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2021年10月リリースのIllustrator 2022(26.0)の新機能・機能強化など
Adobe MAX 2021のタイミングでCC 2022がリリースされ、Illustratorは26.0になりました。Illustrator 26.0の新機能や変更点をまとめてみました。
Illustrator 26.0(2021年10月リリース)の新機能・変更点
— DTP Transit (@DTP_Transit) October 26, 2021
・「山路」問題:デフォルトでOFF
・Adobe Fontsの自動アクティベート
・共通のテキストを選択する機能
・[3Dとマテリアル]効果(テクノロジープレビュー)
・HEIF、WebPのサポート
・.psdcのリンク配置
・可変線幅
・[もっと知る]パネル pic.twitter.com/dDVz9VljTK
スプラッシュ
イギリス在住のPetra Erikssonさんによるもの。
![](https://assets.st-note.com/img/1635274235544-dE3JHr0EzR.png?width=1200)
ステキな作品がたくさんあるのに、なんでコレ!!???
![](https://assets.st-note.com/img/1635274186830-NdfXGdOlHk.png?width=1200)
ペンギンではなく、「ニシツノメドリ」です。
![](https://assets.st-note.com/img/1637129131730-CwjA5g6GQ1.png?width=1200)
作者はPetra Erikssonさん。
山路問題
Illustrator CC 2017以降、[文字ツール]を選択してクリックしただけで「山路を登りながら」という文字列が割り付けられます。
そのため、制作物に「山路を登りながら」が混入してしまうという事故が絶えません。これを「山路問題」と呼びます。
実装から5年。この機能がデフォルトでオフになりました。聞いたところによると、この変更は日本語版のみとのことです。
![](https://assets.st-note.com/img/1636491113115-NSRfjuoGNo.png?width=1200)
ONにしたい方は環境設定の[テキスト]カテゴリで[新規テキストオブジェクトにサンプルテキストを割り付け]オプションをONにします。
[3Dとマテリアル]効果
Illustratorの3D効果が[3Dとマテリアル]効果としてアップデートされています。互換性のために従来の3D機能は[3D(クラシック)]として残されています。
![](https://assets.st-note.com/img/1635264999269-o9ZhifkiaH.png?width=1200)
[効果]メニューの[3Dとマテリアル]には[押し出し・ベベル…]、[回転体]、[膨脹]、[回転]、[マテリアル]のサブメニューがありますが、どれを選択しても[3Dとマテリアル]というパネルが開きます。
パネルになったことで、[効果]メニューからでなく、パネルから直接コマンドを実行できます。
それにしても「オブ…」「マテ…」はなんじゃないか!?と思うのですが、パネルを広げても状況は改善せず…
![](https://assets.st-note.com/img/1635265057016-IYQKbJkjAP.png?width=1200)
従来の3D効果よりも安定しているだけでなく、次のことが可能になっているとのこと(詳細は検証中)。
無段階に調整可能な50種類以上のAdobe Substanceマテリアルを使ってアートワークにテクスチャを適用できる
環境光や指向性光でアートワークを照らし、影を作れる
「膨張」ベベルタイプが追加。滑らかで曲線的な押し出しを作成できる
カンバス上のコントロールを使用して、アートワークをより簡単に回転させられる
デフォルトでは[ベクターとしてレンダリング]オプションがOFFになっているため、アピアランスを分割するとビットマップになります。
![](https://assets.st-note.com/img/1635298221270-vVOsdRMSyF.png?width=1200)
追って、じっくり検証して…と思っていたところ、とよとよさんがいい感じにまとめたツイートされていましたので紹介します。
新3Dの挙動はこんな感じ。
— とよとよ/ストックイラスト (@toyotoyo2ro) October 26, 2021
真ん中の青い十字を掴んでグリグリできるの直感的で使いやすい!
シャドウもつけられたり。 pic.twitter.com/C8nOR0W21x
イラレの新しい3Dをどう調理してやろうか悩みつつも、これがイラレだけで描けるの単純にすごない?#AdobeMAX #AdobeIllustrator2022 pic.twitter.com/Jj6fRtx1WZ
— イラレ本が出た⋈しぶみゃむイラレの𝔸𝕚(愛)人 ⋈ (@shibuyamiam) October 27, 2021
新しいIllustratorの3Dならこんなフライパンが作れます。
— hamko (@hamko1114) October 28, 2021
持ち手と本体が別オブジェクトになっちゃうのが従来からの難点だけど、マテリアル設定できるし影設定できるしでたのしいですな🥰https://t.co/b1EA08jfEo pic.twitter.com/COxbFWCa5x
イラレの3D機能でダンボール板紙
— ken (@ken_rainy) October 28, 2021
印刷のマッピングしたいけどそこまでやるならArtiosCADつかう
だいぶ使い勝手が違うようなので旧3Dもずっと残っててくれないと困る
イラレ にこういうリアルさはちょっと浮いてしまう気がする pic.twitter.com/w0KNQF0EEx
Illustrator 2022、誰も使ってなかったであろう3D機能が触り甲斐ある感じになってる!!! pic.twitter.com/0ttgUy39RZ
— タカヤ・オオタ (@198Q) October 28, 2021
ヘルプとチュートリアルがパネル化
Photoshop 2021にて導入された[もっと知る]パネルが、Illustratorにも追加されました。このパネルから次の操作が可能。
ヘルプ
ツール
ハンズオンチュートリアル
記事を検索
![](https://assets.st-note.com/img/1635265742600-Nyu2icwWJp.png?width=1200)
このパネルは常にフローティングしています。内容に応じてパネルを大きくして使います。
![](https://assets.st-note.com/img/1635266501276-H3zNt8V1qG.png?width=1200)
[もっと知る]パネルを表示する方法は次のいずれかです。
右上隅の検索アイコンをクリック
[ヘルプ]メニューの[Illustratorヘルプ]をクリック
Photoshopでは「⌘ + F」が割り当てられましたが、Illustratorでは[前面ペースト]のために残されています。
リッチツールヒント
Photoshopの〈詳細ツールチップ〉が、Illustratorにも追加されました(名称は統一されず…)。これは、ツールの上にマウスを置くと、ツールの基本的な動作を説明するアニメーションが表示されるというもの。これから覚えたい方向けの機能です。
![](https://assets.st-note.com/img/1635267621349-RCYO3MwzY0.png?width=1200)
オフにしたい場合には、[環境設定]の[一般]カテゴリで[リッチツールヒントを表示]オプションを変更。
![](https://assets.st-note.com/img/1635266346509-H0wqidMLQF.png?width=1200)
.psdcのリンク配置
.psdcは、クラウドドキュメントに保存したPSDファイルです。.aicファイル(クラウドIllustratorドキュメント)に限りますが、リンク配置できるようになりました。
[リンク]パネルでは、「リンクであること」「クラウドドキュメントであること」を表す2つのアイコンが表示されます。
また、[ファイルの位置](パス)は「Cloud Document -> IMG_1347.psdc」のように表現されます。
![](https://assets.st-note.com/img/1635266777971-56GppRvJ7T.png?width=1200)
ようやく!!のリンク配置ですが、なんとパッケージできません…
2022から、Illustratorにpsdc(クラウドドキュメントのpsdデータ)を配置できるようになったけど、この状態では「パッケージができない」。Aiファイルが「.ai」の場合はリンク切れに、「.aic」の場合はパッケージがグレーアウト。#dtpstudyRadio
— あかつき@おばな (@akatsuki_obana) October 29, 2021
.aic(クラウドIllustratorドキュメント)には、リンクされたアセットの低解像度の画像(マシン上のローカルアセット)とクラウド内の.psdcの両方が保存されます。リンクされたアセットが見つからなくなった場合には低解像度の画像が表示します。
コメント共有機能
ブラウザでレビューされたコメントをIllustrator内のパネルで確認できるようになりました。
アプリケーションバーの[編集に招待]アイコンのリンク設定を使用して、クラウドドキュメントの公開リンクを共有
レビュー担当者は、assets.adobe.comでアートワークを確認し、右側のコメントパネルからコメントを追加(個々のアートボードは画像として垂直スクロールで表示される)
レビューの際に記入されたコメントは、新しく追加された[コメント]パネルで確認できる
![](https://assets.st-note.com/img/1635267379214-brpf6Z5DS6.png?width=1200)
可変線幅の扱い
分割したときにアンカーポイントが増えがちだった可変線幅の扱いが向上しています。
分割したときにアンカーポイントが増えがちだった可変線幅の扱いが向上しています。
— DTP Transit (@DTP_Transit) October 26, 2021
ただし、(試したところ)旧バージョンで作った可変線幅ではNGで、Illustrator 2022で設定しないとダメみたいです… pic.twitter.com/b8RwFBNqQK
変換方式が変わったのでなく、可変線幅の適用の仕方が変わっているみたいです。
ありゃ。。イラレ2022で描いた線幅ツールを適用した線にジグザグをかけると2021と違う結果になっちゃう。
— イラレ本が出た⋈しぶみゃむイラレの𝔸𝕚(愛)人 ⋈ (@shibuyamiam) October 31, 2021
線幅ツールをアウトライン化したときのパスの数が減ったのはいいけど、こういう差異が出ちゃうんだね。。#adobeIllustrator pic.twitter.com/mJkmA7gzoO
属性が共通のテキストを選択
[選択]メニューの[共通]にテキスト属性のオプションが追加され、ファミリー、スタイル(ウエイト)、サイズ、カラー(塗り・線)の条件でテキストを選択できるようになりました。
![](https://assets.st-note.com/img/1635268057902-SjHh3iacNF.png?width=1200)
追加されたのは次のコマンドです。
フォントファミリー
フォントファミリー(スタイル)
フォントファミリー(スタイルとサイズ)
フォントサイズ
テキストカラー(塗り)
テキストカラー(線)
テキストカラー(塗りと線)
スタイル=ウエイトと考えておけばよいでしょう。欧文の場合、ウエイト以外にitalicなども含みます。
![](https://assets.st-note.com/img/1635274252442-7sJwBVQZ2C.png?width=1200)
重宝しそうな機能の反面、毎回、メニューをたどるのは面倒。 キーボードショートカットは設定できますが、コントロールパネルや[プロパティ]パネルから実行できたらよかったですね…
![](https://assets.st-note.com/img/1637195653188-27Z0A9MMds.png?width=1200)
なお、[選択]メニューの[オブジェクト]のサブメニューの[すべてのテキストオブジェクト]などは、そのまま残っています。「すべてのテキストを選択して別レイヤーに移動して隠す」などの用途で重宝します。
![](https://assets.st-note.com/img/1635269746901-PKkvQvGHVQ.png?width=1200)
ご参考までに、この機能は三階ラボさんのスクリプトで実装できていました。
HEIFとWebPのサポート
IllustratorでHEIF(HEIC)およびWebP形式画像を配置できるようになりました。ちょっとした「下絵」として画像を配置したい場合、変換の手間をかけなくて済みます。
HEIF(ヒーフ):iPhone の標準カメラアプリで撮影した画像形式。拡張子は.heif .heic
WebP:米Googleが開発しているオープンな静止画像フォーマット。非可逆圧縮ながらも背景透過が可能。採用されているウェブサイトが増えている
当然ながら互換性は確保されませんので、くれぐれもご注意を!!!
Illustrator 2022でクラウドドキュメント上のPSDCや、新しいフォーマットHEICやWebPの配置をサポートしましたが、これらは2022からの対応です。
— あかつき@おばな (@akatsuki_obana) November 17, 2021
そのため下位バージョン(2021,2020)でドキュメントを開くと、画像のリンクがロストします(再配置もできません)。#イラレ知恵袋 pic.twitter.com/CJMyVE740e
「お!Photoshopも??」と思ったらIllustratorだけ。PhotoshopではWebPはサポートしていないので、依然、プラグインが必要です。
![](https://assets.st-note.com/img/1635274352262-xCkelXfu56.png?width=1200)
WindowsでHEIFファイルを操作するには、Microsoft StoreからHEIFおよびHEVCコーデックをダウンロードしてインストールする必要があります(IllustratorでHEIF画像を開こうとすると、コーデックのインストールがガイドされます)。
Adobe Fontsの自動アクティベーション
なぜかIllustratorだけなかった自動アクティベーションがようやく追加されました! インストールされていないAdobe Fontsを含むドキュメントを開くと、自動的にフォントを検索、ダウンロード、インストールされます。
ナイス!!!と思いきや、デフォルトはOFF… 使いたい場合には[環境設定]の[ファイル管理]カテゴリの[Adobe Fontsを自動アクティベート]オプションをONにします。
![](https://assets.st-note.com/img/1635270029422-6aUEwIMC1c.png?width=1200)
[リンク]パネル内のアイコン(バッジ)が変更
Illustrator 2022から[リンク]パネル内のアイコン(バッジ)が変更されています。
埋め込み:アイコンなしに
リンク:アイコンがついた
慣れるまで時間がかかりそう…
![](https://assets.st-note.com/img/1635607234032-IBDO5n74AZ.png?width=1200)
アイコン(バッジ)は、5つから4つになり、クラウドが別のカラムになりました。
![](https://assets.st-note.com/img/1635607397772-yqiIKcMcVt.png?width=1200)
互換性に注意
新しい3D機能や可変線幅など、Illustrator 2022の新機能、扱いが変わっているものがあります。今回、ドキュメントバージョンは変わっていませんが、互換性には要注意です。
これ恐ろしいんだけど…。2022で保存したファイルを別のマシン(Mojave/intel_mini)の2021で開いたらフリーズしたので、強制終了して再度開いたら欠落してるかもというので開いたら2つあるアートボードの1つが消えてる。元のマシン(Monterey/M1)の2022で開いたらちゃんと見える。互換性ないのか。 pic.twitter.com/r9nTLwvpv8
— 樋口泰行 (@higuchidesign) November 26, 2021
初校は2021、再校は2022というデータ入稿もあるように、何も考えていないデザイナーはいるものだ。こちらは下位バージョンで開いて書き出したPDFとデジタル検版で確認するか、作成バージョンで書き出したPDFをRIP処理して1bit TIFFを書き出して検証するなどやる事がたくさん増えるのに。
— 髙瀬勝己(用が済めば消えるアカウント) (@k_takase1128) November 16, 2021
Illustratorの2020形式は、2020以降同じなので出力泣かせだ。下位保存させる事の意味がない。下位バージョンで開かせて保存というのも別の問題が出てくる可能性がある。
— 髙瀬勝己(用が済めば消えるアカウント) (@k_takase1128) November 16, 2021
公式のドキュメント
新機能
https://helpx.adobe.com/jp/illustrator/using/whats-new.html
![](https://assets.st-note.com/img/1635270166421-nRcZOjhhyg.png?width=1200)
公式の「修正された問題」
https://helpx.adobe.com/jp/illustrator/kb/fixed-issues.html
![](https://assets.st-note.com/img/1635270174626-V37iuopsFx.png?width=1200)
まとめ(1)設定すべき環境設定
[一般]カテゴリで[リッチツールヒントを表示]オプションをOFFに
[ファイル管理]カテゴリの[Adobe Fontsを自動アクティベート]オプションをONに
まとめ(2)互換性に注意
次の機能は過去バージョンとの互換性がありません。
HEIFとWebPの配置
.psdcの配置
[3Dとマテリアル]効果
まとめ(3)
マインドマップにまとめてみました。
ここから先は
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