考えるスキルを武器にする
考えるスキルを武器にする、の本のまとめと感想
結論:考える行為は楽しい、だがゼロベースで考えるのは難しいから型を覚えよう。覚えた型とこれまでのオリジナルの自分の経験を基に仮説を作ろう。その仮説を制約や条件が課せられた状態でも作り出せると提案に値する「考える」に辿り着く。ということが言いたいのかなと。
以下、初級・中級・上級編ごとのまとめと感想。
初級編まとめ:頭の外に出す
・考えることはまとめないこと、分けること、図にすること
→考えることに陥りがちなのが、まとめないこと、です。
自分もよくやっちゃいますが、要するに、つまり、など、最初から要約しちゃうと、情報が削ぎ落とされてしまいます。
そもそも広告業というものが余計な情報を削ぎ落として重要なものだけを伝える仕事なので、最終的にはまとめていきますが、手前の情報収集や考える行為においてはこれは逆効果になります。
自分はよく「展開」と「収斂」という言葉を使いますが、最初から収斂させてしまうと重要なことを見逃してしまうので、最初は展開の段階、つまり考えを広げて行くことが重要です。
分けることは文字通りですが、そもそも言葉とは世界を分節するために生まれたものなので、分けることは言葉で考えることと同義です。
図にすることはその逆で、非言語的アプローチで考えるということです。
ロジックで伝えることも大事ですが、それ以外にビジュアルや感性でクライアントと握ることも大切な方法で、後者のアプローチに図にしたり言語以外のツールで可視化できることは非常に強みになります。
ちなみに自分は言葉側の人間なので図にする行為が非常に苦手なので、だからこそこの章は身に沁みました。
中級編まとめ:付加価値を作る
・考えることは知ること、違和感に気づくこと、仮説を持つこと、課題を作ること
→知ることについて。人間、知識ゼロで考えること、アウトプットすることは出来ません。
知識や経験をどれだけ量的・質的にインプットできるかがアウトプットの量・質を上げるためにできることの全てと言っても過言ではありません。
逆に言うと、物凄い量・質のアウトプットさえしていれば、最初はアウトプットの仕方が拙くても、コツを掴んでしまえは(練習を重ねれば)自ずとアウトプットできるようになるので、インプットが重要です。
違和感に気づくことについて。
ここが仮説構築のために重要な部分で、クライアントからのお題に対して何も疑問を持てないと、仮説も課題も全く見えてきません。
この、違和感が仮説構築に役立つのですが、違和感を持つためには圧倒的な知識がないと持てません。(本書ではこの知識を持つことによる違和感の感じ方を「平均値を知る」と表現しており、おおよそこの業界・テーマだとこれってこういうことよね、という常識みたいなものからズレている事象が違和感となります)
つまり、圧倒的な知識や経験があるからこそ常識を知れ、それに対するズレを感じることができるから違和感を持てるということです。
仮説を持つこと、課題を作ることについて。
これはもう違和感を言語化・体系化することと同義なので、違和感を感じることができれば訓練で仮説構築や課題設定ができるようになります。
最近では膨大な定量・定性データが入手できたりもするので、データドリブンな仮説を構築でき、確度の高い仮説・課題設定も可能です。
課題設定ができれば、翻ってそもそも目標設定が正しいのかについても議論が出来るようになります。
上級編まとめ:提案性を持つ
・考えることは目標を再設定すること、両立させること、自分を出すこと
→目標を再設定すること、について。
これはさきほどの、課題設定ができればそもそもの目標設定自体が正しいのかに立ち返れる話と同じで、目標設定までコミットできればクライアントへの提案性がグッと増します。
両立させること、について。
これは、クライアント事情による制約や条件を飲み込んだ上で課題設定できているか、ということかなと。
ある程度課題設定能力が身についても、それが全然クライアント事情や業界作法を無視したものだとしたら意味がなく、ここが中級編と上級編を分つ最大のポイントだと思います。
外から口出ししてくる優秀な人に多いですが、その正論正しいんだけど、制約あるんだよね…のパターンです。
この制約を受け入れた上で提案できるかどうか。
ここはある種営業がクライアントチェックと呼ばれる最終チェックでチューニングすることがよくあるので、これって営業の仕事だよね、と分業しがちなところですが、ここまでしっかり勘案した上で出来ないと提案性がない、非常に難しいところとなります。
自分を出すこと、について。
これはインナーとアウター両方において重要です。
インナー的には、自分が熱中できないサービスの課題を設定することは難しいため、モチベーションも含めて、自分がコミットしないといけない、という意味において自分を出す必要があるということ。
アウター的には、自分がそのサービスに熱意を持ってコミットしないと、提案に熱量が出ないからです。
戦略プランニングはコンサルと違い、客観的なデータを持って理性的・左脳的にプランニングするものではなく、右脳的なアプローチやインサイトを突く、人間の感情を動かすポイントを見つける仕事なので、自分が熱量がないとクライアントに刺さらないのです。
担当しているそのサービスを好きになる、が大事です。
と、偉そうに書きましたが、今まで自分が言語化できていた部分も出来ていなかった部分も含めて大変勉強になりました。
YouTubeでも感想アップしています。
https://youtu.be/C4hucqp5NxQ
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