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NOMAyado column

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兵庫県と徳島県、4年間の2拠点生活を経て、2022年1月から始まった宿プロジェクト。思いをカタチにしていく中で、何を考え、心がどう反応したのか、ありのままの記録と、宿をやっていく… もっと読む
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#宿プロジェクト

パズルな毎日!? (徳島宿プロジェクト)

昨年11月から始まった改装工事もいよいよ終盤。 先週は、ほんとありがたいことに設計事務所の方々にも手伝って頂いて、トイレなど水回りの壁の漆喰作業をやり直し。スタッフルーム内の塗装もいっきに片付いて、残すはカーペットやエアコン、トイレなどの設備工事を残すのみとなった。 基本的な工事は終わるとはいえ、開業に向けてまだまだ手を入れる部分も多い。 今は、宿の玄関サインを始め様々なサインをどうするかに頭を悩ませている。例えばトイレやシャワールーム、客室などのドアサイン。単純にカッテ

考えるより、感じよう (徳島宿プロジェクト)

最近、同じ夢をよく見る 「自分が車をどこに停めたのか分からなくなって、焦ってあちこち探し歩くのだけれど、いくら探しても見つからない」という夢。 これって何かを暗示しているのだろうか?  試しに「どこに車を停めたか分からなくなる夢」とまんま打ちこみググッてみた。 驚いたことに、どうやらこれは誰もがよく見るタイプの夢のようだ。 結果を総合してみると、どうやら気になっているのに放置していることがあって、潜在意識が早くそれらを処理しなさいと促しているということらしい。 なるほ

「エレガント」に救われる (徳島宿プロジェクト)

この週末、奥さんの徳島レッスンに便乗するカタチで鳴門入り。宿の工事進行具合を見てきた。正月に塗った漆喰以外の場所にもペンキが塗られていて、NOMAブルーが入った共有スペースが目の前に現れた。 お〜いい感じと喜んでいたのも束の間、どうも漆喰のノリが悪いところがあった様子で、ペンキの養生テープと一緒に剥がれてしまった部分があちこちに。漆喰の水分が多かったのか、はたまた使っていた漆喰との相性が悪かったのか・・・。 特に1階の水回りに塗った漆喰は悲惨な状態になっており、途方に暮れ

クリエイティブで行こう!(徳島宿プロジェクト)

新年明けましておめでとうございます。 2023年の幕開けは元旦から鳴門へ入り、お正月休みの職人さんたちに替わって、改装作業が進むNOMAYADOの客室や水回りなどの漆喰塗りに精を出してきました。あちこち筋肉痛は残っているものの、頭を空にしてただひたすら集中してカラダを動かしたせいか、妙に清々しい気分に。これはこれで、新しい挑戦を始める新しい年に相応しい気持ちが整ったような気もしています。 お正月にはすっかり乗り遅れた感もありますが、気が付くと巷では恵比寿さんが始まっており

Everything’s going to be alright (徳島宿プロジェクト)

初めてのことをやるのだから、不安や心配事が付きまとうのは当然。 懸命に歩むことで、大概の不安は自然と消えるものだが、歩みが弱まると日常の些細な問題が引っかかって頭を巡り、漠然とした不安という奴が忍び寄ってくる。 頭の中だけで何とか解決しようと焦ると、今度は無性に誰かの評価が欲しくなり、自分に近しい意見をあちこちから集めたり、「いいね」を漁ったりする。 そしてそれこそが、また不安を作り出す・・・という、堂々巡り。 振り返れば、 コロナ禍で不況に陥っている人間が、同じく不況

ひとり旅してますか? (徳島宿プロジェクト)

昔々、若かりし頃にはよく一人旅をしたものでした。 親友からのエアメールに触発されて、アジア放浪の旅に出たり、北海道の自然に魅了され、酪農家でアルバイトを始めた事もありました。お気に入りの音楽を道連れに、映画を見るかのように車窓を楽しみ、知らない街を浮かれ気分で散歩する。 まるで自分の好奇心とデートをするような時間。 今思うと、それは自分を見つめる かけがえのない時間だった気がします。 やがて仕事にも就いて、結婚。 特にフリーランスに成ってからは、なんとなく一人旅を封印し

シン・ニホンジン (徳島宿プロジェクト)

ドイツ、スペインなどの強豪国を次々と撃破。 誰もが疑っていた決勝トーナメント進出を自らの手で決めた日本代表。 この強さは本物だ! 世界と対等に戦える時代がやってきたと、日本中がその躍進に歓喜した。 朝から晩まで日本代表が映らないチャンネルなど無く、暗いニュースなどすべてどこかへ吹き飛んでしまったような日々だった。 次のクロアチア戦も楽勝だ! 楽しみはまだまだ続くと、ようやく誰もが信じ始めたというのに・・・ 勝手なもので、あんなに興奮した日々もすでに遠い昔、いきなり現実

宿の名前は「NOMAYADO」になりました  (徳島宿プロジェクト)

「NOMAYADO」という名前は、かつて10年に渡って営んでいたギャラリーの名称「NOMA」に由来しています。当時「NOMA」で行われるイベントには、それぞれ思いを込めて個別の愛称とロゴを用意していました。 例えば、クリエイター作品の展示販売イベントは「NOMAMISE」、 ライブイベントは「NOMAOTO」、サロンイベントは「NOMAYORU」など。 その流れで行くと、宿をやるのだから「NOMAYADO」か・・・。 遊牧民を意味する言葉「ノマド」を連想させるし、「大人の

まずはカラダをリセット (徳島宿プロジェクト)

今年5月、改装工事が始まるまでと気軽に始めた倉庫暮らし。 しかし、気が付けば季節は春から秋へと移り、はや6ヶ月が経過していた。 その間、自炊もままならず、網戸もエアコンも無いまま猛暑の夏を過ごした。 過酷な生活環境や外食ばかりで乱れた食生活、サーフィンでカラダを動かしていたとは言え、徐々に体重は増え、血圧も上昇、冷えのせいか腰痛も出始めた。 倉庫も開け渡し工事も始まったことだし、宿の開業準備が本格化する前にカラダのメンテナンスをしっかりしておこうと考え、まずは腰痛からとお

いちばん怖いこと (徳島宿プロジェクト)

敬愛する歌人・穂村弘さんのエッセイ本「鳥肌が」を読んでいる。 日常の中に潜む、よく考えるとちょっと怖いなというような出来事を独自の目線で拾い上げていて、なかなか面白い。 たとえば、コンビニで手に取ったものをひっくり返すと、ずらっと並んだ原材料の名前が単純におそろしいとか。(カラギーナン、ソルビン酸K、アゾ色素・・・) 食品に関する知識があまり無いので、カラダに悪いのかどうかの判断はつかないが 見ているだけで恐ろしくなるという気持ちは分かる(笑) やっぱり一般的に怖いとなる

旅は散歩の先にある (徳島宿プロジェクト)

先日、建築事務所と宿改装工事に関する請負契約書を交わした。 最近はハンコを押すということも無く、オンラインで名前を入力して終わりといった感じ、まあ時代と言えば時代なのだが、儀式感が無いのが少し寂しい気もした。 ようやく工事が始まるのかと思う反面、とっ散らかったまま整理できていない宿の有り様というのか、いろんなアイデアをそろそろ整理する必要に迫られてきた。 次々と自由にアイデアを出すという作業は楽しいけれど、ちゃんと整合性を持たせ整理するという作業はなかなか大変で、重い腰が上

見えてきたカタチ 見えてきた思い (徳島宿プロジェクト)

倉庫に暮らし始めて、早6ヶ月。 春、そして夏が過ぎ、朝晩寒さも感じる秋になった。 随分時間も手間も掛かったけれど、ようやく諸々の見積もりや申請、許可取りの作業に目処がついて、宿改装に向け具体的なイメージプランも出来上がってきた。 (表題写真は客室の小窓から海側を見たイメージ、ガラスの向こうに海が見える) これまでの打合せで、おぼろげに想像していた世界そのものなんだけど、リアルに想像できるようになることで、ここから先の準備や運営のスタイルなどが現実味を帯び始め、ビジネスとして

キレイにするということは、汚すということ   (徳島宿プロジェクト)

いきなり何言ってるの?・・・と思われるかもしれないが、 簡単にいうと、うんちを流したり、じゃぶじゃぶ洗濯をしたり、ゴシゴシ体を洗ったりすると、一方で汚れた水が出来てしまうということ。 普段こうした水はありがたいことに、あっという間に目の前から姿を消してくれるけれど、この世から無くなってしまう訳ではない。何かをキレイにすることで汚れた水が、巡り巡って海へと繋がっているという事実を、鳴門で暮らし始めて、よりリアルに感じるようになった。これは宿プロジェクトを進めていく中で、身に染

大人の階段 (徳島宿プロジェクト)

8月頭から続いていた補助金の交付申請がようやく採択された。 なんとか9月中に採択されホッと一息、しかし長かったなー。最初の頃は、なぜ修正になったのか、その意味をいちいち考え過剰に反応して悩んでいたが、いくら考えたところで分かるはずもなく、途中から言われた通りただ直すということを覚え、ずいぶん楽になった。意味なんて考えちゃダメ、もっと早く気づいていれば、我を見失うという訳のわからないモードに陥いることもなく、もっと申請時間も短縮できたのかもしれないな(笑)。 納得しないと前に