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NOMAyado column

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兵庫県と徳島県、4年間の2拠点生活を経て、2022年1月から始まった宿プロジェクト。思いをカタチにしていく中で、何を考え、心がどう反応したのか、ありのままの記録と、宿をやっていく… もっと読む
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#自分

私のラスタファリズム

行きたかった映画「ボブマーリー・ONE LOVE」をようやく見ることができた。 最初は、ボブを演じたキングズリーの顔にギャップを感じ、入り込めなかったのだが、ジャマイカなまりの話し方や、少ししゃがれたような独特の声もそっくり、さらに歌唱シーンも秀逸で、次第にそんなことは気にならなくなっていった。ミュージシャンたちが集まり、ボブがアコギで歌い始めると、ドラムがリズムを与え、ベースやギターがボブの歌に命を吹き込んでいく。やがてスタジオ全体が一体となってレゲエに包み込まれていく様

理想を現実に

お客様の到着を待ちながら、過去に書いたnoteの記事を読んでいる。 まだ、このNOMAyadoの影さえも見えていなかったコロナの時代、次々と映像仕事が中断し、悶々とした日々を送っていた頃に書いていた記事の数々。 コロナ禍で家に居ても、何かできることはないかと考え、文章を書くというスキルをとにかく磨こうと「2拠点生活のススメ」というタイトルで、日々感じることをnoteに綴ることにした。 旅先でも、体調不良でも、例えどんなに忙しい日があっても、とにかく1日も休まずに1年間3

さあ、旅に出よう!

2023年も残すところ1週間をきり、このnoteも今年最後の記事となりました。 今年4月にNOMAyadoをオープンして、あっという間の年末。とてもゆっくりとした立ち上がりでしたが、暖かくなるにつけお客さまも少しづつ増えて、楽しい語らいの時をたくさん持つことができました。いろんな年代、いろんな職業や境遇の方と出会いお話しを伺えたことは、私にとってかけがえのない財産となり、大きな喜びとなりました。 改めてNOMAyadoを訪ねていただいたすべての方々に、お礼を申し上げたいと

自分へのおもてなし

突然ですが、弓道を始めることにしました。 昔から、誰かに教えを請うたり、じっくりと物事に向かい合う事が苦手で、何をするにも、ひらめきと自分勝手な要領とやり方でやるというのが常。だから習い事なんて、幼い頃にお菓子欲しさに書道教室に通って以来のことです(笑)。 ・・・にもかかわらず、 60歳を超えて、今頃なぜ弓道を習い始める気になったのか。自分のことながら、うまく説明できないのですが、とにかくチャレンジしてみたいと思ったのです。 私が初めて実際に弓道を目にしたのは、今から2

村上春樹、再び

私が初めて村上春樹の本と出会ったのは、カトマンズの小さな古本屋。 日本を離れて2ヶ月が経とうとしていた時だった。 インドを旅する友人からのエアメールに触発されて、バックパックを背負って旅に出たのは、今からもう40年近くも前のこと。 インド北部のベナレスという街に魅せられ、ガートと言われるガンジス川の沐浴場に、来る日も来る日も通い続けた。そこはヒンズー教の聖地で、信徒たちが毎朝川に入り、祈りを捧げる場所。観光客をはじめ、サドゥと言われる世俗を離れた出家者、川で洗濯する洗濯屋

「泊まる」ではなく、「暮らす」場所

NOMAyadoは「泊まる」というより、たとえ短い時間だとしても、お客様にとっての「暮らす場所」でありたいと思っている。 ここにある海はリゾートというよりは、住民を運ぶ渡船があり、わかめの荷上げ場があり、造船所があり、といった暮らしの中にある海。この辺りの漁師や老人は、知らない人にでも気さくに話しかけてくれるし、街から来た皆さんとは少し違う暮らしかもしれないけれど、ローカルな暮らしを身近に感じることができる場所。そうした違いを肌で感じることで、当たり前だと思っている自分の暮

才能とは、自然とできる行動のこと

元来、あまり自己肯定感が高い方ではない。 できることより、すぐにできないことを数えるし、たまに俺って天才と思うことがあっても、その考えはあっという間にスルスルと萎んでしまう。 先日、「自己理解」のコーチングというお仕事をされているお客様が来られた。 「自己理解コーチ」とは、やりたいことが見つからない、どう生きていけばいいのか分からない、そんな迷える若者に自分とは何者で、何が得意で、何が好きか、対話の中から、その人ならでの才能や価値観、個性に気づかせてあげるお手伝いをすると

The answer is blowing in the wind (徳島宿プロジェクト)

多くの被害をもたらした台風14号。 ここ鳴門も例外ではなかったようだ。勝手口ドアのガラスが割れていると報告を受け1週間ぶりに倉庫に来てみると、厚さ5mmはある鉄線入りのガラスがすっかり姿を消しており、ドア自体が大きくねじれて閉まらなくなっていた。 取り急ぎプラダンで開口部を塞ぎ、床に散らばった細かいガラスを掃除機で吸い込む。ご近所さんのお話では台風発生時、鳴門では竜巻注意報も発令されており、猛烈な風に見舞われていたようで、私の倉庫同様、窓ガラスが割れたり、駐車場の屋根が飛ば