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アナログ人間が電子書籍に手を出し始めた話

最近、10代の頃に好きでよく読んでいた本を、Kindleで集める、というようなことをし始めている。
なぜ1度読んだ本を集めているのかというと、知らない本を買って面白くなかったらどうしようと怯えているからである。保守派である。

手始めに、小川洋子「刺繍する少女」を読んだ。それから、吉本ばなな「アムリタ」を読んだ。 良かった。
いや、それはそうなのだ。良いことは分かっている。既に読んだことのある、自分の好きな本を買っているんだから。そもそもこの2冊は紙の本で持っているのだ。一体何をしているんだろうと思わなくもない。
元々私は紙の本が好きなのである。電子書籍なんていう形の無いものは信用できないのである。
例えば文庫本なら、出版社によって書体が違うところが好きだ。けれど最近の文庫本は文字が大きくなってしまったのか余白が広くなってしまったのか、前の方が好きだったな。と思う。文庫本は出版社ごとに背表紙の感じが違うのもとても好きだ。逆に文芸雑誌の野性時代は文字が大きくなったのが読みやすくて良かった。そういう意味で一番好きなのは村上春樹全作品集の文字と本の大きさのバランスだ。開く度たまらない気持ちになる。自分がすごく良い所に来たような気持ちになる。ネバーエンディングストーリー(映画)とか思い出す。(言いすぎでしょうか。)なのに電子書籍だと、全て同じ文字の大きさなので、どうも情緒がない。間延びしていて、間抜けな感じがしてしまう。
けれど、本を持ち運ばなくても良いというのは素晴らしく便利なことだ。 ほんとに。

「アムリタ」を読み終えたので、ひとまず藤原伊織「ひまわりの祝祭」と、村上春樹「風の歌を聴け」を買ってみた。
その2冊を買ってなんというか、とてもむずむずしたので、安達千夏「モルヒネ」、あさのあつこ「福音の少年」、吉本ばなな「キッチン」を買ってみた。まだすこしむずむずしている。 
そもそもこの5冊も、「風の歌を聴け」以外は紙の本で持っているのだ。一体何をしているんだろうと思わなくもない。

本当は久しぶりに、村上龍の、「インザミソスープ」とか読みたかった。津村喜久子の、「ミュージックブレスユー」と、三浦しをん「秘密の花園」も。「アムリタ」を読んで、江國香織「流しのしたの骨」がものすごく読みたくなって探したが、Kindle版が無かった。
そう、意外と読みたい本がKindle化されていなかったりするのですね。江國香織に至っては1冊も無い。江國香織さんも、電子書籍を信用していないのかなぁと思ったりした。

今、「アムリタ」の二順目と、「ひまわりの祝祭」と、「風の歌を聴け」を、三冊同時に読んでいる。これがなかなか良い三冊なので、少しむずむずがおさまってきた。
そんなこんなで、私の電子書籍生活はまだ始まったばかりなのだけど、色々文句を言いながらも、重い本を持ち歩かずともどこでも読書が出来る電子書籍はやはりなかなか便利なもので、はやくむずむずから解き放たれ、色んなジャンルの本を電子書籍で読めるくらい電子書籍慣れしたいと思っている。

#日記




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