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NOMAyado column

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兵庫県と徳島県、4年間の2拠点生活を経て、2022年1月から始まった宿プロジェクト。思いをカタチにしていく中で、何を考え、心がどう反応したのか、ありのままの記録と、宿をやっていく… もっと読む
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2023年5月の記事一覧

大人たちよ、一人旅に出よう!

想像していたのと違って、一人旅で宿を訪れるのは若い女性が多い。 てっきり、思いが伝わる同年代の方々がやってくるものと思っていたのだが、分からないものですね。 「大人の一人旅」というコンセプトで始めた宿だけど、よく考えると熟年層の大人達は、家族もいるし、親の介護だったり、また責任ある仕事を任されて、一人旅どころではないのかも。本当はそういう人にこそ、ゆっくりと休んで、癒されてほしいのですが、現実的なことを考えると確かに難しいのかもしれません。 けれど、若い女性たちは、遠慮

蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)

1年を24の季節に分ける二十四節気。 さらに細かく72に分けた七十二候(しちじゅうにこう)というのがあるんですね。 季節ごとの鳥や虫、植物、天候などの様子が72の時候の名前になっていて、なんと約5日ごとの自然の変化を捉え、きめ細かな季節の移り変わりを伝えている。 そしてまさに今の時候が、この「蚕起食桑」ということになるようだ。 読んで字のごとく、蚕が桑の葉をたくさん食べて成長する頃という意味。昔から貴重な絹糸を生み出すことで大切に育てられてきた蚕。人々の暮らしを支えてきた「

自分を生きるだけ

宿を始めて、気づいたことがある。 それは心に溜まった澱のようなもの、言い換えれば、ある種自分の中では解決したつもりだけど、納得はしていないといった心の重しを吐き出すには、一人旅という環境と、まったくしがらみの無い人間関係というのが役に立つということ。 仲の良い人なら、聞き出すのにきっと何年もかかるような話を出会ってたかだか数時間で聞くことがある。例えば、「どうして離婚されたんですか?」といったふとした疑問に、思いがけない深度で話が帰ってきたりもするから・・・ まあそれを

何もないという贅沢

GWが終わって、すっかり落ち着いた感のあるNOMAyado。 それでも日替わりで、いろんな人が訪ねてきてくれる。地元情報紙の取材の方だったり、鳴門でシーカヤックやSUPなどの体験ツアーを開催されている方だったり、はたまた時々顔を出すスパイスカレー屋の店主だったり、私の知らないところで少しは噂になっているようで、嬉しい限りです。 なぜか今まで外見より大切なのは中身だなんて、天邪鬼な気持ちがあったけれど、 改めて外見がちゃんと整っていることで、人が興味を持ってくれるものなんだ