美濃加茂市長汚職事件の真実 3

やっと事件の話。

これを読んでいる人は概ね事件の詳細を知っているとは思うけど、ネットの記事は色々なバイアスがかかっているので、一度フラットに事件を見てからこの記事を見るとまた違う景色が見えてくると思う。

藤井陣営の息のかかった記事では「あたかも冤罪」のように書かれているし、当時の新聞記事でさえ、私が記者と話す中で相当コントロールしていた。

また私が取材拒否をしたメディアは警察、検察のリークに頼った記事だった。

この事件だけではないけど、各メディアとはそういうもの。

それに今に時代は個人のSNSなどが絡んでくる。

自分に都合の良い(自分が信じたい)情報だけを選択するのも良いけれど、メディアの情報には思った以上のバイアスがかかっていることを踏まえ見ることが大切だと思う。

メディア自体(会社)の思惑、記者の思惑(能力)、編集責任者の思惑(能力)、情報提供者の思惑など、一筋縄では行かない様々な思惑や能力が入り組んでいる。

真っ只中にいた人間として(現場にいた当事者で唯一逮捕勾留されていない人間)当時毎日のように各メディアの取材を受けていた。

そこで当時は各メディアを相当コントロールし、結果「一審の無罪判決」を生んだ要因にもなった。

これを読んでいる人にはその辺りを理解して「本当に自分の求めるFACT(ファクト)」を見極めて欲しい。


まさにこの事件は
「現場にいた当事者」
3人の内2人が逮捕勾留され、なぜか唯一逮捕されなかった人間がいたことから事件は進んでいく。

またこの3人の関係はこの3人だけで完結されていたこともあり(別の人間を含めての付き合いはなく)ある意味
「密室的な関係」
でもあった。

そこで一つ前の記事で書いたように
「通常では想定されない関係性」
が生まれており、この事件を紐解くためには「当事者の話」を聞く以外術はなかった。

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事件の概要


2013年4月2日 1度目の金銭授受(ファミリーレストラン)


2013年4月25日 2度目の金銭授受(居酒屋)


この2度の金銭授受が「美濃加茂市内の学校に浄水装置を設置するための賄賂」とされている。

両日ともN氏、藤井、タカミネの3人の会食である。

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事件のファクトはこれだけ。


そして、2014年6月24日 藤井の逮捕


とその前に知っておくべき事実がある。


そこから遡る2月にN氏は別件で逮捕されている。
そしてその時同時に私の家にも家宅捜査が入り、重要参考人として任意同行を求められた。


警察は
「タカミネも関わっている」
と見込み同時に家宅捜索をし、任意同行をを求めたが
「タカミネさんは関わっていません」
というN氏の証言により、事情を聞かれたのみで釈放された。


もう一度いう
「N氏の『タカミネさんは関わっていません』という証言」
が私の潔白を証明した。


実際当時私はこの逮捕劇に驚いていた。

N氏が犯罪を犯しているなどとは微塵にも思わなかったし、またそのような人間だというイメージもなかった。

私のN氏のイメージは「確かに品行方正な人間ではない。でも決して悪い人間ではない。好きな人間ではないが、一緒にいて嫌な人間でもない」というものだった。

実際後の証言や、罪状などを見ても「本人は犯罪の意識が麻痺していたんだろう」と思うだけ。


その時N氏は何人かに対する
「金銭の授受」
を証言していた。

N氏の証言により、早い段階で潔白が証明されていた私に対する警察の事情聴取はそのことを聞くことが多かった。

全く関わりの無い人間への話もあったが、私が関わった人間に対する証言もあった。

そしてある意味それは事実だった。

私が紹介した議員に対して会食の際金銭を渡したことがあった。

会食が終わった後、それを金銭を渡された議員が私に
「さっきこんなもの貰ったんだけど」
と告白した。

それに対し私はその議員に
「これは犯罪ですよ。と同時に私の仕事を愚弄する行為」
と叱責すると
「だから相談をした。あなたが怒ることは分かっているのでどうすれば良いのかと」

「わかりました。私から返しておきます」

と受け取りその足でN氏の元に向かった。

「Nさん、ダメですよこういうのは。ある意味での『礼儀』だと思いますが、それなら僕に払うもの払ってください。そうすればちゃんと僕が働かせますよ。こんなお金より僕の一言の方が効果ありますよ」

「それはそうですね。じゃあタカミネさんに払ってない一部として納めといてください」

という出来事があった。


N氏の「〇〇議員にお金を渡した」は事実。

その後のやりとりを覚えてないのか、それとこれは別と思っていたのはわからないが
「決して嘘を言ったわけでは」なかった。


しかし、その日藤井の名前が警察から出ることはなかった。


その夜真っ先に藤井に連絡を取った。

その日藤井は何かの集まりで東京か何かに出張していたと記憶している。

電話で「N氏が逮捕された。俺も全く気づいてなくて申し訳ない。」

「大丈夫ですよ。これでタカミネさんとの関係が変わるわけでは無いですから。むしろ別件で一度相談したいことがあるので時間作ってください」

と何もなかったかのようにいつもの藤井だった。


その後私はN氏の逮捕案件について色々調べた。

後に再逮捕された「融資詐欺容疑」については僅かながら心当たりがあった。

よくN氏は「銀行接待が僕のメインの仕事です」と冗談めかして話していたが、実際その場に同席したこともあった。

そこでは食事、キャバクラなどでの接待に飽き足らず、風俗店まで接待しているようだった。

またキャバクラ店でもN氏は顔が効き、店が満席の状態でも裏口からVIPルームに案内されるようなこともあった。

私にも「気に入った子いたら言ってください。裏で話しつけるので(笑)」と囁いてきたこともあった。

私はその辺りは独自で楽しむタイプなので世話になることはなかったが、そういった「気遣い」は徹底している人間だった。


その「銀行接待」が「融資詐欺」に直結したと想像すれば腑に落ちる話だ。

それらを踏まえ色々と調べていくと「そういうことか。N氏が売られたんだな」と想像がついた。


その内容を紐解くと「これってN氏だけの犯罪なのか?」と疑問を抱く事実もあった。


そして2014年6月24日 藤井の逮捕と同時刻に私の家にも警察がやってきた。


家宅捜索とともに任意同行が求められ、しかし
「藤井の事件」
ということは伝えられることはなかった。


2月に家宅捜索をしていることから、新たに押収するものもほとんどなく、完全に私の「身柄を押さえる」ことが目的であることは明らかだった。


私は「なんの話ですか?」

と何度聞いても

「いや、それは署に行ってから詳しく話す」

の一点やりであったが、私自身やましいことは何もなかったので素直に任意同行に応じた。


警察車両に乗り込むと私の電話がなった。

「出て良いですか?」

「はい、構いませんよ」

その時私は

「自分が容疑者でない」

ことを悟った。

電話をかけてきたのは親しくしていたテレビ局の人間だった。

「朝早くすみません。タカミネさん聞きましたか?」

「え?何をですか?」

「美濃加茂の藤井市長が逮捕されました」

その時、今何が起きているのかを初めて知った。

「容疑は?」

「贈収賄っぽいんですけど、まだ詳細はわかりません。なんか分かったらすぐに連絡します」

と電話を切った。


「そういうことなんですね」

と車にいる捜査官に話すと彼らはそれから何を言っても無言で答えることはなかった。


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藤井が逮捕された。

同時に俺が任意同行されている。

それをメディアは知らない。

そして俺には容疑はかかっていない。


完全に俺キーマンじゃん。

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自宅から県警本部への道のりで自分の立ち位置を認識した。


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