前の日常を過ごすことができる幸せ、それこそが「平和」そのものなんだと改めて噛み締めた夜でした。 このところ、暑さのせいか体調もすぐれなかった

ひと味違うフォトスポット

美しい風景を撮るというのもいいが、ひと味違った自分好みのマニアックな風景を写真に収めるというのも楽しいもの。 宿のある土佐泊には美しい海の風景もあるが、造船所があったり、廃屋があったり、のら猫スポットがあったりと、なかなかに面白い写真スポットが点在している。宿に泊まって撮影散歩を楽しむというのも一興だ。 まずは宿前の小鳴門海峡の景色 続いて宿近辺の路地、猫遭遇率高し・・・ 宿から歩いて30秒の造船所跡、その前に広がる無人の浜辺もまた格別です そして土佐泊と対岸の岡崎

旅に温泉はかかせない(鳴門温泉事情)

旅に温泉は欠かせないもの。 鳴門は、温泉推しの街という訳では無いが、他に無い面白い温泉があるのも魅力。 鳴門で人気の日帰り温泉といえば、 NOMAyadoからも近く、小鳴門海峡を臨める「あらたえの湯」。 2017年にできた比較的新しい温泉で、岩盤浴に海鮮料理が食べられるレストラン、土産物屋、カラオケルームまでを併設した、観光客に人気の温泉施設。 泉質:カルシウム・ナトリウム-塩化物冷鉱泉(高張性、中性、冷鉱泉) 効能:きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症

人生にスパイスを

ときどき無性にスパイスを補給したくなる。 欧風のルーを使ったカレーもいいけれど、やっぱり好きなのはスパイスカレー。 一昔前なら、インド人やネパール人が作るスパイスカレーしかなかったが、最近はスパイス使いの達人といった日本人が伝統の食文化である出汁と組合わせたり、一皿に数種のカレーを盛り付け、目にも美しい独自のスパイスカレーを展開し、一大ブームを巻き起こしている。 そのブームを牽引しているのが、どうやら大阪らしい。 確かに大阪は人もスパイシーだしな(笑)。わざわざ関東の方が

大人たちよ、一人旅に出よう!

想像していたのと違って、一人旅で宿を訪れるのは若い女性が多い。 てっきり、思いが伝わる同年代の方々がやってくるものと思っていたのだが、分からないものですね。 「大人の一人旅」というコンセプトで始めた宿だけど、よく考えると熟年層の大人達は、家族もいるし、親の介護だったり、また責任ある仕事を任されて、一人旅どころではないのかも。本当はそういう人にこそ、ゆっくりと休んで、癒されてほしいのですが、現実的なことを考えると確かに難しいのかもしれません。 けれど、若い女性たちは、遠慮

蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)

1年を24の季節に分ける二十四節気。 さらに細かく72に分けた七十二候(しちじゅうにこう)というのがあるんですね。 季節ごとの鳥や虫、植物、天候などの様子が72の時候の名前になっていて、なんと約5日ごとの自然の変化を捉え、きめ細かな季節の移り変わりを伝えている。 そしてまさに今の時候が、この「蚕起食桑」ということになるようだ。 読んで字のごとく、蚕が桑の葉をたくさん食べて成長する頃という意味。昔から貴重な絹糸を生み出すことで大切に育てられてきた蚕。人々の暮らしを支えてきた「

自分を生きるだけ

宿を始めて、気づいたことがある。 それは心に溜まった澱のようなもの、言い換えれば、ある種自分の中では解決したつもりだけど、納得はしていないといった心の重しを吐き出すには、一人旅という環境と、まったくしがらみの無い人間関係というのが役に立つということ。 仲の良い人なら、聞き出すのにきっと何年もかかるような話を出会ってたかだか数時間で聞くことがある。例えば、「どうして離婚されたんですか?」といったふとした疑問に、思いがけない深度で話が帰ってきたりもするから・・・ まあそれを