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人材紹介会社の選び方(3)

前回のおさらい


前回は人材紹介会社の収益モデルを紹介しました。人材紹介会社は、人材を求める会社に人材を紹介し、入社することで紹介手数料をもらいます。”入社してから”ですので、成果報酬ということです。紹介手数料は、”理論年収の〇%”というところがほとんどです。
また、前々回は”真面目な”人材紹介会社を選びましょうと申し上げました。紹介手数料を収益とする”商売”なのですから、それに見合う対応のできない不真面目な紹介会社は認める訳にはいきません。

求職者はどう考えて利用すべきか


では、ここまでの知識を得た求職者は、どのように考えて人材紹介会社を利用すべきなのか考察してみましょう。
人材紹介会社に求人を依頼する会社(求人会社)は、その紹介会社を経由して人材を採用した場合はそれ相当の手数料を支払います。求人会社の立場で言うと、採用費を掛けて採用するということです。
ハローワークを使って採用すれば採用費はゼロ円です。
自社ホームページに求人を掲載して、そこから採用できれば採用費はゼロ円です。
ネット求人媒体の場合、有料・無料両方ありますが、紹介手数料と比較するとはるかに安価です。

なぜ求人会社は多額の費用を使ってまで人材紹介会社を利用するのでしょう。
いくつか理由が考えられますが、
1)成果報酬なので採用しなければ費用が発生しない
2)採用担当者の手間が省ける(紹介会社が代わりに探してくれる)
3)急募に効果が見込める

この辺りが多数でしょう。

ハローワークをはじめとする、無料・有料の求人広告媒体は、応募者数が安定せず、せっかく費用を掛けても応募者ゼロや採用者ゼロということもあります。有料の求人広告を何回も出すくらいなら、人材紹介会社を利用したほうがコスパが高いという判断もあるという事です。

しかし、求人会社にとってベストは、当然ながら採用費ゼロ円です。つまり、ハローワークや自社サイトからの応募などが最もコスパが高い。
ですから特殊な求人でない限り、求人会社は同じ求人を複数の媒体に掲載します。つまりハローワーク、自社サイト、有料求人広告、人材紹介会社など。

ここで、求人会社の採用担当者の立場で考えてください。
求人数1名に対して応募者が2名あった。
・Aさんは自社サイトからの応募で、Bさんは紹介会社からの紹介であった。
・両者の面接を実施したところ、人柄、経歴、能力など同等でいずれも採用基準を満たす人だった。
さて、あなたならどちらを採用しますか?

今まで人材紹介会社から紹介された人を何人も面接し、採用・不採用に関わってきた私は、「直接応募ならトライアル採用しても良さそうだが、紹介手数料を払ってまでは採用できない人物だな」といった事が何度もありました。求職者に応募経路に関わりなく、絶対採用したい!と思わせる事のできる人物であれば、どの経路から応募するかを気にする必要は全くありませんが、それほどの自信がないのであれば、応募経路は大いに気にするべきです。

いかがでしたか。
求職者にとっては、応募経路の違いは些細なことと考える事でしょう。ところが、立場を求人会社に置き換えると、些細とは言えない事情があるわけです。ここも分かったうえで就職活動しましょう。

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